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iQOO Neo9S Proレビュー:オールビッグコアのロマン、Dimensity 9300+の実力・性能を検証

Android

Dimensity 9300+を採用した、本命のiQOO Neo9S Proをやっと購入できたので…電力効率やゲーム性能に触れながら、いつも通りレビューします。

iQOO Neo9S Pro

スペック・仕様

iQOO Neo9S Pro(V2339FA)
OSOriginOS 4(Android 14ベース)
SoCDimensity 9300+(TSMC 4nm N4P)
メモリ12/16GB(LPDDR5X)
ストレージ256/512GB/1TB(UFS 4.0)
ディスプレイ6.78インチ OLED
(2800×1260/1-144Hz:8T LTPO)
サイズ163.53×75.68×7.99mm※¹
重さ196g※²
バッテリー5160mAh(デュアルセル2580mAh×2構成)
120W vivo FlashCharge/USB PD44W/UFCS対応
カメラ50MP(メイン:Sony IMX920 1/1.49型/OIS)
50MP(超広角:Samsung ISOCELL JN1 1/2.76型)
16MP(フロント:Samsung ISOCELL 3P9 1/3.1型)
インターフェースUSB Type-C(USB 2.0/480Mbps)
nanoSIM×2
オーディオステレオスピーカー
Hi-Res Audio(44100~192000Hz)
コーデック:LHDC V5/LDAC/aptX(HD)/AAC/SBC
接続規格Wi-Fi 7(802.11a/b/g/n/ac/ax/be)
Bluetooth 5.4
NFC
防水・防塵IP54
セキュリティ画面内指紋認証/顔認証
備考・iQOO Neo9S Pro=Neo9 Proのマイナーチェンジ版
・外部処理装置(iQOO Q1)
・VC冷却(ステンレス製/6043mm²)
※¹格斗黑/星曜白(7.99mm)、红白魂(8.34mm)
※²格斗黑/星曜白(196g)、红白魂(190g)
(スペック参考元:vivo.com.cn/WeikHome=サン/爱搞机=サン)

開封・内容物

例のアレの一件でAliExpressは公式セラー以外から当面の間は、スマホ・タブレット買わないと決めたので…4月辺りから小物を買って使い勝手を把握したので天猫(淘宝網)を利用しました。最初は身構えてましたが…京東(JD)と日本への配送部分以外、ほぼ変わらないので案外楽です。

例のアレで余計にDimensity 9300(+)が欲しくて辛抱堪らんかったので、リリース直後に旗艦店で約6.5万円で購入。300元の値引きとイヤホンがオマケで付いて来ました。(少し送料が安い代わりに)配送は京東より若干雑で、日数も10日前後掛かりましたが…大体無事だったのでヨシ。

長らく日本へ配送できなかったOnePlusやvivoが京東で購入可能になったので、天猫を利用する旨味は少ないし…多分京東に落ち着くと思います。

内容物はクリアケースやACアダプターなどが一式揃ってます。競合と違ってグレー系ではなく、クリアケースなのはGoodです。

パッケージ内容
・iQOO Neo9S Pro
・ACアダプター(5V3A-20V6A/最大120W)
・USB Type-C to Cケーブル
・保護ケース
・画面保護フィルム(貼り付け済み)
・SIMピン
・マニュアル類

デザイン・外観

iQOO Neo9S Proで追加された星曜白(スターホワイト)を選びました。Neo9シリーズのシンプルで落ち着いた外観や、数合わせに採用されることの多い、2MPの無価値なマクロカメラが無い点も共通。合理的かつ余計な装飾が無いので非常に良いです。

星曜白の背面パネルはAG加工が施されたフロストガラスを採用しており、非光沢でサラサラした手触りかつ指紋や反射が目立ちにくくなっています。

背面・ディスプレイ側含めてフラット形状。樹脂フレームまでの部分はややカーブしているので、比較的持ちやすいです。

ボタン配置は一般的な音量ボタン(上)・電源ボタン(下)の構成
上下の各種ポートとSIMスロット。Type-CポートはUSB 2.0(480Mbps)

姉妹機のiQOO Neo9(航海蓝)と簡単に比較。(重量やポートの配置などは当然ながら共通)

背面パネルはフロストガラスで非光沢な星曜白に軍配が上がりますが、樹脂フレームの部分は航海蓝に比べて、星曜白だと樹脂感の強いチープな質感でイマイチです。どっちかで言えば…星曜白の方が好みではあります。

OS:OriginOS 4

iQOO Neo9S ProはAndroid 14ベースのOriginOS 4を搭載しており、日本語やGoogleサービスに大体は対応してます。

ホームランチャー置換にわざわざ設定が必要なことと、(HyperOSすら対応し始めた)%を指定して充電停止ができず、タスクキルを緩めるのが少し面倒(緩めてもたまに微妙)な点を除けば…慣れると中国版Android OSの中では、ColorOSに次いで(多少)使いやすいです。

デザインやアニメーション方面は中々良いです。特にロック画面のデザインが秀逸で気に入ってます。

対応バンド・VoLTE

iQOO Neo9S Proの対応バンドは以下の通りです。大体の回線を問題なく利用できると思います。

5Gn1/3/5/8/28A/38/40/41/77/78
4GFDD-LTE:B1/3/4/5/7/8/19/28A
TD-LTE:B34/38/39/40/41
3GWCDMA:B1/4/5/6/8/19
2GCDMA:BC0
GSM:850/900/1800MHz

povo2.0のSIMを入れてAPN設定後、問題なく通信・通話可能でした。地味に電話アプリの背景が変更できます。

ディスプレイ:8T LTPOで1.5K・144Hz対応

iQOO Neo9S Proは6.78インチ・2800×1260(1.5K)解像度で、最大144Hz(8T LTPO)駆動に対応したフラットディスプレイを搭載しています。

ベゼルが細く、1.5K解像度で高精細かつ明るめな品質の良いディスプレイです。発光材はVisionox VM7を採用しているようです。(又はBOE製)

壁紙:https://www.pixiv.net/artworks/118643992

サブピクセルはダイヤモンドピクセル配列です。

Widevine セキュリティレベルはL1に対応。動画ストリーミングサービスで高画質な再生が可能です。

充電:120W FlashCharge対応

iQOO Neo9S Proは120W vivo FlashCharge(VFCP)に対応おり、ACアダプターとC to Cケーブルが付属しています。

付属のACアダプター(V12060L0A0-CN/Gan採用)は友商達と違ってType-Aではなく、Type-Cポートで最大20V6A=120Wに対応しており、33WのUFCSやUSB PD(PPS)で100W出力も可能な、中華系メーカーの中でも中々の汎用性を持つ高性能な一品です。

付属のACアダプターとType-CケーブルでiQOO Neo9S Proを充電してみると、KM003C読みでVFCP 80Wが出力されていました。

バッテリー残量5%から95%までの充電を、Scene 7(TOOLBOX-SCENE)で簡易計測してみると所要時間は約50分でした。一応…100W近いVFCPが出力されているものの、30%台で18W前後に何故か落とされて18W程度の出力を維持するので速度は遅めです。

iQOO Neo9と傾向が殆ど同じで、どちらも超高速モードで5%からスタートした充電テストながら…中華圏のような速度は出てないです。

まぁ…Neo9系での出力は置いておいて。vivo以外のスマホ・タブレットに対しても、メーカーの垣根を越えて(対応していれば)UFCSやUSB PD(PPS)で充電可能なので、vivoの120W ACアダプターは結構気に入ってます。

オーディオ

iQOO Neo9S ProはDolby Atmosに類似した、スーパーオーディオというサウンドエフェクトに対応してます。

音質最適化のスーパー解像度をONにすると、少し高域の強調された偽レゾ音源のような鳴り方に変化しますが…有線+DACでギリ効果が分かる程度で、ワイヤレス+LDACだとほぼ変化を感じません。消費電力の増加もあるか無いか微妙なので…使用はお好みでという感じです。

いつも通り、Neutron Music PlayerとUSB Type-C to 3.5mm変換アダプター(アナログ式)を使って、再生可能な周波数などを確認。

Snapdragonと違い、MediaTek系のSoCは再生可能な周波数が固定されておらず、44100~192000Hzまで任意変更が可能でネイティブ192KHz(24bit)のWav音源再生時も、ノイズや出力低下は発生せずしっかり再生できていました。

iQOO Neo9S Pro:Hi-Res Audio&アナログ出力テスト
再生可能周波数Speaker:44100~192000Hz
Line-out:44100~192000Hz
アナログ出力可能(DAC非搭載の変換アダプターもOK)

ステレオスピーカーの音質は姉妹機のiQOO Neo9と同じで、中の上程度の音質…Pixel 6以上、POCO F3未満くらいのイメージです。

低域の量や迫力感はやや欠けますが、中域(ボーカル)はクリアに鳴るのでYouTube音源や動画ストリーミングの再生用途だと十分です。

Dimensity 9300+の概要

ベンチマークの前にiQOO Neo9S Proが採用したSoC、Dimensity 9300+の概要(スペック・仕様)を簡単に解説します。比較表にはベースモデルのDimensity 9300、先代的存在のDimensity 9200+を入れました。

尚…「Dimensity 9300+ スペック」で日本語の情報をググってもMediaTekのページからコピペしただけで、GPU周波数や詳しい構成を記載しているところが1つも無く、あんまり参考にならなかったので…もう少しマシな物を残す意味合いもあります。

※(中華圏とTwitterをROMって、ベースのDimensity 9300のダイショットから得た情報で補完・予測したものなので不完全)

SoCスペック・比較/構成解説表
SoCDimensity 9300+Dimensity 9300Dimensity 9200+
プロセス
ノード
TSMC 4nm(N4P)
CPU8C8T(4+4構成)8C8T(1+3+4構成)
X4(3.4GHz)×1
X4(2.85GHz)×3
A720(2GHz)×4
X4(3.25GHz)×1
X4(2.85GHz)×3
A720(2GHz)×4
X3(3.35GHz)×1
A715(3GHz)×3
A510v2(2GHz)×4
L3
キャッシュ
8MB(SLC:10MB)8MB(SLC:6MB)
GPUImmortalis-G720 MC12
(1300MHz)
Immortalis-G715 MC11
(1150MHz)
NPU/DSPAPU 790APU 690
ISPImagiq 990 HDR-ISP
(Triple 18bit)
Imagiq 890 HDR-ISP
(Triple 18bit)
メモリLPDDR5T(4800MHz)LPDDR5X(4266.5MHz)
ストレージUFS 4.0 + MCQ
通信モデムMediaTek M80(?)MediaTek M80
接続規格Wi-Fi 7
Bluetooth 5.4
Wi-Fi 7
Bluetooth 5.3
内部コードMT6989WMT6989MT6985T
採用端末例vivo X100s(Pro)
iQOO Neo9S Pro
vivo X100(Pro)
iQOO Neo9 Pro
OPPO Find X7
vivo X90s
Xiaomi 13T Pro
OPPO Reno12 Pro
(参考元:Geekerwanサン/Rice Reviewサン/搞机所サン)

Dimensity 9300+は2024/5/7に発表された、Dimensity 9300の性能向上版です。

プロセスノードはDimensity 9200+/9300に引き続き、TSMC 5nmプラットフォームでN4の改良型かつ性能重視の”TSMC N4P”を用いて製造され、スマートフォン向けSoCでは類を見ない、高性能コアのみで構成される”All Big Core design”を継続採用。

プライマリコアに3.4GHzへ引き上げられたCortex-X4を1基、2.85GHzのX4を3基、高性能コアに2GHzのA720を4基採用した、全てのコアがビッグコアな4+4の8コアCPU構成です。

GPUにはArmの第4世代Valhallアーキテクチャの後継、第5世代アーキテクチャベースのImmortalis-G720 MC12(1.3GHz)を採用。

メモリはSK hynix製でモバイル向け最速のLPDDR5T(9600MT/s)に対応、ストレージはUFS 4.0をサポート。

NPU(DSP)にAPU 790、ISPにImagiq 990(Triple 18bit)を搭載。カタログスペック時点でDimensity 9200系から圧倒的といえる進化を遂げています。

ベンチマークテスト

【りとらいんでのベンチマーク内容と測定ツールについて】

”hiro・ららりら”で計測データの共有・内容の共通化も含めて構成した、「りとらいん:ベンチマークレギュレーション」は以下の通りです。

環境・内容の記載は必須では無いですが…テスト内容等は日を追うごとに変化するため、後で読者サンへの誤解を生まないために記載しています。

りとらいん:ベンチマークレギュレーション Ver.1.1
ベンチマークテスト担当者
CPU性能・Geekbench 6(リネーム版)
・電力効率曲線
hiro・ららりらで共通
GPU性能・3DMark Wild Life Extreme(リネーム版)
・電力効率曲線
ストレージ
メモリ性能
CPDT Benchmark
AI性能AI Benchmark(リネーム版)
MLPerf Mobile Inference benchmark
※(SoC側がMLPerfに対応している場合のみ)
簡易AIテストRealSR-NCNN-Android
ゲーム性能勝利の女神:NIKKE
迎撃戦:特殊個体:モダニア
hiroが担当
原神/スメールシティ
夜蘭C1ランニングテスト/30分間
hiro・ららりらで共通
崩壊:スターレイル/ピノコニー(黄金の刻)
黄泉 四相断我無双移動テスト/30分間
World of Tanks Blitz
その他、ゲームでの動作分析
ららりらが担当

消費電力や温度、動作周波数などの詳細な測定には、Scene 7(TOOLBOX-SCENE)のadb/rootモードを利用。

加えてベンチマーク時だけ性能を発揮しやすくし、スコアを良く見せてゲーム等では性能を意図的に落とす、所謂”ベンチマークブースト”対策にApkRenamerでアプリパッケージ名をリネームしたものを共通で採用しています。

iQOO Neo9S Proを入手したので、ようやく直近2年間のDimensityとSnapdragonのハイエンドSoCが手元に揃いました。

まぁ…SoCこれくしょん(?)的に集まって来たら、それらで比較したくなるのが半導体好きの性でして。Dimensity 9000/9200+/9300+と、Snapdragon 8+ Gen 1/8 Gen 2/8 Gen 3で簡単に比較します。(8 Gen 1…?知らない子ですね…)

テスト/比較端末・環境構成
【iQOO Neo9S Pro】
・OS:Android 14(OriginOS 4:A_14.0.14.7.W10.V000L1)
・SoC:Dimensity 9300+
・メモリ:12GB(LPDDR5X)
・ストレージ:256GB(UFS 4.0)
・動作:モンスターモード(OriginOS)
【OnePlus 12】
・OS:Android 14(OxygenOS 14.0:CPH2581_14.0.0.404 EX01)
・SoC:Snapdragon 8 Gen 3
・メモリ:12GB(LPDDR5X)
・ストレージ:256GB(UFS 4.0)
・動作:高パフォーマンスモード(OxygenOS)
【Redmi K60 Pro】
・OS:Android 14(Xiaomi HyperOS:1.0.5.0UMKCNXM)
・SoC:Snapdragon 8 Gen 2
・メモリ:8GB(LPDDR5X)
・ストレージ:256GB(UFS 4.0)
・動作:パフォーマンスモード(HyperOS)
【Legion Y700 2023(≒Legion Tab)】
・OS:Android 13(ZUI 15:15.0.139)
・SoC:Snapdragon 8+ Gen 1
・メモリ:12GB(LPDDR5X)
・ストレージ:256GB(UFS 3.1)
・動作:パフォーマンス(ゲームアシスタント)
【Redmi K60 Ultra(≒Xiaomi 13T Pro)】
・OS:Android 14(Xiaomi HyperOS:1.0.5.0UMKCNXM)
・SoC:Dimensity 9200+
・メモリ:12GB(LPDDR5X)
・ストレージ:256GB(UFS 4.0)
・動作:パフォーマンスモード(HyperOS)
【OnePlus Nord 3 5G(≒OnePlus Ace 2V)】
・OS:Android 14(OxygenOS 14.0:CPH2493_14.0.0.300 EX01)
・SoC:Dimensity 9000
・メモリ:16GB(LPDDR5X)
・ストレージ:256GB(UFS 3.1)
・動作:高パフォーマンスモード(OxygenOS)
備考・リフレッシュレート:120Hz(144Hz)
・ディスプレイ輝度:各端末での50%固定
・通信環境:Wi-Fi 5(5GHz接続)&機内モード

Geekbench

Geekbench 6
通常版(6.3.0)パッケージリネーム版(6.2.2)
計測結果
iQOO Neo9S Pro
(Dimensity 9300+)
シングルコアスコア:2163
マルチコアスコア:6894
最大消費電力:14.15W

CPU性能を計測するGeekbench 6の結果です。通常版とパッケージリネーム版で500スコア近く、マルチ性能に差があるため少し疑わしいです。

iQOO Neo9S Proを含めた、各端末・SoCのシングル・マルチコア性能をリネーム版で比較したグラフは以下の通り。リネーム版であろうと8基の高性能コアの暴力でSnapdragon 8 Gen 3を下し、Android向けSoCで最強のマルチスコアを叩き出します。

シングル性能はどっこいどっこいで、今回の計測だと8 Gen 3が辛勝したものの、計測条件や端末次第で簡単にひっくり返るようです。

まぁ…ベンチマークスコアが高くても、Snapdragon 8 Gen 1やTensor G3のように消費電力を犠牲にしたものであるなら無意味です。

消費電力は基本的に熱へ変換され、電池に優しくないうえにバッテリー容量には制約があるので、スコア以上に電力効率の方が大事です。

いつも通り、最大スコア÷5/×4/+各SoC最小周波数の5点でマルチスコア・消費電力を測定し、簡単な電力効率の曲線を作成して各SoCのワットパフォーマンスを確認します。尚、iQOO Neo9S Proで計測できた測定点は非rootのため3つです。

(電力効率曲線の場合、カーブと測定点が左上に近いほど良く、右下に近いほど悪いです)

Dimensity 9300+(iQOO Neo9S Pro)の電力効率は、Snapdragon 8 Gen 3より消費電力自体はやや多いものの…その分性能は上回っており、8 Gen 3と同等以上の優れた効率だと言えます。

注目すべきはSnapdragon 8 Gen 3と同等以上という部分だけでは無いです。Dimensity 9300+は普段使い(中周波数辺り)での性能がえげつなく…たった5.5Wで、Dimensity 9000の最大性能(4455/10W)と同等以上のパフォーマンス(4482)を発揮できます。

Dimensity 9200+や9000と同じ性能を発揮する場合、消費電力が半分近くまで減少…逆に同程度の消費電力では2~30%近く性能が向上しており、最大性能・消費電力の上限は増え続けているものの、後退することなくワットあたりのパフォーマンスの改善は続いています。

hiro
hiro

ちなみに通常版のGeekbench 6で叩き出した、マルチスコア7529も中々にヤバいです。

5年前とはいえ、デスクトップ向けのCore i7 9700K(8C8T)Ryzen 5 3600(6C12T)を超えてます。

3DMark

3DMark Wild Life Extreme(パッケージリネーム版)
計測結果
iQOO Neo9S Pro
(Dimensity 9300+)
Overall score:4807
最大消費電力:12.85W

GPU性能を計測する3DMark Wild Life Extremeで、Dimensity 9300+(iQOO Neo9S Pro)はスコア4807でした。

リネーム版で比較したグラフは以下の通り。Wild Life ExtremeだとSnapdragon 8 Gen 3にやや劣るGPU性能で、大体Apple M1と同等です。

デスクトップ向けだとRyzen 5 8600G(760M)と同等以上、5700G(Vega/CU8)の約2倍前後で、グラボだとGTX 1630以上・1050Ti未満。

電力効率もSnapdragon 8 Gen 3にやや劣るものの、Dimensity 9200+比で消費電力が同じ場合の性能は、3808→4807で約26%改善しています。

(iQOO Neo9S Proの省電力モードによるクロックダウンが、GPUだとあまり機能しなかったのでピーク時のみ測定)
hiro
hiro

Snapdragon 8 Gen 3に劣る…といっても「3DMarkかつLPDDR5X構成では」です。

私が敬愛するGeekerwanサンS・WHITEサンによる、GFXBenchでのDimensity 9300(LPDDR5T)の結果は、明確に8 Gen 3を超えてます。どのみちベンチ結果が上でも、実ゲームだと立場が逆転する可能性も高いです。

CPDT Benchmark

CPDT Benchmarkでストレージ・メモリ性能をテスト。テストのファイルサイズは1GB、BufferingやCacheはOFFの標準設定です。

CPDT Benchmark
計測結果
iQOO Neo9S Pro
(LPDDR5X/UFS 4.0)
Sequential write:695.94MB/s
Sequential read:1.21GB/s
Random write:51.28MB/s
Random read:23.62MB/s
Memory copy:16.38GB/s

iQOO Neo9S Proのストレージ性能は、ランダムライトがかなり優秀なものの…他の値はUFS 4.0として普通です。

メモリコピー速度も特筆する部分は無いです。Dimensity採用機としては速い部類です。

AI Benchmark

AI Benchmark V5(パッケージリネーム版)
計測結果
iQOO Neo9S Pro
(Dimensity 9300+)
Device AI Score:3352
(Die Hard!)

暫定的に採用しているAI性能テスト、AI Benchmark V5でDimensity 9300+(iQOO Neo9S Pro)はスコア3352でした。

MediaTekが生成AIでの性能をDimensity 9300/8300発表時にかなりアピールしていた通り、Snapdragon 8 Gen 3を超えてDimensity 9300+がトップを更新。Dimensity 9000からは3倍以上、9200+比ですら…2倍弱の向上を果たしています。

MLPerf Mobile Inference benchmark

業界標準団体”MLCommons”が公開しているオープンソースベンチマーク、MLPerfのモバイル版で機械学習(AI)性能をテストします。

長らく更新が無かったので逝ったと思ってましたが…最近になって、ようやく更新されたので久しぶりに採用しました。

MLPerf Mobile Inference benchmark v4.0
計測結果
iQOO Neo9S Pro
(Dimensity 9300+)
Image Classification v2:721.86
Object Detection:1750.13
Image Segmentation v2:1281.17
Languge Understanding:207.64
Super Resolution:283.09
Image Classification v2(offline):1064.45
Image Classification:3277.03
Image Classification(offline):6950.49
未検証のMLPerf:結果はMLCommons Associationによって検証されていません。詳しくはMLPerfのガイドラインをご覧ください。

テスト項目と結果の桁が多いので、Dimensity 9300+(iQOO Neo9S Pro)の結果を含めたグラフを分割します。(Dimensity 9000は4項目あたりでアプリが終了して、テストを完了できなかったのでデータ無し)

MLPerf Mobileだと超解像(Super Resolution)以外は、全体的にSnapdragon 8 Gen 3には及ばず、8 Gen 2と良い勝負といった感じです。

とはいえ、Dimensity 9200+がoffline系の処理以外はSnapdragon勢から見劣りする結果だったのに対し、Dimensity 9300+は複数の項目で倍以上に成長して、部分的にはSnapdragon 8 Gen 3や8 Gen 2とMLPerfでボコり合っている結果からも、AI性能の大幅な向上が垣間見えます。

RealSR-NCNN-Android

機械学習性能を計るベンチマーク結果だけ見ても…大体の場合「?」状態です。いつも通り簡単なAI性能テストとして、機械学習(AI)を用いた画像のアップスケーリングをテストします。

Real-ESRGANベースの”RealSR-NCNN-Android-GUI”で、1080×1920(FHD)の画像1枚をモデル”real-esrganv3-anime”でGPUを使って処理させ、アップスケーリング後にResultで確認可能な合計処理時間(秒)で比較。

RealSR-NCNN-Android:アップスケーリングテスト
計測結果
iQOO Neo9S Pro
(Dimensity 9300+)
real-esrganv3-anime-x2(GPU):8.145
real-esrganv3-anime-x4(GPU):19.989

RealSR-NCNNでのアップスケーリング性能はreal-esrganv3-anime-x2/x4どちらも、Snapdragon 8 Gen 2以上で明確な差は無いです。

Arm第3世代アーキテクチャベースのDimensity 9000(Mali-G710)のみ、極端に遅くなりがちです。

ゲーム性能

勝利の女神:NIKKE

フレームレートによってDPSに差が生じ、フレームレートの安定性が重要な「勝利の女神:NIKKE(メガニケ)」での性能をテスト。テストに採用している中では動作負荷が軽めなタイトルです。

コアさえ破壊すれば胴体を撃つだけで良く、最もランダム要素を排除して動作を揃えやすいため、迎撃戦(特殊個体:モダニア)でテストしています。動作検証なのでモダニアは普通にバースト(残滅モード化)させます。

戦闘狂の指揮官以外はクイック戦闘で消化すると思うので計測は1回です。逆に1回目の時点で平均50fpsを越えない場合、ストーリーの攻略や日課の消化にすら使い物にならないという目安にもなります。

メガニケ:迎撃戦(特殊個体:モダニア)
テストタイトルの動作目安、性能の影響について
影響:CPU側+SoCの最適化
推奨の目安:Snapdragon 8 Gen 1以上
平均フレームレート:50fps以上
最低フレームレート(1%):45fps以上
計測結果
iQOO Neo9S Pro
(Dimensity 9300+)
平均フレームレート:58.4fps
最低フレームレート(1%):51.74fps
平均消費電力:5.92W
最大バッテリー温度:30.2℃

迎撃戦(特殊個体:モダニア)でのフレームレートは、Dimensityでありながら平均58.4fps・最低(下位1%)で51.74fpsでした。

オールビッグコアなCPU性能の暴力で最適化の壁を粉砕し、手持ちで最も優秀なSnapdragon 8+ Gen 1(Y700 2023)に並ぶパフォーマンスを発揮しました。Dimensity 9000や9200+の微妙な動作から改善され、最低(下位1%)も50fps超えの安定したフレームレートです。

フレームレート相応にある程度…消費電力や温度は上昇するものの、パフォーマンスの近いSnapdragon 8 Gen 2や8+ Gen 1より抑えられています。

特殊個体:モダニアが快適に動いたのでアルトアイゼンにも行ってみると、縦画面でのやりにくさはありますが…モダニアサンのバースト中も50fps前後で動作し、普通に撃破可能でタクティカルな動作感でした。Dimensity 9300+なら快適に日課をこなせます。

原神(Genshin Impact)

Snapdragon 855+メモリ6GBクラスに推奨スペックが引き上げられた「原神(Genshin Impact)」での性能をテスト。現在の水準だと原神はやや重め程度のタイトルです。

原神のテストは、スメールシティを夜蘭の元素スキルでランニングし続ける”スメールシティ/夜蘭C1ランニング”を採用。夜蘭(C1)で約4分間のルートを最高画質+60fps設定で30分間走行して計測します。

【夜蘭C1ランニングテストとルートについて】

中華圏でもスマホ・タブレットの性能試験として用いられている、重いスメールシティを夜蘭の元素スキルでランニングし続けるテストです。

私(hiro)が敬愛するGeekerwan=サンのコースを参考にしつつ、検証用に周回ルートを組み換えて1周辺り、夜蘭C1の場合約4分のコースを作成。このコースをひたすら各端末で30分間ランニングして動作検証しています。(実際のルートは以下の通り)

エネミーの行動パターンや戦闘のローテーション、といったランダム性を排除した純粋なマシンパワーの測定です。スメールシティそのものに大量のNPCが配置され、地形も複雑なためCPUボトルネックの差も大きくなります。

原神:スメールシティ/夜蘭C1ランニングテスト/30分間
テストタイトルの動作目安、性能の影響について
影響:CPUボトルネック
推奨の目安:Snapdragon 7+ Gen 2以上
平均フレームレート:50fps以上
最低フレームレート(1%):35fps以上
計測結果
iQOO Neo9S Pro
(Dimensity 9300+)
平均フレームレート:59.6fps
最低フレームレート(1%):56fps
平均消費電力:5.26W
最大バッテリー温度:40.7℃
(※Ver.4.7以前、4.6で計測したレンダリング精度が高(720p)でのデータになります)

スメールシティ(夜蘭C1ランニングテスト)でのフレームレートは平均59.6fps・最低(下位1%)で56fpsの非常に安定感のある動作でした。

Dimensity 9300+のCPU電力効率が良いおかげで、最高峰の性能ながらプレイ中の消費電力はかなり少ないです。

流石にOnePlusの寵愛を受けて、徹底的に原神への最適化がなされたOnePlus 12(Snapdragon 8 Gen 3)相手だと分が悪いですが、十分に電力効率の良い8 Gen 2より抑えられているのがポイント高いです。GPUも持て余しているので、Ver.4.7で解禁された864Pも問題無さそうです。

崩壊:スターレイル(Honkai:Star Rail)

Snapdragon 855・Dimensity 1000+メモリ6GBクラスが推奨スペックながら、同水準な原神よりも圧倒的に重たい「崩壊:スターレイル(Honkai:Star Rail)」での性能をテスト。

スターレイルのテストはトップクラスのGPU負荷を誇る、ピノコニー(黄金の刻)をグラフィック(最高)+60fps設定にて、一定のルートを更に負荷の掛かる黄泉の秘技「四相断我」を連打して移動し、30分間計測します。

【黄泉 四相断我無双移動テストとルートについて】

hiro・ららりらで作成した、りとらいんオリジナルのスターレイル検証テストです。

ただでさえSnapdragon 8+ Gen 1以上のGPU性能が必須となるピノコニー(黄金の刻)でのテストに、フレームドロップが発生しやすい黄泉の秘技を重ねることで、下手なベンチマークテストを超えた負荷を”実ゲームで”掛けることを目的としています。

今までのピノコニーを30分間走るテストから大体5~7fps程度平均値が低下するため、目安の値も5fps下げています。

崩壊:スターレイル:ピノコニー(黄金の刻)/黄泉 四相断我無双移動テスト/30分間
テストタイトルの動作目安、性能の影響について
影響:GPUボトルネック
推奨の目安:Snapdragon 8+ Gen 1以上
平均フレームレート:40fps以上
最低フレームレート(1%):30fps以上
計測結果
iQOO Neo9S Pro
(Dimensity 9300+)
平均フレームレート:47.9fps
最低フレームレート(1%):40fps
平均消費電力:7.87W
最大バッテリー温度:46.4℃

ピノコニー(黄泉 四相断我無双移動テスト)でのフレームレートは平均47.9fps・最低(下位1%)で40fpsを記録し、Dimensity 9300+(iQOO Neo9S Pro)がトップを更新しました。iQOO Neo9S Proは一応ゲーミングに属するスマホとはいえ…凄いの一言。

下手なベンチマークテストを超えた負荷を、実ゲームで掛けることを目的にしたこのテストで平均40fps・最低(下位1%)で30fps以上出ていれば、かなりのゲーム性能と言えますが…完全にSnapdragon 8 Gen 3を超えてくる辺り、中華圏のGPU性能評価が上だったのも頷けます。

とはいえ…現状最高峰のSnapdragon 8 Gen 3とDimensity 9300+を持ってしても、ピノコニー(黄金の刻)で平均55fps以上を維持するのは現実的では無さそうです。Adreno 750やImmortalis-G720と同じ性能を、より少ない電力・発熱で発揮できる次世代SoCに期待です。

GPUを酷使するスターレイル(ピノコニー)だとSoC性能をかなり限界まで使うため、どのSoCも消費電力と温度は高めの傾向で大きな開きは無いです。基本的に消費電力は6~8W前後、バッテリー温度は大体45~47℃前後に到達するレベルの高負荷が掛かります。

その他:フレーム補間とアップスケーリング

iQOO Neo9S Proは外部処理装置としてvivo独自のiQOO Q1を搭載しており、中国版のゲームであればゲームプレイ時にフレーム補間と自社のアルゴリズムを利用した、最大1260p(1.5K)への超解像機能が使えます。

以前まで原神の超解像を利用する際は中国版(miHoYo)に限られていましたが、グローバル版(HoYoverse)でも利用可能になりました。(ただし、元の画質@720/864p→高品質@900p、フレーム補間はadbコマンドのみ)

正式サポートやゲームツールからワンタップでの利用は中国版に限られますが、フレーム補間はadbコマンドで強制的に有効化して、全てのアプリで補間させることが可能です。(48→144や30→60への補間も可)

元々ゲーム性能の高いDimensity 9300+に加えて、補間等も行えるiQOO Q1が合わさり…鬼に金棒なゲーム性能です。

https://androplus.jp/entry/vivo-iqoo-12-review/#8_Gen_2
adb shell
gpid=`pidof -s (補間するアプリパッケージ名)`
settings put system gamecube_frame_interpolation 1:3:$gpid:48:144

上記のコマンドだと疑似的に144fps(48×3)化され、フレームレートを表示するカウンターの値はベースになった48fps前後が表示されます。

まとめ:ロマンで終わらない、Android向け最高峰のSoC

良い悪い
・付属品が一式揃っていて実用的
・UFCSやUSB PD(PPS)にも対応する120W充電器が付属
・落ち着いた外観でホワイトカラー&フロストガラス採用
・8T LTPOや1.5K、144Hz対応の良品質なディスプレイ
・とてもパワフルで高効率なDimensity 9300+
・iQOO Q1による超解像・全アプリフレーム補間対応
・vivo X100に近い(らしい)カメラ性能&IMX920採用
・6万円以上の端末にしてはスピーカー部分が弱め
・国産ゲームや一部アプリは苦手な場合あり(最適化しない側が悪い)

中華圏でのDimensity 9300の評価を見てAndroid・半導体好きとしては、Snapdragon 8 Gen 3以上にDimensity 9300に触れてみたかったので、ようやく入手しそのパワフルさに触れられて、参考にしている中華圏での評価がとても高いことへの理解と実感が改めてできました。

スマートフォンサイズに実質「Ryzen 5 3600+GTX 1630/Apple M1クラスの性能」が収まっている、メガニケでタブレットのY700 2023(8+ Gen 1)に並ぶ、最も重いスターレイルでSnapdragon 8 Gen 3を超える動作…流石というか、やっぱりDimensity 9300(+)は性能お化けです。

もちろんSoCだけでなく、iQOO Neo9S Pro自体の完成度も全体的に高めで欠点は少なめで、Legion Y70のようにゲーミング要素控えめなシンプル寄り、カメラや充電性能など基礎の部分も使いやすい1台になっているため、ゲーム用途以外でも結構優秀な1台です。

hiro
hiro

Snapdragon 8 Gen 3でブラックのOnePlus 12と、Dimensity 9300+でホワイトなNeo9S Pro…。

最高峰のSoCが揃ったのも合わせて、どっちも気に入ってるので満足度高いです。

ここから自社CPU”Oryon”で構成される8 Gen 4(仮)や、Armの最新IPで構成されるD9400(仮)。

それら次世代SoCを製造すると噂される、TSMC 3nm世代での性能が今からとても楽しみです。

コメント

  1. 匿名 より:

    ゲーミングスマホとは言えハイエンドスマホのOnePlus12と同等以上の性能を約6.5万で入手出来るのは凄いなDimensityシリーズの進化っぷりも優秀過ぎる

    • hiro より:

      Dimensityが強いのもそうですが、vivoは中国勢の中でもSoCの調整が上手いです。
      OnePlus含めOPPO系は温度面に保守的、一方Xiaomiは昔と違い性能重視なのか緩めで…反面vivoはキツ過ぎず、緩すぎず良い塩梅な感じです。
      他社よりDimensityの採用に積極的なのも含めて、次世代機でもvivoに期待&また購入したい所存。