「WeTest PerfDog」のメディアインフルエンサー向け、パートナーシップ協力が通ったので改めてツールの紹介と導入までのやり取りを記事に残します。
「WeTest PerfDog」について
前にトライアル版で、「WeTest PerfDog」に「scrcpy(scrsndcpy)」は何処まで迫れるか…で書いてはいますが、改めて紹介します。
「WeTest PerfDog」は、中国の世界的にも有名な多国籍企業「Tencent」が提供するWeTestサービスの1つです。
Android・iOSデバイスで、ゲーム中のfpsやCPU・GPU使用率、バッテリー消費量などの重要な項目を計測・分析できるツールです。
計測にroot化やJailbreakは不要、PerfDog側はfpsに対して影響は0%、データの正確性及び精度が保証されると謳っており、XiaomiやLenovo、miHoYoなどの大手企業や開発者も利用するプロ向けのツールです。
一応、AOSPベースのAndroid OSでは、scrcpy+MSI AfterburnerでもAndroid 12のダッシュボードやGLTools並、平均値では「WeTest PerfDog」に匹敵する値を計測可能ですが…
ColorOSやMIUIなどの独自UIでは相性が悪いのか、ミラーリング画面の動作が所々引っかかり、fps値が実機と乖離することがあります。

scrcpy+MSI Afterburnerでは、あくまで相対的な計測値でしかなく、大凡の参考値にしかなりません。
平均値では「WeTest PerfDog」に匹敵する値を計測可能なので、使えなくはないですが…やはり絶対的な精度は劣ります。
「WeTest PerfDog」では専用のアプリ・ソフトを使うこともあり、実機から値が乖離せず比較的正しい値を計測できます。ソフトウェアの使い勝手も良好です。

50分間(30分の無料トライアル+SMS認証で20分クォーター追加)は、誰でも無料で「WeTest PerfDog」をトライアル可能です。
営利目的の場合は従量課金制で年間の契約が必要(おま国な日本からは支払い不可?)、営利以外のメディアインフルエンサー(特にYouTuber)であれば無料版へ申し込めます。
パートナーシップ協力(無料版)導入までのやり取り
ダメ元で問い合わせてみる
幾ら「Tencent」が提供しているサービスとはいっても、日本向けに展開しているわけではなく、かといって世界的にもめちゃくちゃ有名でレビュアーに引っ張りだこ…ってわけでもないです。
競合の「GameBench」ですら、テストに使用されている情報を目にする機会が少なく、「WeTest PerfDog」も情報はかなり少ないです。
公式ページからpefdog-net@の方にメールしても返信がなく、Wetestのお問い合わせから連絡したらようやく無料版の案内”を”貰えました。(もちろん翻訳してるだけで、やり取りは英語です)

案内というか「必要事項を入れて送れ」って、専用フォームみたいなページのURLが送付されてくるだけですが…。

認証情報やサポート資料も必要になり、あくまで英語での審査・ライセンス取得の可能性ってだけで、必ず通るわけではなさそうです。
フォームには「3営業日以内に申請の処理を終了~」って書いてありますが、どのくらいで返答があるのか?とか、もっと具体的な目安になりそうなことは書いてないし、ググっても日本語の情報はAndroPlusさんしか出してないので「大体はこういう具合だろう」って、やり取りする感じです。
約一週間後に担当者から返答が”来た”
トライアル版で、「WeTest PerfDog」に「scrcpy(scrsndcpy)」は何処まで迫れるか…の記事を書いた辺り(6/13前後)に問い合わせてから、大体一週間後くらいに担当者さんからメールが来ました。
以下、翻訳した原文ママ。

私のブログ「りとらいん」を審査(レビュー?)した、協力(クォーターの提供)するとのこと。
で、その内容をざっくり今北紙業にすると
- パートナーシップ協力(無料版)は年間で25時間(1500分)のクォーター(追加で再申請は可)
- メディア(YouTubeとかブログ)で「WeTest PerfDog」を宣伝(必須じゃないけど、2つ以上の媒体だと嬉しいな)
- 作成コンテンツは不問、PerfDogじゃなくてWeTest PerfDogって呼んでくれ、宣伝リンクとかは用意する
- 分からんことあったら問い合わせてくれ、理解して納得したら返信くれ、垢にクォーター付与すっから
です。(ガバガバ理解)
私が想像していたより、結構フランクな感じで「中国企業がー」とか「英語だから」といって難しく考える必要はなさそうな印象を受けました。
とりあえず内容は理解したのでガバガバ翻訳英語で返信。
「クソザコイングリッシュですまん」とも送りました。

で、

「ハーイ,ヒロ」
「良い一日!(???)クォータパッケージが割り当てられました。すぐにアカウントを確認してください。問題があれば教えてください。」
~省略~
「とにかく、PerfDogが便利なツールとしてあなたのブログに貢献できることを嬉しく思います。近い将来、ブログ投稿の更新を楽しみにしています。どうもありがとう!」デミドン
って、返信がありました。(PerfDogじゃなくてWeTest PerfDogって呼んでくれって言ってたのに、どうして…どうして…)
web上でアカウントを確認してみたら、トライアル版の残り6分にパートナーシップのクォーター1500分が追加されていました。メールのやり取りで案内された内容通りです。

私の場合はこういう具合でしたが、如何せん情報が少なすぎるので…ケース・バイ・ケースで、対応などが変わるかもしれません。
使ってみる
使ってみると言いつつ、既に多用してます。
Windows・MacOS向けのクライアント(インストーラー不要のポータブル式)を起動し、計測したいデバイスを有線・無線のどちらかで接続。

接続が確立したら、計測したいアプリ(ゲーム)をリストから選択するだけです。

動的にfpsを計測可能なので、120Hz駆動のデバイスで対応タイトルを60fps以上で動作させても、問題なくパフォーマンスをモニタリングできます。
計測結果を取得したら、範囲を選択することで選択範囲のfpsや温度の平均値などを出してくれます。
計測対象(fpsや温度、ネットワークなど)は、任意の項目に変更もできます。

ロード画面など、fpsが低下し平均値を求める場合に邪魔になる部分を除外して、プレイ中の値のみ選択して求めることも勿論可能です。

得られたデータ範囲を選択し、データ上で右クリックすることでデータのセーブとアップロードもできます。

アップロードしたデータは「WeTest PerfDog」のweb(クラウド)から管理(閲覧・編集)できます。

計測したデータを追加しケース毎の比較も可能で、デバイス同士のパフォーマンスをより詳細に比較することもできます。

Snapdragon 845 vs 855 vs 865みたいな比較も可能ですし、1端末の複数ゲームで測定したデータ同士を比較して端末の特性を求めたり、同じSoC同士の比較なんかもできるので夢が広がりんぐです。
ソフトウェアの使い勝手はかなり良いです。流石に大企業の「Tencent」が提供しているサービスなだけはあります。
あとがき
スマホのレビュー・ゲーム検証は、fpsも計測せずに体感ベースで「快適にプレイできました!」だの「カクつきはありませんでした」などのクソみたいな情報が大半で形骸化してます。
「WeTest PerfDog」を利用するユーザーが増えて、客観的かつ具体的なデータに基づいたレビューが増えれば良いなって思います。
お世辞とか忖度抜きに優秀すぎるツールなので、敷居は少し高めですが…一度で良いから試してみて欲しいツールです。
今後は「WeTest PerfDog」等のfps計測ツールを使わないレビュアーは次第に淘汰されて必須になるでしょうし。
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