【レビュー】古い世代からの換装に適任、ASRock「Radeon RX 6600 XT Challenger D 8GB OC」

PC

メインPCのCPUはRyzen 7 3700Xなので特別不満は無いのですが、GPUが費用対効果(俗に言うコスパ)で飛びついたGTX 1660 Superなので、使ってるモニターがUWQHD(3440×1440)故に不満が出てきました。

重いゲームはそこまでしないし、144Hzとかの高リフレッシュレートやレイトレーシングは求めておらず、FHD~WQHD60fpsで大体のゲームが快適に動いて予算6万円以下のグラボを探していました。

で、3月にASRock「Radeon RX 6600 XT Challenger D 8GB OC」を6.1Kで購入し、1ヶ月半経ったのでレビューします。

スペック・仕様

型番RX6600XT CLD 8GO
GPUAMD Radeon RX 6600 XT(Navi 23)
プロセスTSMC 7nm
Compute Unit32基
ストリーミングプロセッサ2,048基
Ray Acclerator32基
ベースクロック2,000MHz
ゲームクロック2,382MHz
ブーストクロック2,593MHz
ビデオメモリGDDR6 8GB(128bit)
メモリクロック16Gbps
Infinity Cache32MB
バスインターフェースPCI Express 4.0×8
出力インターフェースDisplayPort 1.4a×3
HDMI 2.1×1
TBP160W
補助電源8Pin×1(推奨500W)
サイズ269×132×41mm(2スロット専有)
重さ640g

開封・内容物

パッケージの外観は如何にもRadeonって感じで、特に言うことはないです。

昨今のグラフィックボードらしく内容物は簡素。

静電気防止袋にボード本体が包まれ、簡易マニュアルがある程度です。

外観

ASRockのChallengerモデルだと、RX 5700 XTモデルが脳裏にチラついて黒ベースに黄色と白のラインってイメージでしたが、RX 6600 XT CLDはシンプルな黒基調のデザインです。

冷却ファンに、95mm口径のASRockカスタムストライプアキシャルファンを2つ搭載し、低負荷時はファンが停止する0dbサイレント冷却(セミファンレス)に対応します。

カバーの側面には、ASRockとRadeonのロゴがあるのみで至ってシンプル。動作時に光らないのも◎です。

補助電源はリファレンス準拠の8Pin×1。バックプレートはメタル製で剛性感と質感もバッチリ。

出力インターフェースは、DisplayPort 1.4a×3とHDMI 2.1×1でスタンダードな構成です。

あと、RX 6600 XT CLDにはPCIeコネクタだけでなく映像端子にも保護キャップが付いてました。地味に有り難いです。

ミドルクラスのグラフィックボードながら、廉価版に近年までのよくあったDP、HDMI、DVIのバラバラな3出力ではないので無駄が無くて良いです。

個人的にビカビカ光る”The・ゲーミング”って感じのPCパーツは好きじゃないので、シンプルで落ち着いた印象があり、マットな質感で光らないRX 6600 XT CLDは、安っぽくはないし派手過ぎないデザインで良いなぁと思いました。

システム構成

RX 6600 XT CLDを載せたメインPCのシステム構成(スペック)です。

Zen 3とかでガチガチの検証やレビューは他の人やメディアがしてるので、あくまで従来のPC環境想定だと思って下さい。

CPURyzen 7 3700X@4.2GHz(1.3V)クロック固定
CPUクーラーAMD純正 Wraith PRISM
マザーボードB450 STEELE LEGEND(P4.20)
メモリ8GB×4(DDR4-3,200MHz)
PATRIOT VIPERSTEELE
GPUASRock Radeon RX 6600 XT Challenger D 8GB OC
SSDSamsung 980 1TB(PCIe 3.0×4)
Samsung 860 EVO 1TB(SATA 3)
電源ユニット650W(80+Bronze)
玄人志向 KRPW-BK650W/85+
OSWindows 11 Pro(21H2)
ドライバーAMD Software 22.3.1
ディスプレイLG 34WL750-B(3440×1440@60Hz)

Zen 2及びB450環境ですが、AMD SAM(Smart Access Memory)は有効可能でした。

敢えて無効にする必要もないので、ベンチマークやゲームでもSAM有効の状態でテストしてます。

ベンチマークテスト

ベンチマークは大手でもよく見かける定番の5つをテスト。

3DMARK FirestrikeDirect X11向けの国際的ベンチ
3DMARK TimeSpyDirect X12向けの国際的ベンチ
VRMark Orange RoomVRゲーム向けの国際的ベンチ
ファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレPS3世代の国内で定番ベンチ
FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONPS4世代の重めな定番ベンチ

3DMARK Firestrike

Direct X11 APIのゲーム性能を図るFHD向けの「Firestrike」では、スコア22,455でした。

グラフィックスコア単体でも28,410で、他の人のベンチ結果と大差ないどころか寧ろ良い値。

ネット上にあるRX 5700 XT、RTX 2070と互角のスコアです。(なんならRadeon VIIより上)

Zen 3だともう少し総合スコアでも伸びるみたいですが、Zen 2でもボトルネックになっている印象ではないです。

3DMARK TimeSpy

Direct X12 APIのゲーム性能を図り、WQHDや最新タイトル向けの「TimeSpy」では、スコア9,615でした。

ボードやシステム構成に左右されますが、ネット上にあるZen 3環境のベンチと大差ないスコア。

グラフィックスコア単体に目を向ければ、ライバルのRTX 3060より明確に上、RX 5700 XTやRadeon VIIと同等かやや上、GTX 1080 TiやRTX 2070 Superにちょっと劣る程度です。

VRMark Orange Room

VRゲーム向けのベンチマーク、VRMark「Orange Room」ではスコア9,832でした。

本来RX 6600 XTであればスコア13,000程度は出る筈ですが…「Firestrike」「TimeSpy」と違い、Zen 2ではスコアがまるで伸びませんでした。

私の構成でベンチした結果だと、前世代のRX 5600 XTなどにすら劣るスコアになってしまいました。

なーんで他は平均くらいのスコアなのに「Orange Room」だとここまで低いのか謎です。

ファイナルファンタジーXIV 暁月のフィナーレ

定番MMO RPG FF14のベンチマークテストの最新版である「暁月のフィナーレ」では、スコア17,091で非常に快適判定…ですが、RX 6600 XTのスコアとしては低めです。

Zen 3環境では5600 Xとの組み合わせでも20,000オーバー、intel環境でもSkyLakeよりはマシなRocket Lake世代との組み合わせで18,000~20,000弱くらいなので、Zen 2だとボトルネックにはならずともフルで性能を活かしきれてないっぽいです。

まーFF14ベンチはCPUベンチな側面があるので、従来環境では最新のCPUにスコアで劣るのは必然ですが…。

スコア的に近いのはRyzen 7 3700X or 3800XにRX 5700 XTを組み合わせた時に17,000台なので、こちらもRX 5700 XTに近い性能っぽいです。

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION

重量級タイトルとして、FF14ベンチと並んで定番の「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」ベンチマークでは、NVIDIA GPUが有利タイトルですが、FHDとはいえ高品質かつウィンドウ表示でもスコア9,032でとても快適判定でした。

重めなタイトルなのが影響したのか、Ryzen 7 3700Xとの組み合わせでもネット上で見掛けるZen 3環境でのベンチ結果とあまり大差ないスコアです。

RX 6600 XTがメインターゲットにしているFHDなら、重めのタイトルでも十分快適に動きそう。(小並)

ゲーム性能

ゲームタイトルは手持ちの関係で少ない&銃で殴るFPSゲーは苦手なのでないです。

流行りものとかメジャータイトルは、企業メディアや大手レビューがしてるのでそっちに丸投げ。

fpsは10分プレイした平均と、全体を通して低い値である1% Lowを計測。

RSRによるアップスケーリングの計測は、全て1080pを1440pに拡大しています。

タイトル推奨スペック動作
東方紅輝心・Core i5 2300/FX-6350
・GTX 950/R7 360
軽い
原神・Core i7 4770
・GTX 1060(6GB)
軽め
Project Nimbus
Complete Edition
・3.4GHz以上の4コア
・GTX 1060(6GB)/RX 580
普通(の筈だった)
Monster Hunter: World・Core i3 8350/Ryzen 5 1500X
・GTX 1060(3GB)/RX 570(4GB)
重め
NieR:Automata・Core i5 4670/A10-7850K
・GTX 980/R9 380X
重め

東方紅輝心

推奨スペックがGTX 950と軽めな同人タイトル「東方紅輝心」では、FHDでは弾幕時以外は上限の60fps張り付きでオーバースペック。

ゲーム側の最大解像度である2560×1440でも平均59fpsで動作し、RSRを使うことでUWQHD(3440×1440)60fpsにてプレイ可能でした。

原神

推奨はGTX 1060ながらPCでは軽めに分類される人気タイトル「原神」では、FHD・UWQHD(3440×1440)共に60fps張り付きで終始快適でした。

このクラスの負荷なら、RX 6600 XTでもWQHDかつ高画質で60fpsを余裕で狙えます。

Project Nimbus: Complete Edition

SwitchやPS4でも配信されている海外産のハイスピード・メカアクションゲーム「Project Nimbus」。

専用機とはいえARM SoCのSwitchやJaguarカスタムのPS4ですら動くので、比較的普通動作なゲームタイトルとして選んだつもりでしたが…ウルトラ画質が重すぎるのか、推奨スペックの倍以上の性能はあるRX 6600 XTですらFHDで平均55fps、WQHDでは平均29fpsでした。

選定したタイトルの中で何故か一番動作が重く、いくらUWQHD(3440×1440)とはいえRSRを使用した場合ですら平均60fpsに届かないのでウルトラ画質はRX 6600 XTには厳しい様子。

Monster Hunter: World

比較的重めな部類のモンハンワールドでは、FHDなら最高設定(テクスチャパックなし)でも平均88、1% Lowも69fpsと余裕の動作。

UWQHD(3440×1440)では流石に平均43fpsにまで落ち込みます。解像度が上がると息切れしやすいRX 6600 XTの特性がモロに出た形ですが、FSRを有効化してあげるとUWQHDでも平均63fpsまで改善。

このクラスのゲームであれば、FSRやRSRを使用することで1440pで遊べるくらいの性能は有しています。

流石はRX 5700 XT同等のGPUと言ったところ。

NieR:Automata

PC版が重くマシンパワーでカバーすること前提だった「NieR:Automata」はアップデートで改善。

FHDならHIGH設定でもRX 6600 XTはゲーム上限の60fpsで動作、1% Lowも50fpsと落ち込み具合も悪くないです。UWQHDの傾向はモンハンワールドと同じで解像度が上がると息切れしてfpsが落ち込みます。

WQHD以上かつ重めのゲームで60fpsをRX 6600 XTで狙うならFSR・RSRでカバーする必要がありますね。

温度と消費電力

アイドル時とFF14ベンチマーク(最高品質:FHD)実行中の”RX 6600 XT単体”の温度と消費電力を「HWiNFO」からソフトウェア読みで測定します。(ソフト読みなのであくまで参考値)

ファン回転数はAMD Software側で30%に絞ってます。

アイドル時
FF14実行時

ワットパフォーマンスや扱いやすさに定評のあるRX 6600 XTですが、港で言われている通りです。

アイドル時が低いのは当然として、FF14ベンチ実行時でも最大で130W程度しか電力を消費せず、昨今の電気バカ食いと化したミドルハイ~ハイエンドGPUからすれば可愛いものです。

消費電力が少ない分、発熱も少なくファン回転数が最大30%でも65℃に収まっていてASRock独自のファンも影響してか大人しい温度です。

私のメインPCのケースは、デザイン全振り「JONSBO U4」なので港でも言われている通り、窒息気味のケースなのですが…それでも65℃前後で収まっていて、その分ファン回転数を落とせるのでかなり扱いやすいです。

RX 6600 XT CLDが低負荷時はセミファンレス仕様なおかげでファンの音がせず、高負荷時でも回転数を25%くらいに絞っても発熱が少なく冷却が間に合うので、静音性がかなり優秀で良いです。

ただ、流石に優秀とはいえ回転数が35%以上だと、1900RPMくらいで回転するのでうるさくなりますが…。

まとめ:実質低電力化したRX 5700 XTとも言える?

港を含めて「RX 5700 XT、RTX 2070に近い性能」と評価されてたのと、オリファンモデルでは最安に近かったのでASRockの「Radeon RX 6600 XT Challenger D 8GB OC」を選択しましたが…。

今の所は選んで正解でした。

ミドルレンジの理想形じゃないですかね、近年のミドルクラスでは扱いやすさやパフォーマンスはかなりレベルが高いと思います。

あまり高解像度向けのGPUではありませんが、それでもRX 5700 XTやRTX 2070に匹敵する性能があるので多くを求めなければWQHDでも行けますし、大体は事足りるGPUじゃないでしょうか。

最悪でもRDNA2世代のGPUなので、NVIDIA Image Scalingに相当するRSR(Radeon Super Resolution)を使えばカバーできますし。

換装元がGTX 1660 Super(≒GTX 1070並)なので、RX 6600 XTのパフォーマンスは目論見通りで不満はなし、ワットパフォーマンスや温度の扱いやすさ、動作時の騒音が改善したのでかなり気に入りました。

RX 6600 XTは実質的に低電力化したRX 5700 XTとも言えるGPUなので、Zen 2世代のCPUでもボトルネック”には”ならないですし、Zen 2+B450でもSAM(Smart Access Memory)が有効可能でバランス的にも悪くない組み合わせだと思います。

私と同じようにZen 2世代で組み直したユーザーが、当時RX 570やGTX 1660辺りで価格を抑えたり流用していて、GPUに不満が出始めた場合の換装にもオススメです。

まぁ…

値段がそれなりで、手を出しやすいならっていう前提ですが。

私はGTX 1660 Superを生贄に、実質4万円で買ったので納得はしてます。

差額分なしで5~6万円ならもう少し待って円安とGPUの入手性、価格が落ち着いてからで良いです。

何より今年の後半にはRDNA3やintel GPU、Zen 4やRaptor Lakeなど、次世代が控えてますから。

PCパーツ単体のレビューが久しぶり&グラボ記事を書いたのが初めてなので、ガバガバで歪み(しか)ねぇ内容になってしまったのは許して…

良い点

  • FHDならRTX 3060より10%弱高速、RX 5700 XTやRTX 2070に匹敵する性能
  • FHDなら最高画質や高リフレッシュレート、WQHDでも60fps前後は狙える
  • RDNA2世代のGPUなのでアップスケーラーRSR対応
  • 実質低電力化したRX 5700 XT=Zen 2辺りでもボトルネック”には”ならない
  • TBP(Total Board Power)160W、補助電源8Pin1本で済む優秀なワットパフォーマンス
  • 消費電力が少なく、アスロック独自の冷却機構も相まって発熱も大人しい
  • 電力・温度共にミドルレンジらしい扱いやすさ
  • 低負荷時のセミファンレス対応
  • 派手過ぎず、光らない、シンプルなボードデザイン
  • 2スロット幅でデカすぎず、大体のケースに対応
  • バックプレートがプラスチックではなくメタル(アルミ?)
  • DisplayPort 1.4a×3、HDMI 2.1×1でスタンダードな出力&保護キャップ付き
  • ASRockなので代理店がメルコホール系のCFD販売
  • RX 6600 XTのオリジナルモデルでは最安に近い価格

欠点

  • RTX 3060より手の出しやすい価格だが、依然として5万円超えで高い
  • 4Kなど高解像度やゲームタイトルではRTX 3060に追いつかれるし劣る場合もアリ
  • 足りるけど…PCIeの帯域が×8
  • Infinity Cacheで補う前提&コストカットのメモリバス128bit
  • レイトレーシングは諦める前提の性能
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