MIUIが嫌いなので、Xiaomi Mi 11iにカスタムROM(Pixel Experience)の導入を試みましたが…案の定、私は阿呆なので失敗し文鎮化しかけたのでGSI焼きに逃げることにしました。
間に合わせでGoogleが出しているAndroid 13(β)のGSIを焼いたので、記録として記事に残します。
使ったもの
ダウンロードリンク
【Google GSI】
【Xiaomi Mi 11i(Redmi K40 Pro+)用のTWRP】
【Magisk】
Android 13(GIS)を導入
ファイルを解凍
ダウンロードしたGIS等が入っているzipファイルを任意の場所に解凍しておきます。

Fastboot”D”モードを起動させる
adbコマンド「adb reboot bootloader」 or 電源キー+ボリュームキー下を同時押しでFastbootモードで起動します。

USBデバックで接続し、以下のコマンドを入力してFastboot”D”モードを起動させます。
fastboot reboot fastboot

青文字でFASTBOOTDが表示されていればOKです。

パーティションを綺麗にする
fastbootコマンドで内部を綺麗にしておきます。
fastboot erase system
fastboot -w

vbmetaを焼く
先程解凍したファイル内にあるvbmeta.imgを焼きます。
fastboot flash vbmeta
fastboot –disable-verity –disable-verification flash vbmeta
コマンドはどっちでも構いません。「vbmeta、半角スペース」の後ろにvbmeta.imgのファイルをコマンドにぶち込みます。(ドラッグアンドドロップ)

「Finished. Total time: 〇〇s~」と表示されていれば焼けてます。
systemを焼く
Android OSのGSIイメージを焼きます。
vbmetaと同じフォルダ内にあったsystem.imgを以下のコマンドで入れます。半角入れるのも同じです。
fastboot flash system

「Finished. Total time: 〇〇s~」と表示されていれば、無事に焼けているのでコマンド「fastboot reboot」で再起動させます。(fastboot reboot recoveryでも◯)

リカバリーモードから一度初期化する
再起動するとリカバリーモードが自動的に起動する(非reboot recoveryの場合でも)ので、リカバリーから一度初期化します。


システムへ再起動すると焼いたAndroid 13のGSIが起動し、Androidロゴが表示されます。


Android 13(GSI)を使ってみる
AOSPそのまま、正しく「Stock Android」
Googleが出している評価用のGSIなので、何のカスタマイズもされていない状態の正しく「Stock Android」であり、AOSP(Android Open Source Project)そのままです。


MIUIみたいに設定がゴチャゴチャしてるとかも勿論ないです。


自称ガジェット好きのYouTuberやレビュアーなどが”ピュアアンドロイド”として紹介する、なんちゃって”ピュアアンドロイド”のMotorolaやPixel、AQUOSシリーズやXperiaなどとは毛色が違います。
あくまでAOSPベースのUIで結局一部がカスタムされているアレらは、似て非なるものだと感じました。
入れてみたら分かりますが、Googleが開発・設計しているPixel系統ですら(余計なプリインアプリが)所々汚いと思うくらいにクリーンでスッキリしてます。
AOSPベースのUIは、Pixel 3・6やmoto e7 power、Rakuten Handなどを触ってきましたが、完全なAOSPそのままのStock Androidを触るのは初めてで、このくらいスッキリしている方が好みです。
(PixelがAOSPに限りなく近いとか言ってたのがちょっと恥ずかしい)
AOSPそのまま・β版GSIなので機能はショボい
汎用のGSIなので、私がXiaomi Mi 11iに焼いた限りではリフレッシュレートの設定項目はナシ。(60Hz固定)
ディスプレイのカラー変更も選択肢がないので不可、Android 12以降の目玉機能である壁紙に合わせて色を反映できる「Material You」もナシ。



デフォルトのアプリは必要最低限、AOSPキーボードなので使い勝手を求めるならアプリの追加が必要です。
指紋認証は可能ですが、AOSPなので顔認証は対応せず。



AOSPカメラは、撮影する”だけ”しかできない控えめに言って「不要な存在」なので…GCamなどが必須です。



あとキャプチャ上では画面表示に問題ないですが、実機だとディスプレイの左上部分の時計表示が上手く行ってません。

加えて音声周りで古めのアプリ(多分API関係)だと、音声がファミコンみたいなbit音源化したり音割れします。
評価用なので最低限動くけど、ドライバー関係がガバガバなのかもです。β版なのでしょうがないです。
Android 12から大きな変更点は少ない
評価用のβ版なので、正式リリース版とは差異があると思いますが…Android 12から大きく変わった所はほぼないです。
港で言われている通り、アプリ毎に通知の許可(ON・OFF)が必須になったことと、バックグラウンドで実行しているアプリを通知バーから停止可能になったくらいです。(あと地味に電源と設定の位置変更)



あと、Android 12Lで導入されたタブレット向けのドッグ的なものも続投されていて、開発者向けオプションから最小幅を600dpくらいにすると、スマホでもタブレットモード的な何かになりドッグが現れます。


まぁ…別にスマホには必要だと微塵も思いませんし、知っていた所で使い所さんが分かりません。
ググれば細かい部分での変更内容を確認できますが…正直どれもパッとしない、だからなんだって機能ばかり。
メディアコントロールの配置が綺麗になろうが、スクリーンセーバーの種類が増えようが変更すべき部分はソコじゃないと思うんですけど()。


Wi-Fiとモバイルデータ通信の分離化、他社UIやカスタムROM・GSIで可能なのだから、できないとは言いませんよね…。
パフォーマンスは大きく低下
最適化されてないのとクロックが上がっていないのか、パフォーマンスは大きく低下しました。
Xiaomi Mi 11iはSnapdragon 888なので、低い場合でもGeekbenchだとシングルコアスコア1100くらいは出るのですが…835、OpenCL・VulkanAPIでも3400・3200…と、Snapdragon 865並の性能です…。



Antutu V9.2.1だと更に酷く、30℃前半から計測しても60~65万点台でした…。(大体7~8割程度の性能)
855 Plus(860)~865程度で、888の片鱗は微塵もないです。MIUI 13かつパフォーマンスモードならしっかり80万点出ますが…最適化されていない状態で7~8割も性能が出てたらマシな方ですかね。



その代わり発熱も控えめです。
5℃前後の発熱、電力消費も3%前後なので、888を865(870)相当で動かしたらそこそこ効率は悪くないのかもです。
865と888はアーキテクチャ、コアこそ違えどCPUの周波数は全く同じで、手持ちの865(Axon 10 Pro 5G)より少ない消費電力で同じくらいの性能が出ているので…Samsungとはいえ5nmに微細化された恩恵は密度やトランジスタ数の増加以外にもあったはずです。本来なら。


もしかして、Qualcommの設計に問題があって発熱しやすいだけで、調整さえしっかりしていたら888は悪くないSoCだった可能性が微レ存…?。
(まぁ…素人が噛じった程度の知識で考えようが、8+ Gen 1が出ている状況で今更たらればを考えても意味はないですが)
MIUIと異なる制御のOSかつ865相当でも原神は…
気になっていたので、ガバガバ測定ですが原神も動かしてみました。
scrcpy+MSI Afterburner読みで平均36fps、System Monitor Float読みでバッテリー最高温度43℃でした。
Cortex-A55は最大クロックの1.8GHzに張り付いてますが、A78とX1のクロックが全然上がってません。
A78 3基は大体1.08GHz~1.21GHz前後、最重要のX1は良くて1.08GHz、殆どの場合844MHz動作でした…。

後半の温度が高い場合でも、MIUIと違い高fpsが出る場合もありますが…クロックは上がってないです。
多分GPUクロックも低い値で、恐らくAntutuやGeekbenchのスコアそのまま860~865と同等性能な分しか出ていないんじゃないかと。(逆にクロックは低いが860~クラスなので一応50fps以上出る場合もある)

Snapdragon 888本来の性能が出ていない分、発熱も上昇しにくいのはベンチと同じ傾向です。
「WeTest PerfDog」を用いてMIUI 13(Android 12)で実動作を計測したときには、全体での平均37.5fps、バッテリー温度平均43.7℃だったので、MIUIと似たような結果です。

この結果で色々と見えてくる部分があります。
- MIUIのスロットリング制御やゲームターボなどの影響下でないにも関わらず、動作は何故かMIUIに近い
- 最適化されていない&Android 13(β)とはいえ、860~865相当でも平均36fps
- クロック周波数が低い場合でも860~クラスなので一応50fps以上出る場合もある
- 周波数が低いので発熱も控えめだが、何故か45℃以下でもクロックは上がらない
- クロックが上がらないのではなく抑えられている?(Android 13側が制御している訳ではなさそうな…)
- GSIを焼いてソフトウェア制御を変えても改善の傾向は無し
- これらを踏まえると…≒MIUIの制御が原因でゲーム性能が低かったと思うのは違う可能性大
他のROM・GSIも焼いてみないと結論は出ないですが、最適化云々ならMi 11 Liteの様にもっとfpsが低下してカクつくはずです。
Android 13でβ版とはいえ、Adrenoのドライバーは当たっていて860~865と同等性能なので、一応でも動いたとも見れますが…。
「Device Info」上では、Adreno 660なのに840MHzではなく608MHzであり、ベンチなどでもプロセッサーネームがSnapdragonではなくXiaomi Mi 11i(Redmi K40 Pro+)のコードネーム「Haydn」であるのも何か胡散臭いです。
通常のSnapdragon 888ではなく、Xiaomiが意図的に低クロックにしたものをベンチ結果上だけブーストして888同等にしているのか、それともデバイスのファームウェア or SoCそのものに手が加えられているのか…。
何にせよ、Xiaomi Mi 11iをMIUIでレビューしたときにはMIUIの制御が原因でゲーム性能が低かったと考えていましたが、MIUIの制御下から離れているシンプルなAOSPのAndroid OSでこの具合は、どうにも別の部分に原因があると考える他なさそうです。
Android 13にMagiskを導入(root化)
boot.imgを予めパッチしておいてフラッシュすれば、GSI導入時点でroot化できますが、パッチしてなかったのでMagiskでsystem.imgを弄ろうとしたらエラーを吐かれました。(多分、何かを私が間違えてる)

しょうがないので、TWRPからMagiskのzipファイルをインストールする方法でroot化しました。
TWRPからだと内部ストレージが見えないので、予めUSBメモリ等にMagiskのzipファイルを書き込んでからデバイスをFastbootモードで起動。


Xiaomi Mi 11i(Redmi K40 Pro+)用のTWRPをコマンドから仮起動。

TWRPが起動したらInstallを選択し、Magiskのzipファイルを書き込んだUSBメモリ等をストレージから選択。


Magiskのzipファイルを選択し、zipのインストールを実行。ログがドバーッします(語彙力無)。
「…完了」と表示されていればOKです。TWRPからシステムへ再起動させます。


Androidを起動しアプリ一覧からMagiskを探します。
タップすると「フルバージョンをインストールして」と表示されるので、Magiskアプリを更新し、Magiskを起動してセットアップを完了させるために再起動。



再起動後、Magiskの導入が完了します。あとはモジュールを入れたり、スーパーユーザー権限(root)が必要なアプリで煮るなり焼くなり。

やり方は、前にPixel 3をCalyxOSからStockROMに戻したときとほぼ同じで慣れてたので、簡単でした。
あとがき
結構いじって1日使ってみましたが、普通に”使うだけ”なら最低限動くのでAndroid 13(β)のGSIでも使えはするなーって思いましたが…まぁそれだけです。


Xiaomi Mi 11iは120Hz(90Hz)にも対応していて888機なので、機能を有効化可能な他のGSI焼きます。
一時的に仮で使う用に焼いたので、常用するつもりは最初からなかったのです。
まぁ…MIUIの制御が原因でゲーム性能が低かった訳ではない可能性が浮上したのは想定外過ぎますが…。
どうでも良い話ですが、本当にAOSPそのままの「Stock Android」の体験をする日が来るとは思ってなかったので、何処か懐かしさを感じました。
7~8年前、私がガキンチョだった頃、家にネット回線が必要になりズボラで機械に疎い父がYahoo! BB契約でタブレット実質0円&利用キャリアがやわらか銀行っていう理由で契約して、おこぼれに預かって初めて私が触ったAndroid機が「TOSHIBA A204YB Yahoo!BB専用モデル」なのですが…。
四角いアプリアイコン、検索とだけ表示された検索バーが妙にAndroid 4.4っぽくて、昔のAndroidのホーム画面(ランチャー)ってこんな感じだったなぁ…と。
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