Android端末をレビューする記事のクオリティ向上のために、詳しい人以外は書かない情報であるストレージの規格の情報を、大まかにですがUFSかeMMCかどうか追加するようにしました。
製品ページに書いてある情報やソフト上で表示してコピペするだけでは、端末の詳しいストレージ規格を判断できないので、ベンチマーク情報をレビューで載せる都合もあり定番の「AndroBench」を、記事のクオリティ向上のために試してみました。
目次
「AndroBench」について
「AndroBench」は、内蔵ストレージのシーケンシャルリード・ライトとランダムリード・ライトの速度を計測するベンチマークアプリです。
アプリ用の簡易データベース「SQLite」のテストも行えます。
同じくストレージ速度計測として有名かつ用いる方の多い「CPDT Benchmark」との相違点ですが、あちらはSDカードやメモリの速度を計測できるのに対し「AndroBench」は内蔵ストレージのみ…といった違いです。
どちらかといえば「AndroBench」は簡易的で見やすく、「CPDT Benchmark」はやや多機能という印象。
手軽かつ手っ取り早くリード・ライト性能が分かれば良い場合などは「AndroBench」が楽です。
ダウンロードリンク
使ってみる
Measure
「Run All Benchmarks」でオールと書いてあるように「Micro」「SQLite」両方の速度を計測します。


「Micro」は恐らく端末のストレージを指しており、シーケンシャル・ランダムの速度のみを計測。
「SQLite」はSQLite Insert・Update・Deleteのみを計測します。


Results
「Results」はそのまんま、リザルト(結果)の画面です。
計測結果を確認できます。

History
「History」で過去の計測データを確認できます。

Setting
「Setting」から、計測時のファイルサイズやスレッド数の変更を設定できます。

ベンチマーク
手持ちのAndroid端末で幾つかベンチマークしてみました。
Realme X2 Pro(128GB/UFS3.0)

Huawei P30 Pro(128GB/USF2.1)

moto e7 power(32GB/eMMC)

使ってみて
手っ取り早くリード・ライト性能が計測できるので、結果を元にストレージ詳細の大体”これ”って検討が付きます。
シーケンシャルリードが大体500MB/s”以下か以上か”で、eMMCかUFSかは判別できますし、USF内でも1000MB/s前後でおおよその判断ができます。
「Device Info HW」などのデバイス詳細を表示するアプリでも、フラッシュメモリ規格(ストレージ)について分からない端末が多く、表示できてもUFSかどうか程度。


メーカーの製品ページでも最近は規格を書いている所も増えてきましたが、ハイエンドやミドルレンジが何とか記載されているかも?って感じでローエンドは殆どが容量の記載のみ。
コピペメディアは”ソレ”をそのまんまコピペするだけなんで、レビューを見ても必要な情報がなく、結局自分でベンチマークした方が早いという。
ストレージ規格は、SoCなどと同様に端末の操作・動作感に影響する重要な部分なんですけどね…。
今更HDDがメインストレージのPCなんて誰も買わないのと同じで、eMMCの端末なんて余程じゃなきゃ買いたくないと思うんですが、この辺りしっかり記載している良質なメディア(動画・記事)は少ないです。トホホ…
あとがき
最初は「CPDT Benchmark」や「Antutu」のストレージ計測でも良いかと思っていたのですが、使ってみるとストレージ計測機能以外余計なものがなく、5.0から刷新された見やすいUIも相まって、かなりシンプルで使い勝手が良く感じました。
「りとらいん」でAndroidをレビューするときは、しばらく「AndroBench」から得られる結果が頼りになりそうです。