iijmioの「ギガプラン」にMNPして「moto e7 power」を110円で購入しました。
MNPするときに、ほんとは「OPPO A73」が欲しかったのですが、待てども再販しないのでイマドキHelio~な化石で、私はモトローラのスマホを触ったことがなかったので在庫のあった「moto e7 power」でも良いか…レビュー情報も少ないし、と思い選択。
3週間ちょっと使ってみて、昔言われていた「Androidはゴミ」の頃に近い”拷問”を味わったのでレビューします。
スペック・仕様
機種名 | moto e7 power |
カラー | タヒチブルー/コーラルレッド |
サイズ | 165.06×75.86×9.20mm |
重さ | 200g |
ディスプレイ | 6.5インチ IPS液晶 720×1600(20:9) 60Hz |
OS | Android 10 |
SoC | Mediatek Helio G25(12nm) |
CPU | Cortex-A53(2.3GHz×4+1.8GHz×4) |
GPU | PowerVR GE8320(680MHz) |
RAM | 2GB(LPDDR4X) |
ストレージ | 32GB(eMMC) microSDカード対応(最大512GB) |
カメラ | 13MP 広角(f/2.1) 2MP マクロ(f/2.4) 5MP フロント(f/2.2) |
バッテリー | 5000mAh(10W充電) |
インターフェース | USB Type-C(2.0) nanoSIM+nanoSIM(microSD) |
オーディオ | シングルスピーカー 3.5mmヘッドセットジャック |
接続規格 | Wi-Fi 802.11 b/g/n 2.4GHz Bluetooth 5.0 |
セキュリティ | 背面指紋センサー |
開封・内容物
パッケージはこんな感じで、上面はモトローラのロゴと機種名、裏面に特徴と本体デザインが記載されてます。


モトローラは元々アメリカ企業ですが、今現在はLenovoの100%子会社の中華メーカーということで付属品もそこそこ付いてきます。
- 充電器(5V2A)
- USB Type-C to Aケーブル
- イヤホン
- SIMピン
- スタートガイド等のマニュアル類


充電器は5V2Aの10Wなので低速ですが「moto e7 power」自体がPD充電などに対応しておらず、10W前後でしか充電できない子なので付属品で十分です。


外観
色合いやデザインが何処と無く”ちょっと前”を思い出すカラーだったので「タヒチブルー」をチョイスしました。
プラスチック製なので安っぽいですが、テカテカしていない&カラーが悪くはないのでデザインは1万円台ではマシです。

ボタン類は右側に集約されており、上からアシスタントキー・ボリューム・電源キーとなっています。
スピーカーは珍しい背面下側の穴にあり、指紋センサーも背面です。


上部にイヤホンジャック、下部にUSB Type-Cポートがあります。


SIMスロットは左側で、nanoSIM+nanoSIM(microSD)の排他式となっており、DSDVに対応しています。

ただ、LTE:B1/2/3/5/7/8/18/19/20/26/28/38/40/41に対応していますが、MNOの楽天モバイルは普通の設定だと利用できませんでした。
ローエンドの中でも下の方に位置する機種ですが、大きさだけは背伸びしていて6.5インチもあり、約6.5インチのP30 Proよりデカいし重くて厚いです。
P30 Proと並べてみると、姉妹機で昔使っていたP30 liteや別セグメントのnova lite 3に似てます。


ソフトウェア
AOSPベースの素に近いAndroid 10
一応、モトローラのモバイル端末はAOSPベースに近い素のAndroidであることがウリでもあります。

実際パッと見では、ほぼ素のAndroidであり、プリインストールアプリもGoogle謹製とモトローラの通知と端末ヘルプ的なアプリのみに見えます。


ただ、所々モトローラのカスタムが入っており「Lenovo ID」や「Motorola系のサービスアプリ」がシステムとしてインストールされていました。



XperiaやAQUOS系のスマホでもメーカー製アプリが入っていることは良く有るので、重箱の隅をつつくようではあるのですが…PixelやAndroidを突っ込んだだけのスマホの様に、完全に素の状態のAndroidであるかと言われると「No」です。
ただ、それ以外は余計なカスタマイズがされていない”ほぼすっぴん”のAndroidではあります。邪魔なのでadbコマンドにてアップデートと通知など、Googleアプリも含めて消しておきました。


ジェスチャー機能は中途半端
Android 10なので特定の動作で機能する「ジェスチャー」が使えます。ただ、どれも中途半端な機能ばかりで「3本指でのスクリーンショット」くらいしか有意義なモノがありません。
しかも、スライドではなく3本指で”タッチ”することでスクリーンショットを撮る謎仕様。


おまけにナビゲーションジェスチャーはAndroid 10が原因でサードパーティーのランチャーだと動作せず。
実用的な機能が少なく、あっても中途半端すぎます。


一応「Fluid Navigation Gestures」で3ボタンナビゲーションを置き換えて解決はしますが…。
ハードウェア
値段相応かそれ以下のディスプレイ
価格は1万円台の端末ということでディスプレイは値段相応の品質です。解像度がHD+なので鮮明さはなく物足りなく感じますし、輝度が低いです。
ただ、一応最大輝度状態ではサイズが大きく、IPS液晶なので正面から見る分には有機EL程ではないにしろ見やすいとは感じました。

が、あくまでそれは”最大輝度”での話。輝度を半分程度にすると、かなり画面が暗くなり見にくくなります。

半分程度の輝度状態でも有機ELのP30 Proとの明るさや見やすさの差が如実です。タッチの反応もいまいちですし、60Hzなのに残像感を感じるほどに品質は微妙。
同じ1万円台かつMVNOで投げ売りされている「Redmi 9T」や「OPPO A73」が前者はFHD、後者はFHDかつ有機ELディスプレイであることを考えると「moto e7 power」は”最大輝度なら一応見やすい”としか評価する他なく、値段相応かそれ以下のディスプレイと言う他ありません。褒められる部分があんまりない…。
オーディオ機能は必要最低限
シングルスピーカーかつ背面ということで、スピーカーは音が出るだけで使えた物じゃありません。
手に持った時に丁度覆う位置にスピーカーがあり、設計ミスを疑うレベル。デスクに置いた場合でもカメラバンプよりスピーカー部分の丸い突起が小さいので無意味。

マトモに音を聴こうとしたらイヤホンジャックの使用が前提です。かといっても別にイヤホンジャックも付いているだけで、44100hz(≒22000hz)かつCPU側も「ARMv8+ NEON64」じゃないのでハードウェア的にはオマケ程度です。
microSDカードが使えるし、Android 10でAACコーデックにも対応しているのでバッテリーの大きいDAP代わりに使うのは、悪くはなさそう。(良くもなさそうですけど)


物理なので指紋センサーはそれなり
物理なので指紋センサーはそれなりに使えます。ただ、ファーウェイなどの物理指紋センサーと比べるとワンテンポ遅い印象。

触れた瞬間にロック解除される訳ではなく、離す瞬間に解除されるので「快適」かと聞かれると「微妙…」なところです。物理にも関わらず「P30 Pro」や「Realme x2 pro」の画面内指紋センサーの方が速い…なんて場面も。
ベンチマークテスト
Geekbench 5.4.3

3DMark Sling Shot


Antutu V9.2.1

パフォーマンス:端末を投げ捨てたくなるような動作
とりあえずハッキリ言って「moto e7 power」は投げ捨てたくなるパフォーマンスです。
SoCの処理性能は2014年のハイエンド「Snapdragon 808」や爆熱クソSoCで有名な「Snapdragon 810」より低性能です。
「moto e7 power」の搭載している「Helio G25」は2020年辺りに出た、割と最近のチップで4~5年前のSoCという訳ではありません。
6~7年前のハイエンド以下の性能しかないにもかかわらず「MediaTek」は、エントリー向けのゲームSoCとかいう訳の分からない製品として「Helio P22」をほんの少し強化しただけの”G付き”として「Helio G25」を放り出しやがりました。
システムメモリもAndroid Goなら軽量なので2GBでも使えなくはないでしょうけど、普通のAndroid 10に2GB。
余裕なんてあるはずがなく、システムで1GB近くは喰うので空き容量は大体700MB前後。
またストレージはメーカーサイトには直接”eMMC”だとは書かれていませんが、リード274MB/s・ライト92MB/sとクッソ遅いので十中八九eMMC 5.1(400MB/s)だと思います。


「Device Info HW」から視てもフラッシュメモリの規格を確認できなかったので、UFS 1.0(300MB/s)の可能性が無きにしもあらずですが、リリースが2011年の第1Qと10年前の規格であり、既に後継製品に置き換わってディスコンされている筈ですし、わざわざUFS 1.0を採用するメリットがありません。
兎に角、6~7年前のハイエンド以下の性能しかない「Helio G25+RAM2GB+eMMC」のポンコツコンビなので、2021年にこれを使うのは”耐えられない”…というか”拷問”です。何をするにも遅く、動作時の反応が鈍い。
日常生活で使う用途である、LINEやChromeなどの軽い用途でも読み込みが遅すぎて不満どころか、端末が故障したのかと不安を感じるレベル。
同じ1万円台かつ1円とか110円で投げ売りされていて、前にレビューした「Redmi 9T」ですらSoCは「Snapdragon 820」に近い性能の「Snapdragon 662」を搭載していますし「Redmi 9T」はUFS 2.1のストレージです。



「moto e7 power」と同じ値段で性能は月とスッポンの差です。
カメラ
既にボロッボロで期待なんてしてませんが、一応写真も撮りはしました。
丁度良い比較対象として、前にレビューした「Redmi 9T」とその時に”わからせるため(意味深)”に「P30 Pro」でも撮ったのでそれらの写真と比較します。
私自身は写真に関して、撮影技量も知識もない素人なのでその辺りはお察しレベルです。
設定は全部オートかつ高画質で撮影。左下に透かしを入れたのでそちらで判別して下さい。ちなみに「moto e7 power」はカメラのシャッター音をON/OFFにできます。

広角



ポートレート(ぼかし)



ズーム(望遠)



マクロ



カメラ性能:比較する意味がない
「moto e7 power」のカメラはノイジーで暗く、薄い色味のカメラで記録用のメモ程度にしか使えそうにないです。
改めて見ると「Redmi 9T」は価格の割に頑張っていたなぁ…と感じます。腐っても一応ソフトウェアが「Xiaomi」なだけはあり、価格を考慮すれば納得はできる品質。
「1万円ならこのくらいだよね、でもその割には普通に見ても不満は少ないよね」って感想なんですが、「moto e7 power」は全然ダメ。
「もっと光量があれば綺麗な写真が撮れるのでは?」と思い、比較対象は変わるんですが…一応それなりの撮影ができそうなフォトスタジオで物撮りもしてみました。




光量のあるフォトスタジオでもノイズは出るし、ディテールは潰れているし、全体的に評価するのも馬鹿馬鹿しい写真しか撮れないので「比較する意味がない」です。
使ってみて

「moto e7 power」を3週間ちょっと使ってみて、あくまで私個人の評価(感想)は「安いだけで取り柄の少ない拷問スマホ」だと思いました。
折角、自由な「Android OS」なのに「Helio G25+RAM2GB+eMMC」がポンコツ性能すぎて”スマホ”としてやりたいことが満足にできない精神的な苦痛、ジェスチャーナビゲーションがサードパーティ製ランチャーで無効化されたり、スクショ音がデフォルトでは無効化できなかったり…マトモに使おうとしたらそういった不具合を把握&自己解決することを強いられる文字通り”拷問”なスマホです。
少ない良い点を上げるとすれば…
- 価格がMVNOでMNPなら激安の110円
- 素に近いAndroid
- 画面がデカくて見やすくはある
- バッテリーが一応5000mAh
- イヤホンジャック付き
- カメラのシャッター音が消せる
- DSDV
くらいです。
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