【レビュー】グローバル版の「Realme x2 Pro」を半年弱使った感想

Android

Snapdragon 865のZTE Axon 10 Pro 5Gを買ったので、今までサブ機とゲーム検証とかに使っていたRealme x2 Proを手放すことにしました。

良いスマホだったので、P30 Proみたいに別れの意味も込めてレビューします。(雑記&感想成分強めの内容です)

スペック・仕様

機種Realme x2 Pro
カラールナホワイト
ネプチューンブルー
レッドマスターエディション
グレーマスターエディション
サイズ161×75.7×8.7mm
重さ199g
ディスプレイ6.55インチ Super AMOLED
1080×2400(20:9)
60~90Hz
OSAndroid 11(Realme UI 2.0)
SoCSnapdragon 855 Plus(TSMC 7nm FinFET)
CPUKryo 485

A76(2.96GHz×1)
A76(2.42GHz×3)
A55(1.8GHz×4)
GPUAdreno 640(675MHz)
RAM6/8/12GB(LPDDR4X)
ストレージ64GB(UFS 2.1)
128/256GB(UFS 3.0)
カメラ64MP 広角(f/1.8)
8MP 超広角+マクロ(f/2.2)
13MP 望遠(f/2.5)
2MP ポートレート(f/2.4)

16MP フロント(f/2.2)
バッテリー4000mAh(SuperVOOC、USB PD対応)
インターフェイスUSB Type-C(2.0)
nanoSIM+nanoSIM
オーディオデュアルスピーカー
3.5mmイヤホンジャック
ハイレゾ、Dolby Atmos対応
接続規格Wi-Fi 802.11 a/b/g/n/ac(2.4/5GHz)
Bluetooth 5.0
NFC
セキュリティ画面内指紋認証
顔認証

内容物

原神の検証目的とP30 Pro以外ハイエンドを触ったことがなかった&海外スマホに触れてみたかったので、色々ググった結果、Snapdragon 855 Plusに8/128GBメモリ、90Hzでベイパーチャンバー+グラファイトその他諸々を搭載しているのに頭の可笑しい価格で、スマホ好きから「化け物コスパ」と言われるヤベー機種を発見。

その色々ヤベー奴がRealme x2 Proでした。

去年の6月にイオシスでグローバル版の中古Aランク品を見つけたので、40,800円から楽天経由&20,300ポイント利用して実質20,500円で買いました。

アホみたいに状態が良い個体が来て、イオシスのAランク品もヤベーと思いました(小並)。

前オーナーさんが全部残してくれていたので、付属品は欠品なしでした。

  • 50W SuperVOOC対応のACアダプター(海外用)
  • 50W SuperVOOC対応のUSB Type-A to Cケーブル
  • TPUクリアケース(クリアブラック)
  • SIMピン
  • マニュアル類

外観

見た目がドストライクだったので「ルナホワイト」にしました。

OPPOのサブブランドとはいえ、Realme初のフラッグシップということで気合が入っているのか、惚れ惚れするデザインと質感の良さです。

OnePlus 7 Proっぽいカメラ配置と、滑らかで流体のような反射具合のガラスパネルがめちゃ良いです。

ルナホワイトといいつつ、P30 Proのブリージングクリスタルのように少し淡い水色っぽい色合いにもなったり。

側面はシルバーの金属フレーム。

ボタン類はOPPO系(RealmeやOnePlus)スマホ特有の右側に電源キー、左側にボリュームキーとなっています。

SIMスロットは電源キーの上側にあります。

本体下部にスピーカー、USB Type-Cポート(2.0)、イヤホンジャック、上部にマイクがあります。

重さは実測値で200.8gでした。

200gオーバーなので人によっては「重い」と感じる重さです。

付属のクリアブラックなTPUケースを装着するとこんな感じです。

OPPOのケースは結構ギチギチで、正直…付けたり外したりし難いです。

ソフトウェア

ColorOS≒Realme UI

Realme x2 ProはOPPOの独自UIであるRealme UIを搭載しています。

初期はColorOSが搭載されていたようですが、この記事を書いている段階ではAndroid 11ベースのRealme UI 2.0までアップデートされています。

調べた限りはColorOS≒Realme UIみたいで、XiaomiのMIUIとJOYUIみたいな関係に近く、一部機能が違うだけで殆ど一緒みたいです。

なので前にレビューしたOPPO A73のColor OSと、できることや操作感はほぼ同じです。

Realme UI独自の機能として、Realme ラボとプロセスマネージャー機能があります。

ワイヤレスと有線を同時接続できるデュアルモードオーディオがあったり、実行中のプロセスを全て終了するディープクリーンアップ機能なんかがあります。

ColorOSのお節介な部分も一緒

やたらめったらタスクキルしたがるのでうざいと評判のColorOSですが、Realme UIも殆ど同じなのでお節介な部分が多いです。

バックグラウンドでの動作やバッテリーの最適化関係は、全部手動で使いやすいように調整する必要があります。

酷いのがこれ、一括でまとめてON/OFFできないっぽいんですよね。1つ1つ全部手動。

これが原因なのか知りませんが、アシスティブモードをONにしてても勝手にOFFにされることが多発しました。

私が愛用する「Nova Launcher」で、画面を2回タップして画面ロックするジェスチャーが勝手に切られることが多くめちゃくちゃストレスでした。あと通知もかなり遅め。

HuaweiのEMUIとかZTEのMiFavor UIはそんなことなかったし、一括で変更もできたのでColorOSが曲者なのです。

本当に便利だった、便利なツール機能

ColorOS≒Realme UIなので、ColorOSの便利ツールも使えます。

スクリーン関係の機能は便利で、スクリーンショット音は消せますし、OPPO系のスマホで暴発する電源+音量キーでのスクショもON/OFFできます。

スクリーンレコーダーはシステムサウンドも録音可能&カスタムできる項目が他社のUIより多いです。

ビットレートを自分で変更してH264・265で録画することもできたので、下手な画面録画アプリじゃ太刀打ちできないくらい便利でした。

ハードウェア

最大1000nit&90Hzで駆動するSuper AMOLED

Realme x2 Proは、最大で1000nitかつ90Hzのリフレッシュレートに対応したSamsung製のSuper AMOLEDディスプレイを搭載しています。

フラットなディスプレイで保護アクセサリーとの相性が出にくく、AMOLEDなので発色・視野角共に良好です。

また明るさが最大1000nitまで明るくなるので、かなりディスプレイを見やすいです。

同じ有機ELかつHDR10対応のAxon 10 Pro 5Gと軽く比べてみても、パッと見で違いが分かるくらいには明るいです。

ただし、極端に斜めから除くと色に若干違和感が生じます。Axon 10 Pro 5Gは色がそのまんまです。

画面の色設定は大まかに寒色・暖色寄りにできる他、P3のブリリアントやsRGBの穏やかから選択可能。

中華UIお得意のダークモードでの壁紙やアイコンレベルでのカスタムもできます。

一応、海外モデルながらWidevineはL1でした。

生体認証は高速で快適

Realme x2 Proは、顔・指紋両方の生体認証に対応しており、どちらも高速に認証されます。

特に指紋認証は画面内とは思えない程に高速で、指のコンディションにも左右されますが触れた瞬間に解除されます。

誇張表現無しで文字通り”爆速”というのはこういうことだと思います。

手持ちの端末ではダントツ…というか、私が使用したことのある端末の中で一番認証速度が速いです。

充実したオーディオ機能

Realme x2 Proはデュアルスピーカーとハイエンドモデルでは省かれがちなイヤホンジャックを搭載しており、両方Dolby Atmosとハイレゾオーディオに対応します。

スピーカー出力ではイコライザー機能が使えないものの、Line-Out出力であればDolby Atmosのインテリジェントイコライザーも使えます。


ハードウェアレベルでカスタムできる音楽プレイヤー「Neutron Player」から、Realme x2 Proのハードウェアを確認したところ、スピーカー・Line-Out出力の両方が384000Hzまでの周波数に対応していました。

見掛けだけのスペックでは無いことを確認するために、44100Hz16bitのMP3音源を「Neutron Player」で8倍オーバーサンプリングし352.8KHzで再生可能か動作させたところ、しっかり駆動していました。

Dolby Atmos&384000Hzまでのハイレゾに対応しており、価格を考えるととんでもない充実度です。

音質もスマートフォンで聴けるものではかなりレベルが高く、これより上の音質を欲するならSoCとは別にDACチップを搭載したXperiaやROGPhone、Android搭載のDAPクラスが必要だと思います。それくらい良いです。

ベンチマーク

Geekbench 5.4.3

3DMark

Antutu V9.2.1

Andro Bench

パフォーマンス:原神以外は快適で、865との差も小さいが…

この記事を書いている2022年だと、既に3世代落ちですがSnapdragon 855 Plusはギリギリまだ現役で快適に使える性能を有していると思います。

Snapdragon 855からクロックを引き上げられたことで10%弱の性能向上を果たしており、Snapdragon 865と比較してもその差は7~8万点弱程度です。

ゲーム用途以外であれば、基本この性能があれば困ることはないです。

特にRealme x2 Proは90HzのAMOLEDと8GBのLPDDR4Xメモリ、UFS 3.0のストレージを搭載していて、下手な865搭載スマホ(某日本のアアアッなアレ)よりパフォーマンスが良いです。

そして特筆すべきは、1373mm²のクソデカベイパーチャンバーとグラファイトの冷却システムによる放熱能力で、Antutuを1回測定した程度ではたった3.8℃しか温度上昇せず、パフォーマンスの継続性を確認するために3DMark Wild Life Stress Testを実行したところ、Stabilityは99.4%でした。

ゲーム用途に悪くない放熱性能と継続力ですが、Realme x2 Pro発売当時は想定していなかった負荷の掛かる原神では、放熱性の良さが逆に仇となります。

原神を60fpsにて動作させた場合、画質ごとのフレームレートは以下の通りでした。(※~Ver.2.4までの過去データです)

画質秘境挑戦テイワット
最低設定Avg:52fps
Min:26fps
Avg:51fps
Min:23fps
低設定Avg:50fps
Min:18fps
Avg:49fps
Min:22fps
中設定Avg:49fps
Min:21fps
Avg:43fps
Min:17fps
高設定Avg:49fps
Min:22fps
Avg:48fps
Min:16fps
最高設定Avg:48fps
Min:15fps
Avg:40fps
Min:8fps

放熱しやすいことが原因となって端末がかなり熱を持ちやすく、ColorOS(Realme UI)の制御が下手なのか、それとも早めにクロックダウンしているのかは分かりませんが、60fps動作でも30fps台に落としているような制御が見受けられます。

処理落ちして10~20fpsに低下するのは分かりますが、熱が原因なのか一定間隔で30fpsに制限しているような動作が見られ、よくわからない場面で急に60fps近くfpsが復帰する謎挙動でした。(恐らくサーマルスロットリング制御)

Snapdragon 865のAxon 10 Pro 5Gではそんな挙動はなく、落ちるところは落ちますが、最高画質60fpsでも平均55fpsで動作していました。

カメラ

センサーを調べてみる

Realme x2 Proのセンサー周りが気になったので「Device Info」から確認してみると、以下のセンサーが使われているみたいです。

カメラセンサー
64MP 広角Samsung s5kgw1
(ISOCELL GW1:1/1.72型)
8MP 超広角+マクロSony imx319
(IMX319:1/3.2型)
13MP 望遠Samsung s5k3m5sx
(ISOCELL 3M5:1/3型)
2MP ポートレートOmniVision ov02a1b
(該当するデータ無し)
16MP フロントSony imx471
(IMX471:1/3型)

撮影テストのまえがき

カメラソフトは普通で、特に言うことはないです。

海外モデルなのでシャッター音はデフォで消せます。

他社のガチガチフラッグシップには劣りますが、デジタル×光学のハイブリットで最大20倍までズームできます。

あと、1倍の次が2倍ズームなので比較的使いやすいです。

撮影テストもしましたが、カメラについては毎度の如く私は知識も技量もないドシロートなので察して下さい。

今回の比較兼噛ませ犬はGCamをぶちこんだAxon 10 Pro 5Gです。

Realme x2 ProはHDRオート、AIオンの全てソフトウェア任せで撮影してます。

広角

ポートレート(背景ぼかし)

超広角

望遠(7倍)

マクロ

暗所撮影

カメラ性能:過不足なく撮れる使いやすいカメラ

カメラに関して詳しくないのでゴニョゴニョ言えないですが、過不足なく撮れる使いやすいカメラだと思いました。

比較的大きい1/1.72型センサーのISOCELL GW1とカメラソフトにも力を入れているOPPOなので、暗所でも夜景モードを利用することで明るく撮れますし、光量がある場所なら悪くない写りです。

GCamをぶちこんで、カメラ性能をブーストしたAxon 10 Pro 5Gにも引けを取らないカメラで、かなり寄れて広く撮影できるテレマクロも使い勝手が良かったです。

望遠性能はもう少し頑張れた気もしますが、5倍以上を多様する頻度は少ないので気にする程ではないです。

中華スマホあるあるの色味が少し濃いかなぁ…とは思いますが、全体的に不満が少ないカメラです。

半年弱使った感想:凄く良いスマホ”だった”

Realme x2 Proを半年弱使ってみて、日本で売ってないスマホ&フラッグシップの魅力を教えてくれた、凄く良いスマホ”だった”と感じました。

私がRealme x2 Proを買ったときにメイン機として愛用していた、P30 Proに不満が出始めてPixel 6に乗り換えた元凶はこの子です。

Kirin980よりも高性能なSoCと90Hzディスプレイの良さ、SIMフリーでキャリアのクソアプリが入っていない素晴らしさ、それでいて(中古とはいえ)リーズナブルな価格で、日本市場のスマホでは味わえない良さを教えてくれました。

ブログ内でも検証機として色々記事を書くのに役立ちましたし、Snapdragon 865なら原神が快適なのは知っているけど855クラスだとどうなのか?という個人的な興味も満たしてくれました。

ほぼ全部入りスマホで、USBが2.0かつmicroSDが使えないことも承知で買ったのでハードウェアに不満はあまり無いです。

ただ、良いスマホ”だった”と過去形なのはやはりColorOSのお節介な部分と、アップデートでブートローダーが塞がれた故にです。

MIUIよりは使いやすいと感じたのですが、どうにもColorOSがあんまりしっくりこなかったです。

Android 11ベースのRealme UI 2.0にアップデートされたのは良いんですが、ブートローダーアンロックができなくなりました。

試しにブートローダーに入れるかやってみましたが…

一瞬だけ謎表示は出るものの、直ぐにRealmeのロゴに切り替わって再起動しちゃいます。

正式な手順はロック解除ツールのAPKを用いる方法っぽいんですが、Android 11向けのツールは出てません。

個人ブログを漁った感じ、ブートローダーアンロック済みであればRealme UI 2.0でもroot取得やVoLTE開放は可能みたいですが、そもそものブートローダーをアンロックさせてくれないという。

fastbootできないんじゃTWRP起動できないし、私如きじゃこれ以上ゴニョゴニョできないのでブートローダーアンロックは諦めました。

で、仕方ないのでSnapdragon 845での検証目的もあったのでPixel 3を購入し、更には865のAxon 10 Pro 5Gも買ってしまったワケです。

Pixel 3はブートローダーアンロック&Magisk経由でroot化して検証用の玩具に、ゲーム用サブ機にはAxon 10 Pro 5Gが手元にある状態になってしまったので…Realme x2 Proは役目が無い状態に。

OnePlus 7 Proっぽいデザインとルナホワイトのカラーリングも大好きですし、色々と思い出があるので手元に残してても良いんですが、P30 Proと同じく置物にしかならないので手放すことに決めました。

あとがき

日本で売ってないスマホ&フラッグシップの魅力を教えてくれて、色々なことに付き合ってくれてありがとう。

次は、私よりも良いオーナーさんに出会ってパフォーマンスを発揮してくれ…。