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Redmi Note 12 Turbo(POCO F5)にGSI ROM&Magiskを導入する

Android

Redmi Note 12 Turboのブートローダーアンロックが完了し、出たばかりでまだTWRPやカスタムROM等の開発がされていないため、GSIを繋ぎとして導入します。

ついでにSnapdragon 7+ Gen 2やRedmi Note 12 Turbo(POCO F5)が、GSI環境でどういう風に振る舞うのか気になるので確認と、TWRPがない状態でGSIを焼いた後にMagiskを導入してみる練習の記録です。

使ったもの

使おうと思っていたcrDroid-9.3は焼けたものの動作せず、次点でArrowOS-13.0を試しに焼いたら動いたのでArrowOSを使用してます。”ArrowOS-13.0-arm64_bgN-slim-Unofficial”のスリムビルドを焼きました。

その他、boot.imgやvbmeta.imgは”marble_images_V14.0.10.0.TMRCNXM_13.0”から引っこ抜いてます。

インストール

GSIを焼く

Fastbootモードで起動し、adb環境(PC)とUSBデバッグ接続してコマンド”fastboot reboot fastboot”を実行、端末をFastboot”D”モードに。

Fastboot”D”モードの端末に”fastboot erase system”→”fastboot -w”コマンドを実行し、内部パーティションを清掃します。

Redmi Note 12 Turboのsystemパーティションの割り当てサイズは小さいようで、ストックしていたGSIの中では一番サイズの小さい”riceDroidOSS-13(2.54GB)”を焼こうとした場合でも、FAILED(remote:’Not enough space to resize partition’)のエラーが出てしまいました。

そのため、vbmeta.imgを焼く前に”fastboot delete-logical-partition product_a(b)”を実行し、論理パーティションをワイプしてから、MIUIのfastboot ROMから抽出したvbmeta.imgを”fastboot flash vbmeta”で焼き、その後にGSIのシステムイメージを”fastboot flash system”で導入しています。

システムの書き込み後、トラブル回避に”fastboot erase userdata”と”fastboot erase metadata”でユーザー・メタデータを消去し”fastboot reboot”コマンドで端末を再起動。

今まではリカバリーから初期化してましたが、簡略化のためにコマンドプロンプトから行いました。再起動後、焼いたGSI ROMが起動します。今回はArrowOSなので見慣れたAndroid標準の言語選択画面。

ArrowOSについてはAOSPベースのド・シンプルで軽量・安定性に長けたカスタムROMで、それ以上でも以下でもないので特別何か触れる機能とかはないです。

Magiskの導入

MIUIのfastboot ROMから、Redmi Note 12 Turbo(POCO F5)のboot.imgを引っこ抜きます。

Android 13が初期インストールのデバイスでは”init_boot.img”にパッチする形式に変わりましたが、MIUIのfastboot ROM内にinit_boot.imgは無く、フォルダ内にはvendor_boot.imgかboot.imgのみ。

とりあえず従来通りboot.imgをMagiskアプリからパッチして”fastboot flash boot”でフラッシュしてみたら、普通にMIUI 14(Android 13)が初期ROMでもMagiskの導入は可能だったので、GSI&Magisk環境を構築する場合はfastboot ROMから引っこ抜いたファイルとGSIイメージだけで足ります。全てのケースで通用するかは分かりませんが…。

追加セットアップの再起動後、従来通りMagiskでroot権限やモジュールも問題なく動作。

気になってた部分を調べる

Tianma T7+発光材を採用したRedmi Note 12 Turboのディスプレイは、内部的に90Hz駆動に対応していました。

カスタムROM・GSIで動かせるだろうと思っていた通り、Phh Treble Settings内の”Force FPS”から切り替えると90Hzで駆動しました。

MIUI 14(非root)で表示されなかった情報として、30/60/90/120HzでRedmi Note 12 Turboのディスプレイは動作可能です。ついでにWidevineはL1のままです。偽装しなくて良いので楽。

Snapdragon 7+ Gen 2の基本動作クロックを3C CPU Managerで確認。

スモールコアのCortex-A510×4基とパフォーマンスコアのCortex-A710×3基は定格の周波数で動作しますが、プライムコアのCortex-X2はGSI環境だと320MHz低い、最大2.59GHzまでの動作に制限されるようです。

Adreno 725の周波数テーブルは220MHz~580MHzで、Qualcommは劣ったGPU製品には”L”や下の番号で命名するため、Adreno 730とはやはり明確に差別化されていました。

充電についてはXiaomiの場合、端末側とACアダプター&ケーブル側の3点セットが”第5のピンを使っておしゃべり”して出力するので、OS側で出力値を無理やり制限しないならGSIとかでも、Mi Turbo Charge 67Wで6A流して充電できます。

PD PPSの出力も3.3〜16.0/21.0Vではレビュー時と同じで23W前後。

ベンチマークテスト

予めMagiskモジュールのFDE.AI-docsとGPU Turbo Boostをぶちこんであります。

レビュー時は全く振るわなかったGeekbench 6では定格を上回る性能、逆にGeekbench 5だとSnapdragon 888に毛が生えた程度の性能になりました。シングルスコアは寧ろ811で劣ってますが…多分Geekbench側の問題です。

PCMarkはMIUIのパフォーマンスモードOFF相当のスコアです。

FDE.AI-docsに動作クロックを任せた状態のAnTuTu Benchmark V9.4.8はスコア856104で、MIUIのパフォーマンスモードOFFと同等かやや上の結果に。

GSIで動作可能な最大クロックに固定すると、スコア921312でした。320MHz低い&最適化不足のGSIで定格に近いスコアが出ていて、Snapdragon 7+ Gen 2のポテンシャルを再認識する結果です。

Snapdragon 8 Gen 1や888だと動作クロックの制限が酷く、このようには行きません。

ただ…AnTuTuの結果が850000でも920000でも体感差はなく、実ゲームに性能が反映されるわけではないので…わざわざクロックを最大に固定化して900000超えを狙う意味はあまりないです。

港でもランダムリードが遅いことに関して色々と言われていますが、とりあえずArrowOS-13.0(Disable FUSE storage Layer:ON)で2回CPDT Benchmarkを計測した限り、最低でも12.85MB/sでMIUI 14ほど遅い結果にはならなかったです。

ある程度、読み書きをした後の2回目は33.82MB/s出ているので、UFS 3.1の性能が出るまで何かしらの理由がある or 効率化に時間が掛かるのかもしれません。恐らくRedmi Note 12 Turbo固有の問題だと思います。

AnTuTuではCPU性能が向上するとそれに引っ張られて他のスコアも増加しているので、PCの例としてZen+とZen 2でSSDのランダムアクセス性能が変化した関係性のように、CPU性能の上下が影響している…?。

FDE.AI-docs+ArrowOS-13.0ではCPU Throttling Testを100スレッド、30分間実行しても終始CPUクロックが最大に張り付いており、8%しか低下がなく92%以上の性能を維持。MIUI 14の結果をぶち抜きました。

ROMを変えるとスモールコアのクロックが1GHzまで低下し、性能維持の”い”の字もなかったSnapdragon 8 Gen 1のような無様な結果とは正反対でした。

3DMark Wild Life Stress Testでは最適化されていないGSIにも関わらず、Adreno 725の性能はそのまま発揮され、レビュー時の定格スコアより300ほど良い結果になりました。Stabilityは99.8%で非常に安定してます。

GSI環境だと最適化やクロックの影響がモロに出る原神の動作もテスト。

「善悪のクヴァレナ」クリア後の浄化された”スメール(蒼漠の囿土)”を最高画質60fps(720p)にて、30分間プレイし「TakoStats」でデータを計測しました。

平均57.5fps/1FPS辺りの平均消費電力は103mW/最大でバッテリー温度は39.7℃まで上昇しました。

MIUI 14+ゲームターボのスメール(20分)での結果が、平均57.4fps/FPower 87.9mW/最大バッテリー温度36℃なので、最適化されていないGSIでFDE.AI-docsを使って無理やり性能を引き出したため、相応に電力効率は悪化してます。

ただ、今まで私がSnapdragon 8 Gen 1や888機+GSIでゴニョゴニョしても、50fps超えのフレームレートはどうやっても出せなかったので…Snapdragon 7+ Gen 2は”凄い”としか言えないです。

電力効率に関しても爆増というわけではなく最適化していない状態なのに平均950mW、1FPS辺りでは15.1mWの増加に留まっているので、やはりSoCそのものの効率が良いことの裏返しでもあります。

あとがき

ざっくり箇条書きで、Redmi Note 12 Turbo(POCO F5)にGSI ROM&Magiskを導入して分かったことをまとめつつ、雑感。

  • systemパーティションの割り当てサイズが小さく、2.5GBくらいのGSIでもFAILED(remote:’Not enough space to resize partition’)のエラーを吐く
  • Redmi Note 12 Turbo(POCO F5)のディスプレイ(Tianma T7+)は、ROMによって30/60/90/120Hzで駆動する
  • Snapdragon 7+ Gen 2のCortex-X2はGSI環境だと320MHz低い、最大2.59GHzまでに制限が掛かる場合アリ
  • それ以外の動作制限やスロットリングによる大幅なクロックダウンは見受けられない
  • ざっくりベンチマークした限り、-320MHzと最適化の影響でGSIだと定格から10%前後結果が低下
  • Adreno 725のGPU性能はGSI環境でも定格と遜色なく発揮される、ゲーム性能も上々
  • ランダムリード速度が遅すぎる問題はRedmi Note 12 Turbo+初期のMIUI固有

もっと酷い結果を予想していましたが、蓋を開けてみたらSnapdragon 7+ Gen 2はGSIでもポテンシャルを発揮してくれました。繋ぎとしては十分どころか、Phh Treble Settings対応のGSIなら常用しても文句ない動作です。

Pixel Experience(無印)やLineageOSと同等にド・シンプルなArrowOSかつGSIでこれなので、しっかりRedmi Note 12 Turboに最適化されたAOSPのカスタムROMが出た場合もかなり期待できます。

多分、Cortex-X2も2.91GHzで動くでしょうし、そのうちKonaBessがAdreno 725に対応すればOC遊びも可能で、よりSnapdragon 8+ Gen 1に近づけると思います。

ArrowOSは好きですが…Redmi Note 12 Turboで遊ぶにはシンプル過ぎるので、別のGSI ROMに焼き変えます。

コメント

  1. y.k より:

    GSI稼働時の通話エコー問題?に関して聞かせてください
    当方、POCO X5 ProにてGSIをインストールしてみて1点問題があり、
    他機種でも同様事象あるかの確認ができればと思ってコメントさせていただいております

    事象というのは、
    POCO(GSI)との通話で、通話中、相手方の音声が相手方にエコーして返っている
    例)A:POCO(GSI)、B:相手とした場合に、Bの発話が、少し遅れてBの音声に聞こえる
    というものです

    Bの発話がAのスピーカーから鳴り、Aのマイクが拾っているように思われます
    ちなみに、Aをミュートしている間は事象は出ません

    GSIはいくつか試してみて、どれも同じでした

    お使いのRedmi Note12 Turbo(POCO F5)ではどうかな?と思い、コメントさせていただいた次第です
    また、もし回避方法をご存じでしたらご教示願えれば幸いです

    • hiro より:

      最初に断っておくと、申し訳ない…y.kさんの求める完全な回答を私ではできません。
      Note12 Turboも含めて、基本的に使えそうなROMが出るまでの繋ぎや玩具としてGSIを焼いているだけなので、通話や通信面に関して私の関心が皆無です。
      Note12 TurboだとGSIではMIUIと違ってauのB1/3を掴ず、モバイル通信すらできていないってのもありますが…。
      言えそうなこともPhh Treble Settings内の”IMS features”設定を変えてみる、といった在り来りな回答のみです。
      音声関連であればMisc features内のオーディオエフェクトか、Qualcomm features内の音量効果の無効化が該当する可能性はあります。

      • y.k より:

        そうですか、X5 PRO固有の現象なのかなと確認してみた次第です
        12 Turboでモバイル通信できないのですか!F5を発注して配送待ちなのですが、、、それはまた困った問題ですね。。。
        ご回答ありがとうございました

        • hiro より:

          F5だとauの対応バンドがちょっと違うのでTurboより面倒かもですね…。
          海外スマホで利用しやすいドコモやソフトバンクなら電波掴むかもしれません。

          • y.k より:

            手元に届くのを、楽しみに待ってみますー

          • y.k より:

            F5が届きましたので確認してみました
            当方が問題としていた通話の件ですが、現在のGSI ROMにある、次の設定項目をOnにすることで(ちょっと試した感じでは)解消できそうでした
            “Phh Treble Settings” – “Qualcomm features” – “Disable stereo support on VoIP”

            SIMの件ですが、当方所持のDOCOMO系と楽天を入れてみたところ、どちらもデータ通信OKでした
            通信速度は特に計測してませんが、WI-FIを切ってもPlayStoreが開けましたので、大丈夫そうです

            • hiro より:

              情報ありがとうございます。やはり海外スマホにはau以外の通信キャリアが安定ですね…。

  2. mm より:

    こちらの記事を参考にしてGSI導入できました。ありがとうございます。
    少しお聞きしたいのですが、
    このGSI等に自動明るさ調整機能はないものなのでしょうか。
    設定→ディスプレイに自動明るさ調整のトグルが見当たりません。
    GSIでの明るさ不具合等のスレッドをあさってみましたが、トグル自体はあるような口ぶりに見えます。
    このRN12Tだけの問題なんでしょうか?

    • hiro より:

      焼いたGSIにも依ると思います。場合によっては純正ROMから必要なファイルを持ってこないと機能しないパターンもあるとか。
      トグルがある場合は”Phh Treble Settings”の”Misc features”からUse linear screen brightness slider等の設定で動作改善するかもしれません。
      明るさ自動調整的な機能が必要であれば、Macrodroidでマクロを作成して疑似的にそれっぽい動作をさせるとかもできますが…12Tの問題というか、端末が新し過ぎるのでGSI側が対応しきれてない部分はあると思います。

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