【レビュー】デザイン寄りの悪くはないローエンド「OPPO A73」

Android

OCNモバイルのセールにて1円で投げ売りされていたので、今更「OPPO A73」を買いました。

少し前にレビューした「Redmi 9T」とほぼ似たようなスペックで面白みはなく、他のセール対象のスマホでも良かったのですが、国内モデルのColorOSを触ってみたかったので敢えて「A73」を選定。

どちらかといえば、1円端末は「A73」か「Redmi 9T」くらいで選択肢がほぼ無かったというのが正確ですが…。

2週間弱使用してみたのでレビューします。

スペック・仕様

機種名OPPO A73
カラーネービーブルー/ダイナミックオレンジ
サイズ159.8×72.9×7.45mm
重さ162g
ディスプレイ6.44インチ OLED
1080×2400(20:9)
60Hz
OSColorOS 7.2(Android 10ベース)
SoCSnapdragon 662(Samsung 11nm LPP)
CPUKryo 260

A73(2.02GHz×4)
A53(1.8GHz×4)
GPUAdreno 610(950MHz)
RAM4GB(LPDDR4X)
ストレージ64GB(UFS 2.1)
microSDカード対応(最大256GB)
カメラ16MP 広角(f/2.2)
8MP 超広角(f/2.2)
2MP モノクロ(f/2.4)
2MP ポートレート(f/2.4)

16MP フロント(f/2.2)
バッテリー4000mAh(9V/2A:QuickCharge 3.0対応)
インターフェースUSB Type-C(2.0)
nanoSIM+microSD+eSIM(非排他仕様)
オーディオシングルスピーカー
3.5mmイヤホンジャック
ハイレゾ対応
接続規格Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac(2.4/5GHz)
Bluetooth 5.0
セキュリティ画面内指紋認証
顔認証

開封・内容物

パッケージはこんな感じで、白基調の箱にメーカーロゴや機種名などが記載されてます。

写真で分かるように光を当てると虹色っぽく反射します。

何処と無くHuaweiっぽい印象で、中華系でもXiaomiとは雰囲気が結構違うなぁ…と思いました。

付属品は中華メーカーお得意の全部入り。

品質もマトモに使えるものが付いてきます。

  • ACアダプター(9V2A)
  • USB Type-C to Aケーブル
  • イヤホン
  • 保護フィルム(貼り付け済み)
  • TPUクリアケース
  • SIMピン
  • スタートガイド等のマニュアル類

付属品ながら、18W出力の急速充電対応ACアダプターが付いているのも嬉しいポイント。

ただ、USBPDではなくQuickCharge 3.0の方の9V2A出力なのでQC対応機じゃないと、ただの10Wアダプターです。逆に「A73」はPD非対応でQCのみ。

18Wで急速充電するならQC対応のACじゃないと駄目みたいです。

外観

今回は派手な「ダイナミックオレンジ」を選びました。

外観は定価1~2万円台、投げ売りで1円や110円で買えるスマホにしてはかなり質感が良いです。

レザー調に加工されたプラスチックの背面と、側面は金属(多分アルミ…?)で出来ていて、カメラ周りやOPPOロゴの部分も品のあるゴールド塗装でデザインだけで言えばミドルハイ~ハイエンドレベル。

同年に出たOPPOのフラッグシップである「Find X2 Pro(ヴィーガンレザー)」をローエンドながら良い意味で踏襲する格好で、似たようなスペック、価格の「Redmi 9T」はプラスチッキーで外観は値段相応でしたが「OPPO A73」は安っぽさをまるで感じません。

ボタン類はOPPO系(RealmeやOnePlus)スマホ特有の、右側に電源キー、左側にボリュームキーとなっています。

慣れれば一応使えますが、他社と全然違う配置なので違和感はあります。

SIMスロットは左側のボリュームキー上にあり、nanoSIM+microSDカードに対応します。

あからさまに2枚目の物理SIMスロットを潰されており、microSDカードトレイ部分もnanoSIMが装着できないように出っ張りを設けられていて、意図してnanoSIM+eSIM以外ではDSDVできないようにされています。

後継機の「A54」ではeSIM非対応ですが「Reno 5A」であれば、nanoSIM+nanoSIMかnanoSIM+eSIM+microSDの組み合わせができるようになったらしいので、まぁ…色々あったんでしょうね。

本体下部にスピーカー、USB Type-Cポート(2.0)、イヤホンジャック、上部にマイクがあります。

付属のクリアケースを装着するとこんな感じに。

四隅とカメラ周りが若干出っ張っていて、それなりに保護してくれそうです。

ただ、一応ドット加工されてはいるものの光の反射具合でにじむというかなんというか…。

虹色の模様みたいなのが出ます。

ソフトウェア

MIUIよりは使いやすいColorOS

OPPOは、自社のスマホにAndroidベースのカスタムスキン(システムUI)「ColorOS」を搭載しています。

「A73」は出荷状態ではAndroid 10ベースのColorOS 7をプリインストールしていますが、アップデートによりAndroid 11ベースのColorOS 11が利用可能になりました。

プリインストールアプリはキャリアモデルよりはマシですが、OPPO独自アプリやGoogle謹製の使わないアプリ多めです。

しかも何故かNetflixやMusic Partyなどはアンインストールできない謎仕様…。正直、意味不明。

私は基本的にAOSPに近いAndroid OSが好みで、カスタマイズするならHuaweiのEMUIやOnePlusのOxygen OSくらい完成度の高いものでないと嫌で、特にXiaomiのMIUIが嫌いです。

ColorOS 6辺りくらいまでは、変にiOSっぽくて使いにくいイメージがありましたが、7以降、特にColorOS 11は割と使いやすいAndroid OSに仕上がってきており、ゴミみたいなOSのMIUIなんかより普段遣いしやすいです。

特に、開発者向けオプション周りやapkのインストールに関わる仕様はMIUIの最適化なんてクソ仕様があった「Redmi 9T」と違い挙動が素直で好印象。

ダークモード周りもディスプレイ関連にまとめられていて、分かりにくいってことは少ないです。

視覚的にも楽しいパーソナルカスタマイズ

ColorOS 11では、11以前のバージョンよりパーソナルカスタマイズの内容が増え、視覚的にもかなり楽しめるものが増えました。

壁紙は中華系のカスタムAndroidでは当たり前の機能ですが、ColorOS 11ならアプリアイコンもカスタマイズできます。

地味にデフォルトランチャー向けでは珍しい、アプリ名の非表示やサイズの変更にも対応しているのは便利。

デフォルトにしてはマトモなランチャー

OolorOSのランチャーはデフォルトにしてはかなりマトモで、使い勝手の悪いAndroid標準ランチャーやPixelLauncherとは雲泥の差です。

より高機能やカスタマイズ性を求めるなら「Nova Launcher」などが必要ですが、OolorOSのランチャーでも結構遊べてマトモに使えます。

検索バーの邪魔なウィジェットはもちろん消せますし、ダブルタップで起動したり、プルダウン・アップで通知ドロワーやアプリ一覧も呼び出せます。

あると便利なスマートサイドバー

ColorOSにはスマートサイドバーという、XperiaのサイドセンスやMIUIのクイックボールに相当する機能があります。

アプリと一部のツールしか置けないので、あれらほど高機能ではないのですがあると地味に便利な機能です。

Android 11以降ではフローティングウィンドウに対応したアプリもあり、サイドバーから起動するとフローティング状態でアプリを開けます。

ハードウェア

安価ながら有機ELディスプレイを採用

前にレビューしたライバル機の「Redmi 9T」はIPS液晶でしたが、同価格帯で安価ながら「A73」は発色が良く、視野角がより優れた有機ELディスプレイ(OLED)を採用しています。

最高輝度は600nitかつリフレッシュレートも60Hzと値段なりですが、元メイン機でOLEDの「P30 Pro」と比べても明るさ以外遜色なく、かなり斜めからディスプレイを覗いても視野角が広いので色が可笑しくなりません。

設定項目は普通で、色モードも最低限です。

一応、WidevineはL1でした。

マトモな画面内指紋センサー

ローエンドモデルですが、OPPOの画面内指紋センサーを積んでるので認証は割と快適です。

サブ機で使っている「Realme x2 pro」ほど爆速ではないですが、光学式の「Pixel 6」と同等程度の速度です。

物理なのに”それなり…”としか評価できないスマホが同価格帯にいるので「A73」はかなりマトモです。

スピーカー以外は1万円台にしては十分

スピーカーはシングルなので普通、ライバル機でデュアルスピーカーの「Redmi 9T」に劣る部分です。

スピーカー以外は「Redmi 9T」と同じく1万円台にしては優秀で、リアルサウンドテクノロジー(イコライザー)に対応していたり、BluetoothコーデックはAAC・apt-Xに対応しています。

ハイレゾに対応していると他の方のレビューや楽天モバイルの製品ページには書いてあったので、ハードウェアレベルでカスタムできる音楽プレイヤー「Neutron Player」からハードウェアを確認したところ、Line-Outでの出力であれば、確かに88200Hz以降の周波数にも対応していました。

実際に、44100Hz16bitのmp3音源を2倍でオーバーサンプリングし、88200Hzかつ64bit(32bit)のCPUによるリサンプリングにてオーディオ再生できました。

CPU部分はローエンドとはいえ、最大2GHz駆動のKryo 260、4+4=8クラスターなのでCPU側に負荷を掛ける64bit処理やCPUでのリサンプリングも問題なく動作しており、microSDカードでストレージを拡張できるので、格安DAPとして使うのも”アリ”だと感じました。

ベンチマークテスト

Geekbench 5.4.3

3DMark Sling Shot

Antutu V8.5.7

Andro Bench

パフォーマンス:ローエンドだが…まだマトモに使える

前にレビューした全く同じスペックのライバル機「Redmi 9T」や「Snapdragon 665」を搭載した先代のAシリーズ「OPPO A2020」と殆ど同じ性能なので、今更語ることはありません。

「Snapdragon 662」はローエンドなSoCですが下には下がいて、もっと動作がポンコツで投げつけたくなるようなAndroid機が未だに同価格帯で売られているので”まだマトモ”で不幸にならないスペック。

「Redmi 9T」のレビューで書いたとおり「Snapdragon 662」は旧型のハイエンドSoCに置き換えると「Snapdragon 820」クラスの性能であり、ネットサーフィンやLINE、Gmailや軽い2Dゲームなどのライトユースであれば快適とは言えないまでも”まだマトモに使える”SoCです。

またローエンドモデルながらeMMCではなく、SataSSD並の速度が出るUFS 2.1のストレージを搭載しており、割とサクサク読み書きしてくれるので日常用途ではそこそこストレスない動作感。

「Device Info」から確認してもしっかりとUFSであることが確認でき、未だにeMMC搭載のポンコツAndroid機とは格が違います。

ちなみに、SoC/RAM/ストレージの規格が全て同じで、散々名前を挙げた「Redmi 9T」と比較すると2.5%弱「A73」が劣っている結果に。

ほぼ誤差ですね、クォレハァ…。

それと、Samsung 11nmの弊害で「Snapdragon 662」は爆熱でないにしろ、ローエンドにしては熱を持つと思ってましたが「Redmi 9T」特有の事例だったのか「A73」では全然温度が違います。

もしかしたら側面が金属なのが功を奏したのかも知れません。

カメラ

一応、カメラ性能も軽く見ておくために写真を少し撮影しました。

私自身は写真に関して、撮影技量も知識もない素人なのでその辺りはお察しレベルです。

前に「Redmi 9T」で撮影した写真と比較できるように、オート設定で撮影。

ちなみにスクリーンショット音は消せますが、カメラ音は消せません。

OPPO製にも関わらず音が鳴るクソです。(Redmi 9Tなら地域を日本以外にすれば消せます)

広角カメラ

超広角カメラ

ポートレート

望遠

カメラ性能:可もなく不可もなし

「OPPO A73」はクアッドカメラ構成ですが、内2つはモノクロとポートレート用の2MPカメラというなんちゃってクアッドカメラかつローエンドモデルなので値段なりの”可もなく不可もなし”って感じです。

「Redmi 9T」の方が同じクアッドカメラでも、広角が48MPだったりマクロ用に2MPのカメラがあったりと遊べた印象。

どっちが優れているというより、どっちも値段なりでマシには使える程度ですかね…。

ハイエンドに触れたことのある人間からすると、お世辞にも綺麗とは言えません。スナップショットに使えるかなぁ…程度。

可哀想ですが、メイン機の「Pixel 6」と比較すると…本当に可哀想なことに。(特に暗所性能はレベチです)

使ってみて

想像以上に「Redmi 9T」とあんまりにも変わらんので、今更触っても面白くないというのが正直な感想です。

有機ELやeSIM対応、カメラ構成やOSなど差別化点はあるものの…核となるSoCやその他足回りが全く同じ故に、できることが同じなので目新しさもなく、敢えて買うほどの端末ではなかったです。

ローエンド向けSoCもこれからは5Gに対応し、11~14nm世代から7~8nm世代へとシュリンクし性能が向上した「Snapdragon 480」や「Dimensity 700」に置き換わるでしょうし、わざわざ低性能な「Snapdragon 662」の端末を買う必要を感じません。

それでも「Redmi 9T」や「A73」を敢えて買うメリットは、1円(110円)の投げ売り価格でサブ機(玩具)として買えることぐらいだと思います。

まぁ…安いですが費用対効果が高い訳ではないので、1円(110円)の投げ売り価格でも”コスパ最高!”と喚くのは違うとは思いますが。

レザーっぽい背面に金属の側面で悪くないデザイン、1円(110円)で有機ELかつnanoSIM+eSIM対応に魅力を感じ、メインスマホとして使わないのであれば”デザイン寄りの悪くはないローエンド”としてサブ機(玩具)ではアリなスマホだと感じます。(悪くはないけど良いとも言ってない)

microSDに音源をぶちこんで格安DAPとしての利用、eSIMに対応しているのでMNPなどの回線管理用、楽天やpovo2.0でモバイルWi-Fiルーターもどきにするのも面白いかもしれませんが…その程度にしか使えなさそうなのも事実…。

まだローエンドながらマトモに使えて玩具になりそうなだけ、むしろ救いようがあるとも言えるかも…。

記事内で”マトモ”と連呼したのも、本当に最低クラスローエンドに比べれば月とスッポンの違い故に…です。