Android 13ベースのricedroid(GSI)をPOCO F4 GT(Redmi K50G)に焼いてみる

Android

POCO F4 GTをブートローダーアンロックできましたが、下調べ通りカスタムROMが皆無なのでGSIを焼くことにしました。crDroidかPixel Experienceを焼いても面白くないので、興味本位でricedroidを焼きます。

ricedroid(GSI)

LineageOSベース(派生)のカスタムROM「crDroid」+「LineageOS」風のROMこと、米泥の非公式GSIです。

ricedroidはGithubTelegramで活動を確認できますが、ぶっちゃけ私もよく知らないし、ググっても日本人でROMを導入してる人はかなーり少ないです。新しめかつOnePlusっぽいという以外、情報がまるでない。

今回は、Android 13ベースでGMS対応かつビルド内容がシンプルなスリム版”riceDroidOSS-13_arm64-bgN-slim-UNOFFICIAL”を入れました。

ダウンロードリンク

インストール

必要なファイルの準備

ダウンロードしたimg.xzファイルを7z等で解凍し、出てきたフォルダ内にある.imgファイルを任意の場所に保存。

今回はPOCO F4 GT(Redmi K50G)に焼くので、MiFirmなどからingres用のMIUI ROM(Fastboot)もダウンロードし、vbmeta.imgを抽出。

ricedroid(GSI)を焼く

既に何回かGSI焼きに関して記事にしているので簡潔に。Fastbootモードで起動し、adb環境(PC)とUSBデバッグ接続してコマンド”fastboot reboot fastboot”を実行、端末をFastboot”D”モードに。

Fastboot”D”モードの端末に”fastboot erase system”→”fastboot -w”コマンドを実行し、内部パーティションを清掃。

内部パーティションの清掃後、MIUI ROMから抽出したvbmeta.imgを”fastboot flash vbmeta”で焼きます。

vbmeta焼き後にricedroidのGSIイメージを”fastboot flash system”で導入。

問題無く焼けていれば「Finished. Total time: 〇〇s」と表示されるので、”fastboot reboot”コマンドで端末を再起動。

再起動後、トラブル回避にリカバリーモードを一度起動してデータを初期化。

再度システムへ再起動、焼いたGSIが起動します。普段のGSI焼きならこの後、初期設定からなんですが…ricedroidだとそれをすっと飛ばします。

ricedroid(GSI)を使ってみる

UIや設定関係

初期設定をすっと飛ばすので言語が英語になってます。設定から日本語に優先順位を変更して下さい。ricedroidは独自のSushi Launcherが設定されてます。個人的にはPixel Launcherよりマシ程度で微妙です。

プリインストールアプリはスリム版なので最低限のGMSとLineageOS系くらいで、ストレージ使用量は5.8GB。素晴らしいの一言。

設定はRise UI(4.0)と呼ばれているOnePlus”風”のUIです。あくまで”風”。

GSI必須のPhh Treble Settings対応。Force FPSでしっかりPOCO F4 GTの最大駆動120Hzに設定できました。

セキュリティはLineageOS(GSI)とは違い顔認証と指紋認証両対応、ナビゲーションはナビバーの無効化等…crDroid(GSI)とほぼ同じ。

珍しいことにricedroidは、壁紙にNothing OSのものが用意されていました。OnePlus風だったりNothing OSの要素があったりするのでビルドした人はカールペイ氏のファンなんですかね。私も嫌いじゃないです。

ricedroidの設定項目は他のカスタムROMでいう”crDroidの設定”や”The Evolver”と内容は殆ど同じです。

ゲームスペースやデバイス偽装によるFPS解放、Netflix向けの偽装はお馴染みです。パラレルスペースは俗にいう複数垢機能でMIUIのセカンドスペースもどき。アプリクローンとは違います。

ゲームスペースはAndroid 12以降のカスタムROMやGSI共通の奴です。FPS単体なら表示可能。

Wi-Fiとモバイルデータのタイルはしっかり分離されている他、”ricedroidの設定”でカスタムできるためAOSPに物足りなさを感じる場合でも大体は好きなようにできます。

その他:POCO F4 GT(Redmi K50G)でのricedroid

POCO F4 GT(Redmi K50G)に焼いた場合の話です。特殊じゃない限りricedroidに問題はないです。Xiaomi Mi 11i(Redmi K40 Pro+)の時はGSI・カスタムROM導入でSoCクロックの制限が掛かりました。

あれ、どうやら仕様らしくMIUI以外だとSnapdragon 888を性能制限時のクロックにするらしいですが…POCO F4 GTだと制限自体は掛かっていないっぽいです。

が…Snapdragon 8 Gen 1自体の制限がシビアなのか、MIUIのように3GHzとか818MHzはほぼ出ないです。バッテリー温度15℃くらいなら一応は周波数が出てるって感じでした。

殆どの場合はKryoのプライムコアが2GHz弱、高性能コア3基が2~2.4GHz、効率コアが1GHz弱でAdreno 730が791MHzくらい。一応これでもXperia 1 Ⅳとかの8 Gen 1()とはどっこいですが…。

ただ、温度上昇はSnapdragon 8 Gen 1とは思えない挙動になり、約1℃上昇の2%消費とかいう状態に。

性能制限されてるので当然の話ですが、とりあえず最適化されてないGSIだとSnapdragon 8 Gen 1のじゃじゃ馬具合は酷い状態で、アチアチになるか性能制限されてXperiaみたいな落ちぶれかの2択。

ゲーム性能はなんとも言えない状態で、調子が良いと原神も50fps弱でMIUI 14と変わらないんですが、大半は駄目。CPUは直ぐにクロック低下で性能も落ちるのでボトルネックに。GPU側は余力がまだあるみたいです。

TakoStatsで10分弱計測したら平均40fps、fpsあたりの消費電力は132mW。

POCO F4 GTのレビュー時に使用した、MIUI 14で計測したPerfDogのデータと比較すると平均46.6fpsで消費電力は148mW…。”性能も下がったけど消費電力も下がった”がワットパフォーマンスはどっこい。悲しいです。

少しだけ煮詰めてガバナーをscheduleからPowersaveに変更し、最低クロック上限を引き上げ、爆熱野郎の性能をSnapdragon 870~888程度にまで落とすことでかなり冷え冷え状態になりました。

とりあえず璃月で50fps弱出たのでそのまま続行。GPUに対してCPUが貧弱過ぎる…。

30分の計測で平均45fpsまで伸びた代わりにフレームあたりの電力も増加し191mWに。厳密には比較できないですが、頑張ればMIUI並のパフォーマンスをGSIでも出せるかもしれないです。

もう少しゴニョゴニョします。

ちなみにちゃんとricedroid導入状態でも120W充電可です。XiaomiはvendorIDとかで端末とACアダプターがやり取りして充電制御をしてるので、当然といえば当然なんですが…まぁ、MIUI以外でも動作確認できて一安心です。

電池持ちも普通ですね。使えば減る、使わなければ緩やかに減るSnapdragon 8 Gen 1そのまんま。

あと、何故か色々遊んで弄ってたらクイック設定パネルの編集ができなくなりました。配置はこれで良いので不便はしてないですが…何故、急にこうなったのかサッパリ。

次いでにPhh Trebleから音声関係を無効化しても音の歪みがたまに発生します。多分、ricedroid(GSI)とPOCO F4 GTの相性が悪い or Android 13ベースなのでまだまだGSIが成熟してない可能性のどちらか。

あとがき

とりあえず、ricedroidの出来が良いのは分かりました。ベースだけあってcrDroidに似た所も多いので使いやすかったです。

これがGSIなので基本的に対応さえしてれば大半のAndroidにも焼けるのは良いですな…と、同時にPOCO F4 GTとはあまり相性が良い感じではないので、他のGSIを焼いてから再度メインにするか検討って感じです。

今まで一時避難としてGoogle純正のAndroid 13β(GSI)を保存してましたが、即席焼き用のGSIとして気に入ったのでricedroidに置き換えです。