【原神】スマホ版の画質設定や必要なスペックについて解説・検証する

Android

原神(スマホ版)の画質設定についてざっくり解説し、ついでに動作に必要なスペックや実機でどのくらいフレームレートが出るのか、実機で検証します。

設定・オプション

画質などの描画に関わる設定は、非常食のアイコンからメニューを開き、オプション項目の”画面”にてグラフィックのプリセットを選択できます。加えて各項目を目的に合わせて調整が可能です。

今更、というか殆どの旅人=サンは理解しているので言うまでも無かったのですが…。

PC版とスマホ版の設定関係を混同している人を稀にだがよく見るので言っておくと、スマホ版はゲーム自体の容量やモバイル環境で動作させるために、グラフィック含めて色々な部分がかなり削られていて、存在しない項目の方が多いです。

スマホ版とPC版を比べるのは流石に酷ですが…試しでPC版(2560×1080p)になるべく合わせて、Android版を1080pでレンダリングした場合でも、パッと見で削られた部分の差が分かるくらいには違います。

プラットフォーム(PC・PS5・iOS/Android)ごとに設定やらグラフィック関係は異なる部分も多く、当然それは逆も然りなので共通・同じものだと混同しない方が良いです。

グラフィック

画質

プリセット項目と内容
最低カスタム項目がほぼ全て”最低” or ”低”設定
シャドウ品質のみ”中”、それ以外は”低”設定
SFX品質/モーションブラーは”低”、それ以外は”中”設定
レンダリング精度・シャドウ品質・SFX品質は”中”
視覚効果・シーン細部・モーションブラーは”高”になる設定
最高カスタム項目がほぼ全て”高” or ”最高”設定のプリセット
(フレームレートは一律で30fps)

全体の画質設定をプリセットごとに変更できます。OSやスペックによって端末ごとにデフォルトで設定されている画質のプリセットが違います。一応…プリセットを下げるほど動作が軽く(スムーズ)になる”らしい”です。

この負荷ゲージは、Ver.3.0以前から目安としては怪しかったのですが…Ver.4.0現在では動作の指標として全く役に立たないです。

iOSでは多少…役に立つかもしれないですが、Androidでは基準として推奨スペック”だった”Snapdragon 845以上か以下でしか判断していません。

どれだけSnapdragon 845より性能の高いデバイスを使っても”中設定”、酷いと”低設定”がデフォルトに設定されている場合もあり、ゲージ自体の目安や増減も同じでマトモな判定をしていません。

負荷ゲージが”スムーズ”でも動作の快適性を保証するものでは無いですし、”非常に高い”場合も快適に動くデバイスは2023年だと多くなりました。善良な旅人=サンはこれを動作の目安にしないで下さい。

明るさ

設定項目明るさ調整バーにより可変(-16/+16)

Ver.2.6の頃にアップデートで追加されたゲーム内の明るさに関する設定です。明るさ調整バーから任意の輝度に変更し、明暗の差を調整できます。

遺跡や洞窟のような暗い場所では明るく、光が強い場所では暗くしてバランスを取り、デフォルト設定では見にくい部分を改善できます。

カスタム

レンダリング精度

設定項目最低・低・中・高

3Dオブジェクト(プレイアブルキャラや建造物、あらゆる3D関係)を、レンダリングする際の解像度(Render Resolution)の設定です。フレームレートと同等かそれ以上に重要な項目です。

レンダリング精度の設定を下げるほど、3Dで構成されたオブジェクトの描写が荒くなりますが…その代わり負荷は軽くなります。

しかし、中設定以下は流石に見れたものでは無く「高グラフィックが売りの原神を低グラフィックでプレイする」という「何がしたいのか」って状態なので、仮に動作が重い場合は他の項目を削ってでも中以上に設定した方が良いです。(低設定なら遊べるからヨシ!とはナランナラ)

マップなどの2Dには影響しませんが、3Dでレンダリングするものほぼ全てに影響があるので、Ver.4.0で追加されたチーム加入時の待機モーションなどでも差が生じます。

レンダリング精度という項目名と、PC版とは違いレンダリングの倍率が表記されていないせいで重要な部分が見えにくいですが、この設定項目の本質は原神の内部解像度(Super Sampling)です。

原神の実行解像度は、カメラ機能で撮影したスクリーンショットのサイズ(Google Play版では1920×864)やadbコマンドで表示・調べられますが…それらはレンダリング解像度ではないので、解像度という意味では間違いではないけど恐らく正解ではないです。

設定ごとにレンダリングされる原神の解像度《原神渲染分辨率》は、OSやデバイスによって全く異なります。

マニアックな内容で”非公式な情報”という前提ですが、中華圏の情報を調べると大凡の解像度は分かります。数あるパターンの極一部から大雑把な”原神:レンダリング解像度表”的な何かを作りました。

原神:レンダリング解像度《原神渲染分辨率》
iOS
デバイスレンダリング精度(低)レンダリング精度(中)レンダリング精度(高)
1200×5541462/1463×675
(675p)
iPhone X
iPhone 12 mini
iPhone 13 mini
iPhone Xs(Max)1558×720
(720p)
iPhone 12 Pro(Max)
iPhone 13 Pro(Max)
iPhone 14 Pro(Max)
iPhone 15 Pro(Max)
1274×589
(589p)
1460×675
(675p)
1601×740
(740p)
iPad mini 61316×864
(864p)
1436×943
(943p)
iPad Pro(M1)1500×1125
(1125p)
1904×1428
(1428p)
2224×1668
(1668p)
Android
OPPO K11
realme GT Neo5 SE
Redmi 12 5G
iQOO 9 Pro
1422×640等
(640p)
Xiaomi 13(Pro)
OPPO Find X6 Pro
Vivo X90 Pro+
Redmi K60 Pro
OnePlus 11
iQOO 11S
Galaxy S23 Ultra
ROG Phone 7
REDMAGIC 8 Pro(+)
1067×480等
(480p)
1262×568等
(568p)
1600×720等
(720p)
Xiaomi Pad 5 Pro1344×840等
(840p)
Legion Tab Y700
(2023)
1382×864等
(864p)
(情報の参考元:Geekerwan=サンWHYLAB=サン)

Androidでは多くのデバイスでレンダリング精度が”高”の場合、大体1600×720pでレンダリングされます。横幅はデバイス次第で多少前後するため、必ずしも1600ではありません。

更に720pで動作するデバイスと640p相当に劣化してレンダリングされる端末や、タブレットでは840p以上でレンダリングされるデバイスが存在しています。

iPhoneでもデバイス・スペックでレンダリング解像度に影響があり、Xや12・13 miniが675p、XsがAndroidとほぼ同じ720p、iPhone 12以降では740p前後でレンダリングされるようです。…こっちも大概ですね。

iPadシリーズもデバイス・スペックによって大きく異なり、M1のProモデルにもなると非常に高解像度な1668p相当でレンダリングしているそうです。むしろ高解像度過ぎて発熱に影響するとか…。

レンダリング解像度が違うこと、何故レンダリング”精度”という名称でPC版のように倍率表記ではないのか…恐らくその原因は、OS・スペック・デバイスごとに内部倍率の判定や基準が違うためです。

miHoYoもあらゆる環境でのレンダリング解像度を把握しているとは思えず、一律の設定ではないため、レンダリング精度”高”や”低”といった、少しぼかしのある表現で内部倍率の明言を避けたのだと思います。

…某執行官第十一位に冤罪を吹っ掛けた”諭示裁定カーディナル”について、どういうことか聞かれてもぼかして逃げたフォカロルスみてぇなもんです。ほぼ誰もこれに言及しないから余計でしょうけど。

大半のデバイスでこの”大凡の基本レンダリング解像度”で遊ぶしかないのですが、Androidでは2つ、iOSではMetalFX(後述)によってレンダリング解像度の上限を破れます。

1つは一部の海外メーカーがリリースしている特定のデバイスは、ゲーム系ユーティリティから設定することで原神をデフォルトの上限である720pから、810pや20%高解像化した864pでレンダリングすることができます。

(スクショ越しではほんの少し864pの方がくっきり先輩な気がする…が、実機だと全然違う)

最先端の物だとSoCとは別にPixelworksなどの映像処理プロセッサーを搭載し、1.5K(2712×1220)相当に原神をアップスケーリングして遊べる存在すら登場しています。

ただし、”相当”かつ”アップスケーリング”の通りネイティブで1220pを実行している訳ではなく、中華圏での評価や呼び方を借りるなら”AndroidにおけるAMD FRSやNVIDIA DLSSのようなもの”だそうです。

これらは機能として備わっているので面倒な手順を踏まずに使えます。

2つ目は少し面倒ですが…root権限を取得できるAndroidなら殆どのデバイスで実行可能で、GLToolsを用いてスケーリング解像度ごと倍率を弄って、解像度を引き上げることができます。

こちらはディスプレイ解像度の上限を超えてレンダリング処理を行う”スーパーサンプリング”に近く、アップスケーリングやゲーム系ユーティリティの864p化より相対的に動作が重くなる可能性が高いです。

720pを150%でスケーリングして1080p(FHD)相当はもちろん、無理矢理300%でスケーリングして2160p(4K)相当のレンダリング解像度で動作させることも可能です。

まぁ…720pと比較して圧倒的に鮮明な解像度の原神をスマホ上で動かせますが、現行のSnapdragon 8 Gen 2クラスだったとしても4Kには性能が足りないので、20~30fps前後でしか動きません。

余談として、中華圏の人達がどうやってこれらを求めているのか前々から気になっていたので探したら、どうやら璃月港でアンチエイリアスをOFFにした際に生じる、斜めのギザギザ(ジャギー)を拡大してピクセル数などを数えているみたいです。

(https://www.youtube.com/watch?v=O7Bj7ONuqgM&t=670s)

それらはノコギリのようなジャギーから鋸歯と呼称され、レンダリング解像度が720pでは”84鋸歯”、640pでは”75鋸歯”だと言われています。他にも似たような方法で向こうの人達はデバイスの解像度を調べているようです。

鋸歯ではない似たような手順・方法として、CR²FSと私が呼称している方法で簡易的に確認できます。

シャドウ品質

設定項目低・中・高

影の描写設定です。低ではキャラクター周囲にぼんやりした円状の影しか描画されません。

中以上だと召喚物や武器、景観含めて描画されます。中と高の差分は影の滑らかさと濃さで、中は所々ギザギザだったり薄細い影になります。フォンテーヌで追加された水中でも全体的な描画への影響は大きいです。

洞窟や屋内外の陰影も影響があり、影の品質次第で印象がかなり変わります。

視覚効果

設定項目低・中・高・最高(iOSのみ)

シャドウ品質とは別枠の影に対する深度などに影響する設定です。対象のオブジェクトに対して日陰になる場所で影響や差が出やすく、明るい場所ではあまり差がありません。

照らされた物体によって生じる別の物体上に落ちる影”キャスト・シャドウ”及び、形状を元にテクスチャ・オブジェクトに対して遮蔽の濃淡を陰影を強調する効果”アンビエントオクルージョン”に類似する設定でしょうか。

正直…”視覚効果”じゃ分かりにくく、遮蔽効果とか陰影強調とかの名前に変更して欲しいです…。

ゲーム系ユーティリティや映像処理プロセッサーによるアップスケーリングの場合は影響しませんが、GLToolsで実質的なスーパーサンプリングによるレンダリング解像度の変更時には、視覚効果を低にすると2D以外の3D描画全てがおかしなことになるため、中以上に設定して下さい。

SFX品質

設定項目最低・低・中・高

元素スキル・爆発など…エフェクトの品質設定です。

水・氷元素の攻撃モーションだと差が分かりやすく、元素系のエフェクトやその他一部の発光する武器などのオブジェクトにも影響します。

殆どの場合、中か高設定が見栄え的には良いのですが…フィールドを展開する元素スキル・爆発はSFX品質が高いと、展開する領域の外がエフェクトによって見えにくくなる場合があります。

特に万葉の爆発は狭いマップで自分が向かっていた方向が分かりにくくなったりするので、そういう場合は品質を下げると良いかもしれません。

ちなみに凄く地味ですが…元素爆発が溜まったときの表示状態も、SFX品質で若干変化するみたいです。

フレームレート

設定項目24・30・45・60120

1秒間に表示される画像…もとい”フレーム”を何回、表示・切り替えるかの設定です。基本的に45fps以上推奨です。

24に設定すると1秒間で24フレーム、60では60フレーム表示され数値が増えるほど、映像が滑らかになります。

24/30fpsと45/60fpsではゲームプレイに影響するレベルで快適度が違い、甘雨や神里綾人、リサなど一部キャラクターの元素スキル・爆発のヒット数にも影響します。

”ネイティブな”120fpsに対応しているのは、今のところPC版すら差し置いて何故か一部のiOS端末のみ開放されています。

Androidは”ネイティブな”120fpsには対応していませんが、PixelworksやMEMCチップを搭載している一部の端末限定でフレーム補間機能を用いて、疑似的に90fps=45×2や144fps=48×3で原神を動作させることが可能です。

シーン細部

設定項目最低・低・中・高・最高

CGテクスチャの品質設定で、文字通りシーンの細かい部分の描画に影響します。Ver.1.xの頃は何故か総合設定と呼ばれていました。

最低〜中で品質に明確な差がありますが…それ以外は誤差程度です。最低だと細部が描画されず、古いゲーム機のグラフィックみたいなショボさになったりします。

レンダリング精度と同じで中以上に設定した方が良いです。

シーン細部変更時はゲームの再起動後に一部設定が反映されますが、殆どは再起動しなくても反映されます。この再起動の有無で影響があるのは、フィールドエネミーなどにも反映するかどうか程度なようです。

アンチエイリアス

設定項目None・TAA

境界線のギザギザを滑らかにする設定です。Noneだとプレイアブルキャラの輪郭が全体的にギザギザしてます。

レンダリング精度が最低だと効果を実感しやすく、中設定以上だと3Dの描画が細かくなるのでNoneでも多少カバーされます。(低設定でも少し綺麗に視えるのはTAAが良く効いているためかも)

モーションブラー

設定項目OFF・低・高・非常に高い

カメラ移動やキャラクターのモーションなどで、ブレる表現処理を行うかどうかの設定です。

30(24)fpsかつ攻撃モーションが高速なキャラや落下攻撃で、OFF or 非常に高い…の両極端でしか差を実感できないです。

効果を実感しにくい割には、無駄に負荷の掛かる処理かつ3D酔いの原因にもなり得ます。ブレる処理が不要であればOFFか、一応…程度で低設定にしておくのが無難です。

Bloom

設定項目OFF・ON

Bloomはグラフィックの明るい部分を滲ませる光源・発光表現の設定です。

OFFにすると港で言われている通り、アニメ風(手描きに近い)の”トゥーンシェーディング”っぽいグラフィックの質感になり、ONではあからさまに”発光してる感”が出ます。

Bloomの有無でかなり雰囲気が違い、好みは人それぞれな珍しい設定です。

人群れの密度

設定項目低・高

ゲーム内で登場するNPCの人数などに変更がある設定です。低設定にすると非ネームド(名無し)のキャラをフィールドから居ない状態にします。

スメールシティのような重い場所では効果があるかもしれませんが、高から低に下げる理由は特に無いです。

原神翻訳ミス(?)の1つで、何故かNPC人口密度とかではなく”人群れの密度”という謎の訳され方がされており、初期の頃からずっと放置されたままです。

マルチプレイ時、チームメイトのSFX

設定項目ON・一部ブロック・完全にブロック

マルチプレイ時に他プレイヤーのSFXエフェクトをブロックする設定です。”ON”ではそのまま表示され”完全にブロック”だと自キャラのSFXエフェクト以外は消えます。

創造物系のオブジェクトだと物体そのものがその場から消えたり、SFXエフェクトとして判定される早柚のむじむじだるま状態では、しゃがんだだけの早柚を拝むことが出来たりします。

消えるSFXエフェクト自体にも種類があるようで、前述の創造物やステータスエフェクト、ベネバフなんかはフィールドそのものが削られます。

シールドは自分だけに生成したもの、味方に付与するもの問わずブロックされないようです。

エフェクトが自キャラのみになることで軽くなる利益より、エフェクト関係が見えなくなる不利益の方が大きいので、マルチプレイをよく利用する旅人=サンはONのままで良いと思います。

MetalFX

レンダリング解像度の項目で殆ど書き尽くしたようなものですが、MetalFXは実質的なApple版”DLSS/FSR”に相当するアップスケーラーです。

Android側のアップスケーリングとは似て非なる存在で、原神外部のハードウェアやソフトウェアでアップスケーリングして高解像化するアプローチのAndroidに対し、iOS(Apple)のMetalFXは原神のオプションに組み込まれています。

アップスケーリングによる超解像のため、ネイティブのレンダリング解像度で掛かる負荷よりも低負荷でありながら、画質を損なわずにプレイできます。ざっくり「低負荷なのに高画質」です。

私の方では実機での確認ができないので、より詳しく知りたい場合は以下の情報を参考にして下さい。

公式のスペック要件(スマホ版)

原神公式(miHoYo)が公表している2023/8月時点での、スマホ版のスペック要件は以下の通りです。

原神:推奨及び対応可能デバイス(2023/8~)
iOS
OSiOS 12.0以降
SoCA11 Bionic(iPhone 8 Plus)以上
メモリ3GB(iPhone 8 Plus)以上
ストレージ30GB以上の空き容量が必要
Android
必要スペック対応可能推奨
OSAndroid 8.0Android 11
SoCARMv8-A(64bit)対応CPU(※)Snapdragon 855
Kirin 820
メモリ4GB以上6GB以上
ストレージ30GB以上の空き容量が必要
(情報の参考元:miHoYoApp Store)

リリース時の2020年9月に公表された対応・推奨スペックから、Ver.3.6「盛典と慧業」更新時に若干要求値の引き上げが行われ、Ver.4.0「ゆえなく煙る霧雨のように」更新後、更に引き上げられました。

【Ver.3.6「盛典と慧業」更新時】

  • Androidで30GB、iOSで20GB以上のストレージ空き容量が必要に変更
  • Android側のRAM要求値が4GBから6GB以上に
  • 推奨デバイスのCPU(SoC)Kirin 810が820に変更、互換性のあるスペックにおいて、MediaTek Helioシリーズなどに採用されている”PowerVR系”以外のGPUと明記

【Ver.4.0「ゆえなく煙る霧雨のように」更新時】

  • iOSでも30GB以上のストレージ空き容量が必要に変更
  • Androidのシステム推奨要件が8.1(Oreo)から11(Red velvet cake)に
  • 長らく多くの旅人から、推奨としては性能不足を指摘されていた”Snapdragon 845”から”Snapdragon 855”へと引き上げ

Ver.4.0「ゆえなく煙る霧雨のように」更新時にようやくAndroid版の推奨スペックが、非力だったSnapdragon 845からSnapdragon 855に変更され、同社の「崩壊:スターレイル」とほぼ同じ水準になりました。

推奨スペックはSoCが表記されているので大体分かりますが、対応可能スペックは”ARMv8-A(64bit)”しか表記されていないので、何とも言えない状態です。

普通に考えて対応可能なAndroid 8.0とメモリ4GBの場合、当てはまりそうなSoCはSnapdragon 835辺りで、それ以降なら大体プレイ可能とも見受けられますが…。

フレームレート(実動作)を計測・検証する

検証環境・内容

Ver.4.0以降に合わせて以前から温めていた通りテスト環境と内容も更新し、現行のSnapdragon 8 Gen 2や7+ Gen 2に加えて、今もゲーム用途で利用者の多いSnapdragon 870も用意。

旧(Ver.1.0~3.5)推奨のスペックSnapdragon 845や、Ver.4.0で推奨のSnapdragon 855は既に買い替え対象かつ過去の計測データでも微妙な結果で、わざわざ原神を遊ぶために今更使う旅人も居ないと思うので省きます。

テストに使用した端末、それぞれのスペックや仕様をざっくり記すと以下の内容に。

テスト端末のスペック・仕様(右から順に)
端末Redmi K60 Pro
POCO F4 GT
Redmi Note 12 Turbo
Xiaomi Mi 11i
POCO F3
OSAndroid 13(Xiaomi.eu 14.0.24.0)
Android 13(Xiaomi.eu 14.0.9.0)
Android 13(Evolution X for marbel 7.9.7)
Android 13(crDroid 9.7)
Android 13(PixelExperience_alioth-13.0)
SoCSnapdragon 8 Gen 2
Snapdragon 8 Gen 1
Snapdragon 7+ Gen 2
Snapdragon 888
Snapdragon 870
メモリ8GB(LPDDR5X)
8GB(LPDDR5)
8GB(LPDDR5”X”)
8GB(LPDDR5)
6GB(LPDDR5)
ストレージ256GB(UFS 4.0)
128GB(UFS 3.1)
256GB(UFS 3.1)
128GB(UFS 3.1)
128GB(UFS 3.1)
備考動作制御:SoC定格動作/パフォーマンスモード
その他:Wi-Fi環境下、画面輝度全端末50%固定/120Hz駆動、室温28℃
(※Snapdragon 870+Thermal Qualcomm 870 [Medium])

動作の計測には”TakoStats-FPS&Perf overlay(TakoStats)”を使い、平均フレームレートと最低フレームレート(1%=99th%Tile fps)などのデータを取得します。

データ(グラフ)の見方として平均フレームレートはその名の通り、計測データ内で取得したFPSの平均値です。

最低フレームレート(1%)は99th:パーセンタイルfpsで、計測データ内における取得したFPSの99%が”〇〇fps以上”をクリアしていることを示す値です。(統計データの低い側の1%とも)

平均値は所詮、平均でしかないのでパーセンタイルfps(最低フレームレート)を見ないと、どのくらいフレームレートが安定しているか分かりません。

以前使用していた計測ツールの”WeTest PerfDog”では、スムーズ度やジャンク数が安定性に該当します。

計測・検証の前に

計測・検証の前に「フォンテーヌがどのくらい重いのか?スメールは重いと聞いたが、他の国はどうなのか?」とか「モンドは軽いらしいがそれを裏付けるデータはあるのか」といった疑問も予想でき、私もこれらに対する明確なデータが欲しかったので、先に各国×3=15マップ分のデータを計測してきました。

前哨戦とも言えるこの計測には現行のミドルレンジ、Snapdragon 7+ Gen 2(Redmi Note 12 Turbo)を使用し、15マップそれぞれ約20分間フレームレートを計測して「何処が負荷の掛かるマップか」調べます。

約5時間分のSnapdragon 7+ Gen 2による計測データから大凡、テイワットにおける動作負荷の傾向が見えます。

Ver.4.0でも変わらずスメール、特にスメールシティのある”アビディアの森”と(形式的には)終盤に訪れる”蒼漠の囿土”が最も重いマップです。Snapdragon 7+ Gen 2でも最低フレームレート(1%)が45fps以下まで落ちます。

新しいフォンテーヌは水中のマップ含めてスメールほど重くは無いです。かと言って軽い訳でも無く、稲妻よりもフレームレート(特に最低1%)は伸びにくい傾向でした。(スメール≧フォンテーヌ>稲妻)

モンドと璃月は大体のマップが前々から”軽い”と言われている通り、Snapdragon 7+ Gen 2でも平均フレームレート約59fps、最低フレームレート(1%)で約52fpsを超えていて、動作検証には軽すぎるので向いていません。

動作テスト:スメールシティ(720p)

前に用いていたマップ上で一定の戦闘しながら計測するテストでは、フィールドエネミーと自分の行動変化によるランダム性やエネミーを倒すと復活まで時間を待たなければいけなく、常にほぼ同じ動作を繰り返してデータを計測・比較できる訳ではありませんでした。

なので最終的に、原神関係の情報や評価が盛んな中華圏でも性能テストとして用いられている、重いスメールシティを夜蘭の元素スキルで30分間ランニングし続ける地獄のテストを今回は採用しました。

戦闘を挟まないとはいえ夜蘭を筆頭に移動系の元素スキルを繰り返す行動は、瞬間的なフレームドロップ(ジャンク・スタッター)が生じやすく、下手な単体の精鋭やその辺のヒルチャールの群れを相手にするより重いです。

加えて”人群れの密度”が高では無駄に大量のNPCが配置されており、他のマップ以上にCPU側の要件は大きくなります。

中華圏のコースを参考にしつつ、ベンチマーク的な検証用に周回ルートを組み換えて1周辺り、(夜蘭C1の場合)約4分のコースを作成。このコースを30分間ひたすら各端末でランニングして動作検証します。

  1. チャトラカム洞窟側のワープポイントからスタートして、合成台、鍛冶屋を通過し冒険者協会へ
  2. そのままヤザダハ池、また冒険者協会へ戻って、グランドバザールへ直行、ズバイルシアターの階段で反転して来た道に戻り
  3. レグザー庁の左側にある階段から教令院、内部右側の出入り口からラザンガーデンを通ってスラサタンナ聖処まで昇り
  4. スラサタンナ聖処から来た道を戻り、教令院、螺旋階段を通過して道なりに進み、チャトラカム洞窟側のワープポイントへ戻る

まずはAndroid版で多くの端末が実行している、標準的なレンダリング解像度の1600×720でテスト。

既にこの時点で明確な差があり、30分間の計測でほぼ60fpsな平均59.1fpsで動作したのはSnapdragon 8 Gen 2のみ。最低フレームレート(1%)も52.5fpsで圧倒的な安定性を発揮し、とても快適に動作します。

次点でSnapdragon 7+ Gen 2が平均56.2fpsを記録し、最低フレームレート(1%)も45fpsを超えているため、8 Gen 2ほどではないにしろ安定してプレイすることが可能です。

問題はSnapdragon 8 Gen 1とSnapdragon 888で、(いくら下駄を履かせたとはいえ)Snapdragon 870と大差無い結果です。むしろSnapdragon 888は僅差で平均・最低フレームレートともに劣っています。

重いスメールシティかつフレームドロップが発生しやすい移動系元素スキルでのランニングテストとはいえ、せめて平均50fps・最低フレームレート(1%)で40fps以上はクリアして欲しい部分です。

詳しくは後述しますが…こうなる明確な要因があり、標準的な720pの段階ですらSnapdragon 7+ Gen 2(8+ Gen 1)以上か以下で動作に絶対的な壁が存在しています。

720p、30分間の計測で記録した消費電力と30分後のバッテリー温度は、Snapdragon 8 Gen 1(POCO F4 GT)が7.4Wで最も消費電力が多く、端末の冷却設計が古いためSnapdragon 870(POCO F3)が47℃に到達。

Snapdragon 8 Gen 2(K60 Pro)やSnapdragon 7+ Gen 2(Note 12 Turbo)は、平均的な6.6W前後で30分後でも45℃以下までの上昇に収まっています。

基本的に消費した電力は発熱に変換されるので、古い端末ほど冷却設計や消費電力などの影響から発熱面で不利です。

動作テスト:スメールシティ(864p)

「原神 スマホ 解像度ごとの動作」とか検索しても日本はおろか、海外すら情報は限られている…どころか皆無に等しいので、以前は不可能だった720p以上のレンダリング解像度でのテストも追加します。

テスト内容はそのままですが、限定的な解像度かつ多くの旅人にとっては一般的な設定ではないので、実験的かつ時間も15分に縮小。フレームレート制限を解除したPC版のように参考程度で見て下さい。

Xiaomi 13シリーズとRedmi K60 Pro(Ultra)、Legion Tab Y700(2023)などが実行可能な864pに合わせて、GLToolsで720pを120%スケーリングに変更して1920×864で動作させます。

864pでもSnapdragon 8 Gen 2(K60 Pro)は動作が解禁されているだけあって、720pから殆ど変動が無く平均59fpsを記録し、最低フレームレート(1%)も50fpsを超え、依然として圧倒的な動作結果です。

Snapdragon 7+ Gen 2は何とか平均50fpsで持ちこたえますが、最低フレームレート(1%)が40fpsを下回ります。とはいえ本来、ミドルレンジであることを考えればこの位置に存在しているのが異質です…。

他の3つは完全に脱落していて、特にSnapdragon 888はサーマルスロットリングによる性能低下が原因で、Snapdragon 870に叩きのめされてしまっています。Snapdragon 8 Gen 1はどっちつかずでかなり微妙。

864pだと消費電力は大体7W前後、Snapdragon 8 Gen 1だけ8.2Wで突出してますが…詳しい人には説明不要なアレです。まぁ…平たく言えば製品の出来・電力効率がとても悪く電力ドカ食いです。(なので爆熱になりやすい)

Snapdragon 888はフレームレートから予測できたように、最低クロックまで落とす極端なサーマルスロットリングの影響で6.6Wに収まっています。

動作テスト:スメールシティ(1080p)

最後にGLToolsで720pを150%スケーリングに変更して、レンダリング解像度2400×1080にてテスト。

…流石に平均55fpsには届きませんが、Snapdragon 8 Gen 2は1080pでレンダリングした場合ですら平均52fps、最低フレームレート(1%)も40fpsで動作します。

ファンレスだと性能維持に散熱が追いつかないことと、サーマルスロットリングでテスト後半に性能を抑えられることが、Snapdragon 8 Gen 2にとってのボトルネックになっています。(つまりまだ全力を出せていない)

Snapdragon 7+ Gen 2も予想以上に健闘していて、平均45.6fps、最低フレームレート(1%)も35fpsを超えるため、720pほど快適ではないにしろ、デイリーや軽い探索くらいならまだ遊べる水準ではあります。

流石にGLToolsで150%のレンダリングを強制した1080pだと、消費電力は8~9W前後に増加し、バッテリー温度も47℃台まで上昇。

古い&下駄を履かせたので仕方ないとはいえ、Snapdragon 870(POCO F3)はほぼ50℃まで到達してしまい、手に持ってプレイしてるのが厳しかったです。

まぁ…1080pは、素直にフレーム補間やアップスケーリングが可能なAndroid機で動かすのが無難でしょう。

…miHoYoがモバイル版で何故、レンダリング解像度をデバイスごとにバラけさせてユーザー側で任意変更可能にしなかったのか、検証結果を見た後だと何となくですが…少し理解できます。

必要なスペックについて

SoCとCPUボトルネック

よく原神(スマホ版)は「高グラフィックなのでGPU性能が重要」とか「ベンチマークスコアが高いスマホでないと無理」と勘違いされがちで、それが広まってしまっていますが…それらは少し認識がズレています。

原神はCPUボトルネックの影響が大きいタイトルです。逆にGPU性能はCPUほど重要ではないです。

日本では誰もこれに言及していなかったので、フォンテーヌが来る前にSnapdragon 8 Gen 2(K60 Pro)を使ってCPUボトルネックの簡易テストをしました。

テスト内容は至って簡単で、root権限でCPU・GPU動作クロックを任意調整できるツールを使い、Snapdragon 845~8+ Gen 1のCPU性能と近いベンチマークスコアを8 Gen 2で擬似的に再現。

疑似的に性能を再現した”疑似:Snapdragon”に、GPUの動作クロックを680MHzに固定したAdreno 740を組み合わせ、1600×720pの原神をスメールで30分間動作させてフレームレートを計測。

原神がGPU性能に依存する場合、Adreno 740(680MHz)なら平均60fps前後はCPU性能に関係無く出せるはず…。

逆にフレームレートが大きく変動する場合は、CPUボトルネックの影響が深刻だと白黒はっきりします。

結果として、疑似:Snapdragon 845ではAdreno 740(680MHz)が完全に台無しになり、720pでありながら平均でたった40.8fpsしか出せず、最低フレームレート(1%)が30fpsを下回る酷い有様に。

疑似:Snapdragon 865と888では、上述したスメールシティでの結果に酷似するように殆ど差が無く、まだAdreno 740(680MHz)の足を引っ張る性能で、CPUボトルネックが殆ど解消されるのは疑似:Snapdragon 7+ Gen 2以降のみという計測結果でした。

原神がCPUボトルネックの影響が出やすいタイトルだと理解すると、様々な事象の原因を説明できるようになり、例えばスメールシティのテストでSnapdragon 870/888/8 Gen 1であまり差が出なかったのは何故か。

Antutuのような総合ベンチマークでは、GPUやメモリに引っ張られて大きな差があるように見えますが、この3つのCPU性能差はそれほど大きくありません。Snapdragon 8+ Gen 1がリリースされるまでの過去2~3年の間に、ハイエンド向けSnapdragonのCPU性能はあまり向上せず、電力効率は改善どころか悪化してしまいました。

逆にこの3つとSnapdragon 7+ Gen 2(8+ Gen 1)以降では壁とも言える絶対的な性能差があります。ベンチマークだけで動作や安定性を判断できるほど、ゲームというものは単純ではありません。

画質を下げてもCPUの要求値を満たさない場合に動作が安定しないのも同様で、原因はグラフィックやGPU側では無いからです。推奨以下の低スペックで快適に動かす方法なんてものも当然存在しません。

加えてPS4がGTX 750 Ti相当と言われていても30fpsすら動作が厳しく、Switch版のリリースが絶望的なのも基本的にCPU部分が貧弱すぎるため。ラップトップ(ノートPC)でも似たような事例は見られます。

個人的にはデフォルト解像度までの場合、最高画質60fpsでプレイするならiOSはA15 Bionic、AndroidではSnapdragon 8+ Gen 1(7+ Gen 2)辺りのSoCを搭載したデバイスを推奨します。

公式の推奨スペックは以前から中画質(30fps)辺りを想定して選ばれているようで、最高画質設定や60fps動作にはやや力不足です。

Snapdragon 8 Gen 2以降はデフォルトのレンダリング解像度だと少しオーバースペック気味で、快適かつ安定動作ではあるものの、必須かと聞かれたら首を縦に振れるほどではないです。

…A15 BionicとかSnapdragon 8+ Gen 1が今でも十分過ぎるというべきでしょうか。何れにせよ、余程の地雷か調整が下手なメーカーでない限りは、”ハズレ端末”に当たる可能性も低いので判断は任せます。

最高画質や60fpsなどに強く拘らず、自分で画質を調整して45fps以上出れば問題無い(デイリーや樹脂合成がメイン)場合は別にSnapdragon 870辺りでも悪くは無いと思います。下手な888や8 Gen 1より優秀ですし。

あとはAndroidの場合、Snapdragon・Dimensityシリーズ以外のUNISOCやExynos(Google Tensor)、MediaTek HelioシリーズのSoCは原神と相性が悪く、発揮される性能も低いので敢えて選ぶ理由はありません。

最高画質60fps:デフォルト解像度
目安普通快適オーバースペック
fps平均:45~50fps前後
最低(1%):30fps以上
平均:55~59fps前後
最低(1%):40fps以上
平均:58~60fps前後
最低(1%):50fps以上
SoCA14 BionicA16 Bionic
A15 Bionic
A17 Pro
Snapdragon 870
Snapdragon 888
Snapdragon 8 Gen 1
Dimensity 8100
Snapdragon 8+ Gen 1
Snapdragon 7+ Gen 2
Dimensity 9000(+)
Snapdragon 8 Gen 2
Snapdragon 8 Gen 3
Dimensity 9200
Dimensity 9300

デフォルト以上のレンダリング解像度については、少なくともiOSはiPadシリーズでないと800p以上のレンダリング解像度は実行されず、Androidは性能的に864p以上だとSnapdragon 8+ Gen 1以上が必須になります。

メモリ(RAM)

メモリ(RAM)は元々、Androidだと4GBが推奨だったところ6GBまで増加しています。

Ver.3.0でスメールが実装された時点で4GBだと足りず、6GBが必須な状態でしたが…Ver.4.0でリソースが増えた影響やOSそのものが徐々にメモリを必要とするようになってきた現在だと、6GBでもあまり余裕は無いです。

Androidは面倒くさいというか…ややこしいことに、Android OSそのものにも種類があって(独自UIやカスタムROM)、軽いAOSP準拠なAndroidと少し重いAndroid(MIUIやOne UIなど)が存在しています。

あとは…効果が微妙な仮想メモリを追加する機能で、少ないメモリ量を誤魔化すメーカーとかもあるのでちょっと面倒くさいです。実質的に必須な”物理メモリ8GB以上”を推奨しておきます。

iOSはAppleがメモリ関係を公表したがらないのと、Androidよりメモリ周りの管理が上手いのであまり意識することが無いと思いますが、流石のiOSでも3GB辺りのデバイスだとスペック的にも厳しいと思います。

iPhone 11(Pro)以降の4GBがギリセーフ、できればiPhone 12 Pro以降の6GBくらいあると安心だと思います。

ストレージ(ROM)

ストレージ(ROM)は用途や状況、この記事を読んだ旅人=サン次第で変わりますが…最低128GB、256GBがしばらくは無難、何も心配したくないなら512GB以上のストレージ容量を想定しています。

必要な基礎性能と同時に多くの旅人を悩ませる容量問題ですが、Ver.1.0時代の6GB前後からVer.4.0では過去の任務リソースを削除+音声拡張パック(日本語のみ)で約20GB、リソースそのままの場合は25GB前後と3~4倍以上に肥大化しています。

70GBを超えるPC版よりはマシですが…増えることはあっても減ることはまず無く、7国を巡る(ナタ・スネージナヤ実装)頃には40~50GB程度まで増大しかねないことは想像に難くないです。

今のところ128GBでは、空き容量が足りる場合と足りない場合の分岐点になっていて、写真や動画、他アプリを詰め込む場合は限界 or 足りなくなる一方、データを詰め込まず原神と必要なアプリに留めた場合は足りてしまう微妙なラインです。

256GB以上は人によるとしか言えませんが、少なくともしばらくはストレージ関係で悩まなくて良くなると思います。…とはいえ詰め込む人だと安全圏とは言えない容量かもしれませんが。

原神に限らずモバイル向けゲームでも10GB超えが珍しくない時代に突入したので、256GBのストレージ容量を目安としてデバイスを選んだ方が後々後悔しないと思います。

原神(スマホ版)の推奨スペックをまとめる

原神(スマホ版)の必要なスペック…もとい(個人的な)推奨スペックをまとめます。

Ver.4.0:最高画質60fps:デフォルト解像度
必須推奨
iOS
SoCA14 BionicA15 Bionic
メモリ4GB6GB
Android
SoCSnapdragon 870
Snapdragon 888
Dimensity 8100
Snapdragon 8+ Gen 1
Snapdragon 7+ Gen 2
Dimensity 9000(+)
メモリ8GB以上
ストレージ128GB256GB

2022年以降のSoC性能を基準にすると、原神の動作要件や負荷は最も重いタイトルではありません。

AndroidではCPUがボトルネックにならないSnapdragon 8+ Gen 1(7+ Gen 2)相当、iOSなら適切に端末を冷却してあげればA15 Bionic辺りで困ることは無いはずです。(120fpsやiPad Proのような高レンダリング解像度は除く)

余談

スペック的な話は余裕を持たせるという意味も含めて、最高画質60fpsを前提に高く見積もってますが…元も子もないことを言うと、最高画質もとい全てのカスタムオプションを高 or 最高にする必要は全くありません。

ぶっちゃけたことを言えばレンダリング精度以外は中でも良いですし、モーションブラーやBloomの有無なんかは個人の好みです。僅かな差しかない最高画質に拘るだけ無駄で、結局はレンダリング解像度の方が重要です。

不要だったり、あまり違いを感じない設定は落とした方が消費電力も下がり、結果的に発熱抑制にも繋がるので普段は以下のカスタム設定で遊んでます。

基本的に各オプションで中設定以上をキープしながらレンダリング精度(解像度)さえ落とさなければ、プリセットの最高画質から見え方が大きく劣ることはほぼ無いです。

ここからアニメ(トゥーンシェーディング)っぽい雰囲気が良ければBloom(OFF)、発光の派手さ・鮮やかさが好みならBloom(ON)で調整するのが無難な設定だと思います。

さらなる蛇足として、実はAndroid版で画質とかレンダリング解像度に非常に細かい拘りを持つ場合、同じ1080pへのスケーリングでもレンダリング精度”高”(720p)から1080pにするより、低(480p)を225%スケーリングした1080pの方が地味に細かい描画になってたりします。

ここまで拘る必要性があるかはさておき…通常のレンダリング解像度よりも、レンダリング精度”低”をスケーリングして魔改造する方がより綺麗な画質になるかもしれません。実用性は未知数ですが…。

あとがき

今思うとVer.2.0の頃、少ない検証機と当時は手持ちで一番マシだったSnapdragon 855 Plusを使って「855+でも重く、次世代SoCを前提にしているようなもの」って書いたのは半分その通りでしたし、あれが懐かしいと思えるくらいにはiOS・Android両陣営の原神に対するハードウェア性能と適応度合いはかなり向上しました。

現在はデフォルトのレンダリング解像度に対してオーバースペックになり、Android側は一部で高解像度が解禁されたり、フレーム補間による120・144fpsでの動作、iOS側はコントローラーやネイティブ120fpsにMetalFX対応など、それぞれが良い点を持ちつつ原神を最高画質で(基本的には)快適に遊べるようになりました。

まぁ…色々と蛇足な内容を多く含み過ぎたうえ、Ver 4.0化で更に原型を留めていない気がしますが…もし、この記事が何かの役に立っていたら幸いです。