【レビュー】”今が快適ならば良い”値下がりで後継機を脅かす「OPPO Reno5 A」に触れる

Android

Y!mobileで販売されているReno5 A(eSIM)が、他社からMNPすると回線セットで1円とかいう破格の値段で投げ売り(在庫処分)されていたので買いました。

2021年のミドルレンジモデルながら、値下げや後継機であるReno7 Aがお世辞にもReno3 A→5 Aのようなスペックアップをしていないことが要因なのか未だに売れ筋トップ10に食い込んでいて、週によってはReno7 Aを突き放していることもあるくらいには”まだ”売れているモデルで大方の予想以上に7 Aが5 Aに脅かされてます。

敢えて”今が快適ならば良い”と価格重視で割り切った、型落ちのミドルレンジ「OPPO Reno5 A」をレビューします。

スペック・仕様

機種OPPO Reno5 A
OSColorOS 11(Android 11ベース)
SoCSnapdragon 765G 5G(Samsung 7nm LPP)
RAM6GB(LPDDR4X)
ストレージ128GB(UFS 2.1)
ディスプレイ6.5インチ TFT-LCD
1080×2400(20:9)
60~90Hz
サイズ162×74.6×8.2mm
重さ182g
バッテリー4000mAh(9V/2A=18W:PD/QC 2.0対応)
アウトカメラ64MP 広角(f/1.7)
8MP 超広角(f/2.2)
2MP モノクロ(f/2.4)
2MP マクロ(f/2.4)
インカメラ16MP(f/2.0)
インターフェースUSB Type-C(USB 2.0)
nanoSIM+nanoSIM/microSD(最大1TB)
eSIM×1
オーディオモノラルスピーカー
3.5mmステレオミニジャック
ハイレゾオーディオ(~192000Hz)
SBC/AAC/apt-X(HD)/LDAC
Dolby Atmos
バンド5G:n3/n28/n77/n78
4G FDD-LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/26/28
4G TD-LTE:B38/39/40/41/42
3G WCDMA:B1/2/4/5/6/8/19
2G GSM:850/900/1800/1900
接続規格IEEE802.11 a/b/g/n/ac
Bluetooth 5.1
NFC(FeliCa対応)
防水・防塵IP68
セキュリティ背面指紋認証
顔認証
備考SIMフリー・楽天・Y!mobileに投入されたRenoシリーズの2021年モデル
Y!mobile版はシングルSIMの出来損ないとeSIMに対応したモデルが存在

開封・内容物

Reno5 Aリリースの2021年モデルから、OPPO端末のパッケージは吸収合併したOnePlusっぽいよりシンプルなデザインになりました。

付属品は最低限で、ACアダプターやUSBケーブルは同梱していません。

1ポートしかないACアダプターは同梱されても無駄な物が増えて迷惑なので付けなくて良いです。

  • クリアケース
  • 保護フィルム(貼付け済み)
  • SIMピン
  • クイックスタートなどのマニュアル類

外観

明るくキュートな印象で割りと好みだったので、アイスブルーを選択しました。

何処かHuawei P40 Proっぽいようなデザインで、嫌いじゃないです。シンプルで無難。

シャレオツに言えばアイスブルーですけど、白みが強い水色ですね。派手すぎないので女性ウケも悪くないと思います。

Reno5 Aのアイスブルーは落ち着いた印象で、私的には好みの部類です。背面指紋認証が若干気になりますが…。

側面ボタン類はOPPO系(RealmeやOnePlus)スマホ特有の右側に電源キー、左側にボリュームキーとなっています。

本体下部にスピーカー、USB Type-Cポート(2.0)、マイク、3.5mmステレオミニジャックがあり、上部にもマイクらしき穴が開いています。

SIMスロットは左側のボリュームキー上にあり、nanoSIM+microSDカードに対応します。

2枚目のnanoSIMはmicroSDカードとの排他仕様で、Y!mobile版はシングルSIM仕様です。

SIMフリー・楽天・Y!mobile(eSIM)版であれば、nanoSIM+microSD+eSIMで組み合わせて利用できます。Y!mobile(シングルSIM)版は出来損ないですね。アレは価格が特別安いとかでもない限り、忌み子と言える代物です。

OPPO Reno5 Aの重さは概ね公称値の182gに近い184gでした。

付属のクリアケースを装着した場合は202.7gでした。6.5インチかつケース込みで200g弱は軽い方です。

ソフトウェア

Android 12ベースで多機能なColorOS 12に対応

OPPO Reno5 Aは、出荷時ではAndroid 11ベースのColorOS 11をプリインストールしていますが、アップデートによりAndroid 12ベースのColorOS 12に対応しました。

ColorOSはMIUIやOne UIほど重くなく、11以降は前のColorOSの様に変な部分でiOSを意識した作りとは違い、大分改善されて従来のAndroid OSユーザーでも使い勝手がマシになってます。

変に機能制限や警告を出してくるどっかのクソOSと違い、apkインストールや開発者向けオプション有効化時でも無駄な警告などはしません。POCOとMIUIランチャーでしかジェスチャー操作できないとかも勿論ないです。

Android 12ベースになったことで壁紙などに合わせてシステムカラーが変更できる、Material Youに相当する機能がパーソナルカスタマイズから使えるようになりました。

独自UI(OS)のColorOSなので、AOSPベースのAndroid 12と違いモバイルデータとWi-Fiのタイルは分離されており、ワンタッチでON/OFF可能です。

ステータスバーに表示するアイコンやバッテリー表示のスタイルもカスタマイズ可能です。

体感できる程の効果はありませんが、流行りのシステムストレージの一部をメインメモリに割り当てる”RAMの拡張”も最大5GBまで可能な他、スクリーンショットの音も無効化できます。

MIUIと並んでタスクキルが強力過ぎる、お節介なColorOSなのは相変わらずなので、アプリの最適化関係やバックグラウンド動作・バッテリー設定は調整が必要です。

動作中のアプリメニュー or タスクマネージャー上でロックに設定することで、任意アプリのタスクロックも可能です。

Y!mobile版は不要なアプリがてんこ盛りのクソ仕様

SIMフリー(オープンマーケット)版とは違い、Y!mobile版は禿(ソフトバンクグループ)のキャリア販売モデルなので、ColorOSだけでなくYahooやSoftBank系のクソアプリがもりもり入っています。

サブブランドの分際で主張が激しく、クソの役にも立たないアプリばかりプリインストールしていて、本ブランド同様に無駄なことしかしません。

+メッセージと説明書アプリしか追加しておらず、オープンマーケット版と殆ど遜色ない具合のUQモバイルを見習って貰いたいです。

邪魔なので、Yahoo(SoftBank)系のクソアプリと不要なColorOSのシステムアプリは、いつも通り「ADB App Control」で強制的にアンインストールしました。

ハードウェア

90Hz対応のLCDディスプレイ

OPPO Reno5 Aは、6.5インチのTFT-LCDディスプレイを搭載しています。

インカメラは左上パンチホールタイプで、サイズ感は普通です(2022年だと少し大きめかも…)。

8bit(1677万色)、ピクセル密度405PPI、コントラスト比:1500:1となっており、通常時は480nits、ピーク時では550nitsに達します。輝度は並程度の明るさで、室内は十分な明るさですが…屋外だと見にくいと思います。

(壁紙:https://www.pixiv.net/artworks/97785751)

デフォルトだと少しだけ暖色寄り(ほんのり赤みが強い)ですが、特別LCDだからと言って不満に思うディスプレイではないです。8bitなのでめちゃくちゃ綺麗だとも思いませんが。

DisplayMate A+のSamsungE4 AMOLEDを採用したMi 11iと比べれば、流石に差が分かりますが…Pixel 6などのAMOLEDと比較しても明確に劣るとは感じません。

最近はAMOLEDの機種ばかり触ってるので、輝度だけが少し気になりますが…視野角・発色共にLCDとしては良好です。

可変式ではなく60・90Hz固定のリフレッシュレート、タッチサンプリングレートは180Hz、アスペクト比は20:9、PPIは405(406はほぼ誤差)でHDR10+まで対応のようです。

ディスプレイ設定は必要最低限で”画面色モード”から暖色・寒色寄りに調整できます。

Xiaomi Mi 11iのマクロカメラをGCamでブーストした疑似顕微鏡カメラで、OPPO Reno5 Aのディスプレイを撮影してみました。

少し粗くて見にくいですが…並びがRed・Green・Blueなので、LCDで一般的な”RGB Stripe配列”です。

WidevineはL1でした。高画質でストリーミング再生可能です。

背面指紋認証と顔認証に対応

OPPO Reno5 Aは背面に指紋認証センサーを搭載しています。

高速かつ精度も良いのでセンサーに不満は無いですが、私的にはA54 5Gの様に側面であれば完璧だったのに…と思ってます。背面式は嫌いじゃないけど好きじゃないです。

顔認証はインカメラを利用したタイプです。

指紋認証と比べるとほんの少しだけ遅れますが、十分な速度で解錠できます。

生体認証は、背面指紋認証と顔認証共に速度・精度が良好で十分快適に使えます。

USB PD/QC 2.0による18W充電に対応

OPPO Reno5 Aは、高速充電規格のQuick Charge 2.0とUSB PD Rev 2.0に対応しており、どちらも最大9V2Aで出力されます。

最大20W(9V/2.22A)のUSB PD出力に対応した「Anker PowerCore Fusion 10000」と「Anker PowerLine II USB 3.1(Gen2)」でOPPO Reno5 Aを充電したところ、RT-TC5VABK読みで9V1.2A=10Wが出力されていました。

概ね9V1.2~1.8Aの10~16W前後で充電されるようです。

独自規格ではなく、汎用のQuick Charge 2.0とUSB PD Rev 2.0の18W(9V2A)に対応しているため、安い物だとDAISO辺りでもPD充電器が手に入り、手持ちの既存品を使い回すことも容易です。

オーディオ

OPPO Reno5 Aは、ハイレゾオーディオとDolby Atmosに対応しています。

スピーカー出力では強制的にDolby Atmosが有効化されプロファイルの選択しかできませんが、3.5mmステレオミニジャックではON/OFFとイコライザーによるカスタムが可能になります。

出力レイテンシー

「Audio Latency Test App」でスピーカー、「ヘッドフォンディレイテスト」で3.5mmステレオミニジャックの出力レイテンシーを計測しました。

スピーカーではレイテンシー119ms、バッファサイズ192、3.5mmステレオミニジャックでは大体55~65msの間でした。

Android端末としては遅い部類です。特に強制的にDolby Atmosが有効化されるスピーカーのレイテンシーは、120ms近くになるためあまり良くないです。

3.5mmステレオミニジャックは特に言う事はないです。可もなく不可もないので。

ハードウェアの対応周波数

ハードウェアレベルでカスタムできる音楽プレイヤー「Neutron Music Player」から、OPPO Reno5 Aのハードウェアを確認したところ

デフォルト設定ではスピーカー・3.5mmステレオミニジャック出力共に、48000Hz 16bit固定でした。

ドライバー設定から、ハイレゾ出力を許可するとスピーカー・3.5mmステレオミニジャック出力共に、44100Hz~384000Hzまで選択可能になりました。

表面上は対応していても音源を再生しようとすると何かしらでエラーになる、所謂「見掛けだけのスペック」では無いことを確認するため、ネイティブ384000Hz 24bitのWav音源を用いて再生テストをしました。

384000Hz 24bitではハードウェアゲインの動作がバグってしまい、再生自体は可能ですが…最大音量にしても出力が全然上がらず、ノイズが混じったジャリジャリしたような音になってしまいました。

192000Hzまで落とすとハードウェアゲインが正しく動作するようになり、どちらの出力でも問題なく再生可能になりました。

「Neutron Music Player」からは384000Hzまで選択可能ですが、OPPO Reno5 Aのハードウェア的に正しく再生できるハイレゾ音源は192000Hz(PCM)までのようです。

この仕様はSnapdragon 765GのAqstic audio codec「Qualcomm WCD9385」のPCM再生サンプリングの最大192kHz/32(24)bitと合致します。(仕様上は352.8~384KHzのサンプリングもサポートしてますが…)

カタログ上のスペックだけでは判断し辛い部分もしっかり反映する「Neutron Music Player」には、有料のアプリとはいえ”流石”の一言です。

ただ…同じWCD9385でもSnapdragon 480機だと、試したことのあるOPPO A54 5GとRakuten Hand 5Gのどちらも「Neutron Music Player」で384KHz24bitのWAV音源を問題なく再生できていたので、少しだけ腑に落ちないでいます。

リリース日は765Gの方が古いので、WCD9385でも192KHz止まりと最大値の384KHzまでの対応可否が内部的に異なっているのかもしれません。

正直に言えばよく分かっていないですし、48KHz以上の音源で違いが分からん耳なので192KHzでも384KHzでもどっちでも良いです。拘るなら外付けのUSB DAC使います…。

いつものレビューでは言及しないでいますが…少しだけ言っておくと、3.5mmステレオミニジャックの音質は可もなく不可もなく、音が偏っておらずフラットに近い感じで、レンジもそこそこ、見通しも悪くはないです。

安い2000円くらいのType-C形状のDACと同じような音質で”The・普通”、とりあえず聴くだけなこれでもまぁ…って印象で、ハイレゾ対応だろうが専用DAC搭載機には遠く及ばないです。

スピーカーはモノラルなんで言わずもがな、所詮オマケです。

ベンチマークテスト

Geekbench 5

クロスプラットフォーム対応のCPU性能とグラフィック性能をOpenCL・VulkanAPIから計測できるGeekbench 5では、シングルコア600・マルチコア1736、OpenCLスコア1266・Vulkanスコア1293でした。

ざっくり、CPU性能はSnapdragon 695>765G>845、GPU性能は845>765G>695って感じですね。

695は世代の新しいCortex-A78を2基搭載しているため、A76を搭載する765Gは少しだけCPU性能で劣りますが、GPUはAdreno 620の765Gの方が少しだけ上なようです。

旧世代ハイエンドの845はGPUだけ何とか勝っていますが、CPUはA75なので765Gや695より明確に劣ります。

ベンチマークブーストの有無を確認するためパッケージ名を原神に偽装したGeekbenchも計測してみましたが、通常のものと結果は誤差範囲でした。パッケージ名でのブーストはしていないと判断して問題なさそうです。

3DMark Wild Life Stress Test

クロスプラットフォーム対応のグラフィック性能とパフォーマンスの持続性を測るベンチマーク、Wild Life Stress Testでは最大スコア1699・最低スコア1694、バッテリー消費量は63%→57%(6%消費)、温度上昇は31℃→36℃(5℃上昇)、フレームレートは7~13fpsでした。

Samsung 7nmかつ通常のSnapdragon 765から10%高速化した765″G”ですが、ミドルクラス向けのSoCのため発熱と消費電力は大人しくStability(安定性)は99.7%でとても安定しています。ただし、最大出力もミドルクラス相応です。

過去データにはなりますが、Samsung 10nmで製造されたSnapdragon 845を搭載するPixel 3では最大スコア1666、電力消費25%で安定性96.8%だったので、OPPO Reno5 Aは下手な845搭載機よりも低燃費かつ同等以上の3D性能を安定して出せています。

CPDT Benchmark

クロスプラットフォーム対応のストレージ速度を計測するベンチマーク、CPDT Benchmark(Cross Platform Disk Test)ではシーケンシャルライト(書き込み)388.26MB/s・リード(読み込み)655.08MB/sでした。

リードでは瞬間的にですが、最大で1.03GB/sとUFS 3.0並の速度が出ています。

ランダム性能もライト26MB/s・リード20MB/s…と、中々良いです。Snapdragon 888+UFS 3.1のXiaomi Mi 11i並のスコアが出ており、通りで普段遣いなら結構軽快に動作するわけです。

断定はできませんが…同じOPPO系のOnePlusから出ている765G機のOnePlus NordがUFS 2.1、ベースモデルなのでは?と言われているReno5 5GもUFS 2.1で、結果も似たような速度であるため、Reno5 AもUFS 2.1の可能性が高いです。

後継であるReno7 AはUFS 2.2で、ストレージ規格としては新しいものを採用していますが調べた限りでは、Reno5 Aの方が速度としては速いようです。大差は無いですが、体感的な動作に影響するかもしれません。

Snapdragon 845に匹敵するSoC性能と、同価格帯の機種を含めても比較的高速なUFSストレージのおかげで、普段使いにおける動作では不満になることは少ないです。

PCMARK for Android

Webブラウジングや2D性能など、普段使いのパフォーマンスを計測するベンチマーク、PCMARK for Androidではスコア8872でした。

AnTuTu Benchmark V9.2.1

総合的なパフォーマンスを計測するベンチマーク、AnTuTu Benchmark V9.2.1では、3回の計測で最大スコア397865、最低スコア392444、平均スコア395513でした。

温度上昇は3回の平均で概ね、約3.3℃前後の上昇、電力消費量は約3.6%程度でした。

1回目では5.3℃上昇していますが、温度が収束してくる3回目では34.7℃スタートから寧ろ1.2℃低下しています。

40万スコアに近い結果を出しつつ、Wild Life Stress Test同様にSnapdragon 765Gが発熱と消費電力の大人しいSoCのおかげで、連続で計測しましたがスコア39万を下回ることはなく安定して性能を維持できています。

ゲーム性能

大手企業や開発者も利用するAndroid・iOS向けFPS計測ツール「WeTest PerfDog」を用いて、ゲームプレイ中の実動作(フレームレートなど)を計測します。

パフォーマンス設定は”プロゲーマーモード”、RAMはデフォルトの6GBにて動作させています。

プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク

推奨スペックがSnapdragon 835+RAM4GBと…比較的軽めな中量級タイトルのプロセカでは

MV設定軽量+標準(60fps)の「マシンガンポエムドール」で、全体での平均58.3fps、スムーズ度6、バッテリー温度平均32.1℃

MV設定3DMV+高品質(60fps)の「限りなく灰色へ」で、全体での平均54.9fps、スムーズ度6.6、バッテリー温度平均32.6℃でした。

ロードやリザルトを挟まない楽曲プレイ中の部分にフォーカスしてみると、MV設定軽量+標準の「マシンガンポエムドール」では、平均59.9fpsで終始ほぼ60fpsに張り付いており、2Dのゲーム処理は快適に実行できるようです。

一方でMV設定3DMV+高品質の「限りなく灰色へ」では、開始直後が最も負荷が掛かるのか20fps台で推移し、やや遅れてフレームレートが60fps付近で安定、所々で57fps程度まで下がるものの平均で55.8fpsを出せています。

「限りなく灰色へ」よりも動作の軽い楽曲や、3DMV+標準品質であれば60fpsを十分に安定して出せると思います。

発熱と消費電力も大人しいため、3DMV+高品質の「限りなく灰色へ」でもバッテリー温度平均32.6℃で収まっているので、プロセカ程度の負荷がかかるタイトルであれば長時間プレイしても発熱を気にする必要はなさそうです。

またOPPO Reno5 Aは、6.5インチとやや大型でフラットかつタッチサンプリングレート180Hzのディスプレイを採用しているため、ハイスコアなどを求めるには適しませんが、カジュアルに音ゲーなどをプレイする分には楽しめると思います。

Snapdragon Elite Gamingに対応する”G”を冠したSnapdragon 765Gは、Snapdragon 835程度が要求されるタイトルであれば、適切な設定にすることで60fpsで3Dタイトルをプレイすることも十分可能な性能を有しています。

原神(Genshin Impact)

推奨スペックにSnapdragon 845+RAM4GBが要求される、モバイル向け最重量級タイトルの原神では

デフォルトで設定される低画質30fps設定にて、全体での平均27.4fps、スムーズ度12.2、バッテリー温度平均34.5℃

最高画質60fps設定にて、全体での平均24.9fps、スムーズ度11.4、バッテリー温度平均37.1℃でした。

原神では、低画質30fpsと最高画質60fps設定で得られた平均フレームレートに、あまり大きな差が見られませんでした。

平均フレームレートが大人しい分、発熱による温度上昇も低めでどちらの画質設定でも38℃以下で、発熱が気になることはありませんでした。

どうやらCPU側が足を引っ張っているのか、CPU使用率に対してGPUが遊んでいて、低画質でも思っていたより30fpsを維持できていません。

GPUであるAdreno 620は余力が残っており、高性能コアが”A76”2基しかなく残りが効率コアの”A55”6基のため、上手く負荷を処理できていないのかもしれません。

前にレビューしたSnapdragon 480搭載機でも、高性能コアが2基による弊害なのか先にCPU側が音を上げていたので、8コアでも高性能コアと効率コアの比率が効率寄りのCPU構成では、ゲームプレイ時の余力がなくなりやすいのだと思います。

最高画質60fpsでは負荷相応にGPU使用率も上昇するため、CPU・GPU共にそれなりに動作した結果、大きな差にならなかったのだと思います。

実際、低画質30fpsと最高画質60fps設定でのGPU使用率を比較してみると、低画質30fpsではAdreno 620を平均で55%しか使っていませんが、最高画質60fpsでは平均で82%まで使用率が上昇しています。

余談ですが、Ver 3.0にて原神の公式推奨スペックであるSnapdragon 845+RAM4GBのPixel 3にて、最高画質60fpsで計測した結果が平均12.4fps、スムーズ度43.9のためSnapdragon 765GのOPPO Reno5 Aは単純に見て、推奨スペックに対して2倍のフレームレートを出せたことになります。

とはいえ、どちらの画質でも”思っていたよりは動くけど…微妙”と感じる動作であり、最低限の平均30fpsすら満たしていないので”快適には程遠いが…全く遊べないとも言えない”というのが結論です。

まぁ…ミドルクラスの700番台にしては頑張った方だと思います。私はReno5 Aでストア版の原神をプレイする気は微塵もないですが。

少なくとも原神が公式推奨スペックとしているSnapdragon 845+RAM4GB(Pixel 3)なんかよりも、Snapdragon 765G+RAM6GB(Reno5 A)の方がジャンク数も少なく、2倍のfpsでマトモに原神を動かせていました。

カメラ

ハードウェア

「Device Info HW」からOPPO Reno5 Aのカメラハードウェア情報を確認したところ、以下のセンサーが使われているみたいです。

カメラセンサー
64MP 広角(f/1.7)Omnivision ov64b
(OV64B:1/2インチ)
8MP 超広角(f/2.2)Hynix hi846
(YACG4D0C9SHC:1/4インチ)
2MP モノクロ(f/2.4)GalaxyCore gc02m1b
(GC02M1B:1/5インチ)
2MP マクロ(f/2.4)Omnivision ov02b10
(OV02B:1/5インチ)
16MP フロント(f/2.0)Sony imx471
(imx471:1/3インチ)

「ええ…メインカメラのセンサー、オムニビジョン製の1/2インチセンサー”OV64B”なの」って言うのが、正直な第一印象です。OV64BはRakuten Hand 5Gのメインカメラと同じセンサーです…。

メイン以外のCMOS構成は、同年にリリースされた妹ポジションのエントリーモデル、OPPO A54 5Gと殆ど同じような構成です。

ソフトウェア

カメラアプリは直感的に使いやすい、いつものOPPOと言った感じです。

カメラのシャッター音はいつも通り消せません。Reno5 Aの一部モデルで消せた報告があるみたいですが…Y!mobile版は多分消せなさそう。

どうしても無音化が必要なら、Snapdragon搭載機なのでGCamを入れて下さい。

カメラ倍率は超広角0.6~デジタルズーム最大20倍まで対応、高画質64MPモードとポートレートは倍率固定です。

動画は720/1080p60fps、4K30fpsまで対応します。またその他から”マクロ撮影”やオーバーサンプリング技術とAIの合わせ技で、擬似的に1億画素に相当する12032×9024pxの”超高解像度”での撮影も可能です。

あとモノクロカメラも搭載していますが、HuaweiのPシリーズ機みたいな専用のモノクロモードは無く、カラーフィルターにそれっぽいのがあるだけです。

作例と雑感:ミドルにしては優秀なメイン、他のカメラはオマケ

64MPに対応し、1/2インチのOV64Bを搭載したメインカメラは、ミドルクラスと考えれば中々優秀だと思います。

エントリーモデルのOPPO A54 5Gと比べると”流石にAシリーズよりRenoシリーズ”だなぁ…って感じるくらいの差はあります。HDRの効き具合が良く、明暗差のバランスがA54より綺麗になってます。

AIオン+HDR有効だと少し色合いが鮮やか過ぎて、自然な色ではないですが…まぁ”映えやすい”と考えれなくもないです。

反面、超広角カメラは暗い・ノイズっぽくてメモくらいにしか使い物になりません。画素やセンサーサイズも同じなのでA54と同じような写りです。色のバランスが素人見で少しだけ良いかな…程度。

低照度下でもメインカメラはミドルにしては良く撮れる方で、同じOV64Bを採用し「精細に、鮮やかに6400万画素の高品質なカメラ」を謳った”クソザコのアレ”と比較しても雲泥の差です。

下手なスマホだと、ディスプレイの明るさに合わせようとして全体の明るさも上げた結果、意味不明な写真が完成しますが、OPPO Reno5 Aはめちゃくちゃな写りにならずに抑えられてます。

三脚固定モードを利用して撮影すると、暗い室内でもこのくらいしっかり撮影できます。

比較的優秀なOPPOのカメラソフトウェアのおかげもあり、ポートレートもミドルクラスにしては綺麗に撮影できます。深度測位用のカメラ無しでこの写りは良さげです。

マクロは2MP(200万画素)しか無いので汚いし、魚眼っぽくて見てられないです。

1/5インチとはいえISOCELL 5E9を採用して5MP、Snapdragon 888のISPで処理できるMi 11iのマクロカメラ等のもう少しマシなマクロを知っていると、4眼をウリにするためだけに付いてるオマケにしか思えないです。

望遠性能は2~3倍程度までなら実用範囲内で、5倍もそこそこ綺麗に写ります。望遠カメラ無しのデジタルズームなので10~20倍はちょっと厳しいです。

カメラをアピールしたモデルなのですから、型落ちでも良いのでマクロではなく望遠専用カメラを採用して欲しかったです。

CMOS自体はエントリーやミドルでよくある構成ですが、OPPOのカメラソフトウェアとSnapdragon 765GのISP Spectra 355が頑張っているのか、64MPのメインカメラはミドルにしては優秀だと思います。

どっかの誰かさんと同じ1/2インチのOV64Bなので、微妙だろうと思ってましたが…意外や意外です。

ただ、メインの良さに反して他の3つのカメラは4眼をアピールしたいがために付いてるだけの”なんちゃってクアッドカメラ”な気がしてます。モノクロとマクロは何のために採用したのか謎です。

これなら無駄に4眼も付けないでコストカットして、メインと需要はある超広角、オマケで光学3倍くらいのズームを搭載した方が綺麗に纏まってたのでは…と、素人ながら個人的に思います。

”なんちゃってクアッドカメラ構成”はReno5 Aに始まった話ではないので、2MPのマクロとかモノクロセンサーが安くて、楽にクアッドカメラをアピールしやすいんですかね…。

まとめ:全てが平均以上、突出した部分も無いが不満も少ない

良い点

  • Android 12ベースのColorOS 12に対応
  • 派手すぎずシンプルで無難にまとまった、落ち着きのあるデザイン
  • 6.5インチのディスプレイを採用しながら、やや軽量な184g
  • IP68等級の防水・防塵とFeliCa対応
  • あれば嬉しい3.5mmステレオミニジャック・microSDカードスロット搭載
  • nanoSIMとeSIMに対応
  • リフレッシュレート90Hzに対応し、視野角・発色共に良好なLCDディスプレイを採用
  • フラットディスプレイ、左上パンチホール採用
  • 速度・精度が良好で快適に使える、背面指紋認証と顔認証
  • 汎用規格のUSB PD/QC 2.0での18W充電に対応
  • 192000Hz(PCM)までのハイレゾオーディオとDolby Atmosに対応
  • 低発熱・低消費電力ながらSnapdragon 845に匹敵し、765から10%高速化した”Snapdragon 765G”搭載
  • 比較的高速なUFSストレージを採用
  • ミドルクラスと考えれば中々優秀な64MPのメインカメラ
  • 型落ちで値下がりしMNPなどでは破格の値段で買える

欠点

  • データ転送では役立たずのUSB Type-C(USB 2.0)
  • Y!mobile版は不要なアプリがてんこ盛り
  • Reno3 AはAMOLEDだったのにReno5 AはLCDにダウングレード
  • ディスプレイ輝度がピーク時で550nitsなので、屋外だと視認性が悪い
  • 人を選ぶ”背面”指紋認証
  • モノラルスピーカー
  • 強制的にDolby Atmosが有効化され、スピーカーのレイテンシーが120ms近い
  • カメラをアピールしているのに、メインカメラ以外はオマケとしか思えない”なんちゃってクアッドカメラ構成”
  • カメラのシャッター音が消せない(諸説あり)

OPPO Reno5 Aは、ミドルレンジに求められる要素を無難に手堅く平均以上でまとめた端末です。やたらと評価だけは高い印象でしたが、概ね筋は通っていると私も感じました。

ただし、平均以上で必要十分にはまとまっていますが、無難過ぎるが故に突出して他より優れた部分もあまり無いと感じています。

まぁ…とりあえず安価で入手しやすい割には性能も程々なので「今、快適に使えるなら安く手に入るReno5 Aで良い」という価格重視の割り切りで、あまり価格に見合った進化をしていない2022年のミドルレンジや、様々な要因で高くなりすぎたハイエンドを避けて、Snapdragon 765GのOPPO Reno5 Aを使い潰して頃合いまで耐える…。

という選択肢も全然悪くはないと思います。

全てが平均以上でまとまっていて、突出した部分も無い代わりに不満も少ない端末なので、Reno7 Aなどが謳うような36ヶ月後も快適っていうのは無理ですが…Snapdragon 845に匹敵するSnapdragon 765Gと比較的高速なUFSストレージを積んでいるので、当面の間は普段使いであれば十分快適に使えると思います。