haydn(Mi 11X Pro/Redmi K40 Pro/Pro+/Mi 11i)用に導入したカスタムROM、Evolution Xの電池持ちが悪いので別のカスタムROMを焼いてみることにしました。
Stock Androidに近いAndroid OSを提供すると謳うAOSP系のカスタムROM「Project Elixir」を試します。
「Project Elixir」について
「Project Elixir」は最小限のUI拡張機能を提供し、優れたパフォーマンス、セキュリティ、安定性を備えたStock Android ROMに近しいAndroid OSを提供するカスタムROM。(…らしいですよ?)
カスタムROMの少ないRedmi K40 Pro/Pro+/Mi 11i/Mi 11X Pro(haydn)もOfficial Deviceに含まれており、Xiaomi・Nokia・OnePlus・Samsung・Realme・Asusのデバイスに対応するため、対応機はそこそこ多い印象。
今回は、Redmi K40 Pro/Pro+/Mi 11i/Mi 11X Pro(haydn)用のAndroid 13に対応するv3.0の公式ビルドを、グローバル版のXiaomi Mi 11iにインストールしました。
ダウンロードリンク
インストール
Project Elixirのインストール方法は2種類ありますが、基本的に開発元はTWRPやOFoxなどのカスタムリカバリからのインストールを推奨していません。というか使用するなって言ってます。
なので、Evolution XやPixel ExperienceなどのAOSP系カスタムROMのリカバリを焼いて、そこからFactory reset後にadb sideloadコマンドでROMをインストールします。最近のPixel Experienceと同じ焼き方です。
元々Project Elixirの前にはAOSPのEvolution Xを焼いてあり、リカバリもそのままなのでEvolution Xリカバリから、adb sideloadコマンドを叩いてインストールを試みました。
が…一度Mi 11i(Redmi K40 Pro+)にPixel Experienceを焼こうとして失敗したように、adb sideloadコマンドで”ROMファイルを読み込めない”ってエラーを吐かれてサイドロード経由ではROM焼きをミスりました。

adb/fastboot環境の構築は問題なし、ドライバ周りも不具合がなく、adb sideloadだけ毎度詰まるのが謎ですが…原因は恐らく、Windows 11かCPUがAMD製なのが原因だと私は考えてます。
intel+Windows 10環境で焼いてる人はすんなりインストールできているのを見るに、多分そうじゃないかなってだけですが。
とにかくadb sideloadコマンド経由だと、うちの環境ではインストールできなかったので、公式は使うなって言ってますがTWRP経由でインストールしました。(出来るならadb sideload経由を推奨しておきます)
やり方はEvolution Xと同じで、haydn用のTWRPを一時的にフラッシュしてデータをワイプ、内部 or USBストレージにROMを書き込んでTWRPからフラッシュし、キャッシュ消去して完了。
TWRPからシステムへ再起動すれば、Project Elixirが起動します。


「Project Elixir」を使ってみる
スッキリしたStock Androidに近いUI
パステル風の明るい印象のオリジナル壁紙が設定されてます。Material Youが壁紙のカラーを反映するのでかなり”かわいらしさ”のある感じです。
プリインストールアプリは、カメラアプリすら入っておらずGoogle系のアプリが最低限あるのみ。


Pixel Experienceと似たアプリ構成ですが、Gmailやドライブ等がなく、確かに言われてみればStock Androidに近いような気がします。
設定画面のデザインはカスタムされていて、独自項目の”Essence”が追加されてます。
忌まわしきAndroid 12の呪いである、Wi-Fiとモバイルデータのタイルは分離化されてます。



Essenceからはロック画面やQSパネル、その他設定をカスタム可能。
メニューから読み取れる内容より項目が少ないので、TWRP経由の弊害でインストールミスかと思いましたが…公式のスクリーンショット内容と同じなので、実装内容はこの通りみたいです。



v3.0はまだ先行版みたいなので、今後の更新次第ですね。
ディスプレイ設定は60・120Hzのみで、haydnが内部的に対応している90Hzには非対応。
”Refresh rate per-app”から任意のアプリでのリフレッシュレート動作を指定、”High touch polling rate”で恐らくタッチサンプリングレートを最大値での動作に変更できるみたいです。



セキュリティは、残念ながら特別追加カスタムされた訳では無いAOSP系のROMなので、指紋のみ対応。
壁紙とスタイルはしっかり実装されてます。


ジェスチャー設定は簡素で、3本指スワイプでのスクリーンショットには対応してますが、クイックタップなどの機能には非対応。
ナビゲーションのカスタマイズも、v3.0ビルドではcrDroidやEvolution Xほどの機能性は無いです。一応”Fullscreen gestures”を有効化すればナビバーを消せます。



デバイス名はMi 11iからRedmi K40 Pro+に変わってました。


Snapdragon 888(haydn)のCPUクロック制限、再び
Xiaomi Mi 11i(haydn)にGSIを焼いたとき同様、SoCをSnapdragon 888で認識してはいますが、制限が掛かっていてパフォーマンスコアのCPU動作クロックが2.84GHzから2.15GHzまで低下しています。
また、GPUクロックも周波数テーブル上の608MHzまででしか動作せず、ベースクロックを弄らないと608MHz以上では動かないようになってます。


非公式ビルドながら、同じくRedmi K40 Pro/Pro+/Mi 11i/Mi 11X Pro(haydn)用のカスタムROMであるEvolution Xでは、このCPUクロックの制限を突破できていたのですが…Project Elixirでは再び発生しやがりました。


特に何もせずデフォルトの状態でAntutu V9.2.1を回してみると、スコア620198でSnapdragon 860程度の値でした。
3C CPU ManagerでCPUクロックを上限値に張り付かせ、KonaBessでGPUクロックを725MHzに変更して回したところ、カスタムROM・GSIをインストールしたMi 11iでは過去最高値のスコア760630でした。


??????????
何故パフォーマンスコアのクロックが2.15/2.41GHzしか出ないのに、同様のクロック値であるGSIどころか最適化されて、最大クロックの出るカスタムROMより誤差では済まない程度にスコアが高いのか。コレガワカラナイ。
GPU部分はAdreno 660を725MHzで動かしているので、スコア30万くらいでも妥当ですが…。うーん…。



かなりStock Androidに近いカスタムROMなので、余計な部分がなくて純粋に性能が出やすいのかも知れないです。
何ならクロックを最大化したとはいえ、システムアプリ削除後やスロットリングに近い温度のMIUIよりCPU・GPU性能が上です。なんだこれは、たまげたなぁ。



電池持ちもそこそこ良くなった
24時間放置の間で、省電力機能を有効化しても80%から35%くらいまでスタンバイ時に消費していたEvolution Xよりは、確実に電池持ちも改善しました。


電池持ちも悪くない、クロックが2.15/2.41GHzしか出ないのに性能は上、なんですかね…この敗北者()は。
Evolution Xの記事でも書いてますが…私的には、Pixel Experience+crDroidっぽいUIのEvolution Xの方がカスタムROMとして”は”好きです。
なので、Project Elixirが謎に性能面で優れているのがなんとも言えない気分になります。
Magiskを導入(root化)
いつも通りのやり方で、TWRPを起動してMagisk.zipをインストールするだけの簡単作業です。


XDAのhaydn用Project Elixirのフォーラムにboot.imgのリンクがあるので、それにパッチを当てても多分導入できると思います。
あとがき


インストールして記事にするところまではもってこれましたが、実はMi 11i(haydn)のメインROMとして使うか迷ってます。
電池持ち、性能共に今のところMi 11i(haydn)に導入したカスタムROM・GSIでは一番優れているので、メインにしたい気持ちも当然あるのですが…CPUクロックの件がどうにも、もやもやして気持ち悪い。
機能面はv3.0(先行版)なのでショボいですが、別にカスタム大好き人間でもないし最低限必要な機能はあるので、これでもOK、むしろ使いやすいStock Androidなので悪くはないです。
でも、バッテリー持ちがかなーり悪いですが…使っているうちにEvolution Xも好きになってしまったし、どちらを取るべきか困りました。
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