Pixel Experience Plus(GSI)をXiaomi Mi 11iに導入する

Android

ROM焼きは盛大に失敗しましたが…GSIでPixel Experienceを入れないとは言ってないので、入れました。

Pixel Experience Plus(GSI)について

カスタムROMでは非常に有名な「Pixel Experience」のUNOFFICIAL(非公式)GSIです。

Pixel Experience(ガバ直訳:Pixel体験)とあるように、GoogleのPixelシリーズに搭載されているAOSPベースのAndroid OSっぽい(というかほぼ”ソレ”)カスタムROMで、Pixelのようにシンプルで軽快。

Pixel Experience Plusでは、無印版(AOSP)で痒い所に手が届かない部分を補える設定・項目が追加されてます。(無印版を使ったことないので、ググった範囲でしかわかんない部分もあります)

雑な言い方をすれば、カスタムROM・GSIが焼けるデバイスのOS部分をPixelもどきにするって感じです。

ダウンロードリンク

【PE+ GSI】

Pixel Experience Plus(GSI)を導入

必要なファイルを解凍・抽出

ダウンロードしたimg.xzファイルを7z等で解凍、出てきたフォルダ内にある.imgファイルを任意の場所に保存しておきます。

今回はXiaomi Mi 11i(Redmi K40 Pro+)にGSIを焼くので、純正のMIUIROMもダウンロードして必要になるvbmeta.imgを抽出しておきます。(既にvbmeta.imgがある場合は不要)

.imgとvbmeta.imgしか使わないので、任意の適当な分かりやすいフォルダに移動しておきます。

Fastboot”D”モードを起動

adbコマンド「adb reboot bootloader」 or 電源キー+ボリュームキー下を同時押しでFastbootモードで起動します。

adb環境のPCとUSBデバックで接続し、以下のコマンドを入力してFastboot”D”モードを起動させます。

fastboot reboot fastboot

青文字でFASTBOOTDが表示されていればOKです。

パーティションを綺麗にする

fastbootコマンドで内部を綺麗にしておきます。

fastboot erase system

fastboot -w

vbmetaを焼く

分かりやすいフォルダに移動したvbmeta.imgを焼きます。

fastboot –disable-verity –disable-verification flash vbmeta

「vbmeta、半角スペース」の後ろにvbmeta.imgのファイルをコマンドにぶち込みます。(ドラッグアンドドロップ)

「Finished. Total time: 〇〇s~」と表示されていれば焼けてます。

systemを焼く

Pixel Experience PlusのGSIイメージを焼きます。

フォルダに移動した.imgを以下のコマンドで入れます。半角スペースを間に入れるのも同じです。

fastboot flash system

「Finished. Total time: 〇〇s~」と表示されていれば、無事に焼けているのでコマンド「fastboot reboot」で再起動させます。(fastboot reboot recoveryでも◯)

リカバリーモードから一度初期化

GSIを焼いた場合はトラブル回避に初期化するので、リカバリーを起動して一度初期化します。

システムへ再起動すると焼いたPixel Experience PlusのGSIが起動、Pixelシリーズでお馴染みの「Welcome to your Pixel」が表示されます。

Pixel Experience Plus(GSI)を使ってみる

Pixelと瓜二つ、再現度の高いシンプルなUI

Pixelを再現したPixel ExperienceのGSIなので、プリインストールアプリから設定周りまで、基本的な部分はAOSPベースのシンプルな「Pixelと同じUI」です。

基本的な使い勝手はPixelやAOSP系のAndroidと殆ど同じになります。それ以上でも以下でもないです。

初期ランチャーは微妙な使い勝手のPixel Launcherです。

勿論、どっかのクソOSと違ってサードパーティ製のランチャーで、ジェスチャー操作を”基本的には”ONにできなかったりすることもないので快適です。

まさか、SamsungやAppleからシェア1位の座を奪ったこともある大企業ご自慢のOSが、MIUI(とPOCO)ランチャー以外ではジェスチャーを有効化できないなんて…そんなわけないですよねー()。今更FNGを設定する気もないし。

AOSPで感じた物足りなさを補える

今回はPlus版のGSIなので、色々とAOSP系のAndroid OSで感じた物足りなさを補える項目が追加されてます。

まず、Android 12から改悪されたWi-Fiとモバイルデータのタイルも分離されていて、ColorOSやMIUIなどカスタムUIの様にAndroid 12以前の1タップでON/OFF切り替えが可能です。

「Phh Treble Settings」では、デバイスに合わせて特定の機能を変更・有効/無効化できます。

Xiaomi Mi 11iのディスプレイは、ハード側は60.90.120Hzに対応していますが、MIUIでは60.120Hzしか選択できません。

が、Pixel Experience PlusのGSIでは「Misc features」から、Force FPSにある選択肢を指定することで60.90.120Hzから選択して駆動させることが可能です。

VoLTEも有効化可能で「IMS features」の項目から順に適応し、imsアプリをapkからインストール、チェックリストにチェックを入れて、SIMの設定からVoLTEスイッチを切り替えることでLTE+状態にできます。

デバイス側が対応していればAOSPのGSIでありながら顔認証と指紋認証の両方を有効化できます。

元がXiaomi Mi 11iなのですこぶる快適です。

ナビゲーションやボタン操作も項目が追加されていて、電源長押し時の再起動ではシステム以外にも、リカバリーやブートローダーへ再起動が可能。

ロック画面からダブルタップで起動や、コントロールパネルの通知領域をダブルタップすることでスリープさせることもできます。

ディスプレイの設定もただのAOSPよりは豊富で、三原色調整やカラーモードの変更もできます。

Android 12ベースのカスタマイズされたGSIなので、この前試したAndroid 13のGSIとは違い、ダブルライン時計の無効化や壁紙に合わせた「Material You」も勿論使えます。

GSIだとSoCが最大クロックにならない?

前に試したAndroid 13のGSIでは、パフォーマンスが著しく低下していたので、原因が何なのか調べてました。

他のデバイスとかSoCはどうなのか分かりませんが、取り敢えず私のXiaomi Mi 11iではGSI環境だとSoCのクロック周波数に問題が生じていて、Snapdragon 888本来の性能を出せないみたいです。

rootが必要ですが、CPUとGPUの周波数を弄ったり確認できる「3C CPU Manager」で確認したら、Cortex-A55(1.8GHz×4)は最大クロックでも動作するみたいですが…。

Cortex-A78(2.42GHz×3)は2.11GHz、Cortex-X1(2.84GHz×1)は2.15GHzより上のクロックで動作してくれないようで、最大周波数にしようとすると処理に失敗して項目がリセットされます。

GPUも同じで、MIUIの状態でXiaomi Mi 11iをレビューしたときにも感じていたのですが、嫌な予感が的中していたようで、Adreno 660(840MHz)として認識されていますが、実際には608MHzまででしかGSIでは動作しないみたいです。

なので、Android 13のGSIでベンチマークした時と同様に、Snapdragon 865~くらいの性能しか出ないです。

MIUIだと80万点なのは、多分MIUIからパフォーマンスモードを有効化するとクロック周波数の制限が解除されるんじゃないかと踏んでます。

KonaBessから定格の範囲内でGPUの周波数テーブルだけ弄って、Adreno 660を758MHzで動作させてベンチマークを走らせてみると、GPUスコアはSnapdragon 888の平均値に近い30万点台になったので、GSI環境で本来の性能に近づけるにはクロック周波数を弄らないと駄目かも。

とはいえ、865相当の性能が出ているなら基本的に困る場面はなさそうですが。

Magiskを導入(root化)

いつもの、TWRPからMagiskのzipファイルをインストールする方法でroot権限を取得。

特定のデバイスでしか対応しない代わりに最適化されているカスタムROMと違い、汎用のGSIではMagiskとroot権限は必須に近いので、導入しておくに越したことはないです。

あとがき

GSIかつAOSPなので完璧ではないですが、Plus版は痒い所に手が届く設定・機能が追加されているので、かなり使い勝手が良かったです。

クロック周波数が上がらない問題も、Magiskとroot権限を駆使すれば多少マシになるので、正直「Mi 11iをPixel Experience Plus(GSI)のまま使いたい」って思って来てます。

まぁ…もう少し、他のGSIやカスタムROMを試してみてしっくり来るのがなかったら、Pixel Experience Plus(GSI)をまた焼き直そうと思います。

とりあえずGSIを焼いて使ってみたい場合には、AOSPで癖がないし、機能も必要な部分は揃ってるのでかなりおすすめできるGSIでした。

あと、そのまんまPixel風のUIなので、Pixelシリーズが気になっていてOSを試してみたい場合にも、再現度が高いのでアリです。

9 件のコメント

  • 教えて下さい。
    私の持ってるXiaomi 11T ProにPixel Experienceをインストールしてみました。
    この機種はHerman Kardon監修のスピーカーで、Dolby VisionやDolby Atomos対応なのですが、サウンドは音割れが酷いし、Dolby系はまだ、動画とか見ていないので、有効かどうか分かりませんが、対応しているのでしょうか?
    それとも何か特殊なドライバーをインストールしなくてはいけないのでしょうか?
    それに、5G対応なのに、5Gの項目が出て来ないのも気になります。
    UQモバイルのSIMでAPN設定も終わっているのですが、VoLTEの項目も表示されません。
    どうしたらいいのでしょうか?
    よろしくご教授の程、お願い致します。

    • 4GとVoLTEについては記事中にも書いたように”Phh Treble Settings”内の”IMS features”を順に設定し、再起動してみて下さい。通信可能ならLTE+(VoLTE)表記になると思います。
      5Gに関してはごめんなさい…私自身、5Gに関心がなくGSI環境で試したことがないので分からないです。
      Dolby AtmosはGSIが汎用のシステムイメージなのでそのままでは有効にはならないし、設定もないハズ。Dolby系の機能はソフトウェア的なものなので、汎用のGSIではなく端末毎に調整や最適化された固有のカスタムROMで機能が移植されたり、ソフトウェア上で追加(ビルド)されている場合に使えます。
      音割れ問題は”Phh Treble Settings”内の”Misc features”などで、GSIを焼いた端末側のオーディオエフェクトを無効化すると解決するかもしれません。
      余計なお世話かもしれませんが、11T ProならそこそこカスタムROMも開発されているので…GSIではなく11T Pro向けのカスタムROMを焼いた方が幸せになれると思います。

      • ありがとうございます。
        一応、音割れに関しては改善しました。
        4G表記も対応していました。
        ただ、5Gだけは、*#*#4636*#*#で、NR/LTE/WCDMAに設定して再起動しても、実際ネットワーク設定には反映されず、優先が4Gそして3Gしか選べない状態で5Gは出てきませんでした。
        上記のコードで確認してみるも、ちゃんとNR/LTE/WCDMAにはなっているのに・・・
        難しいものですね。
        Xiaomi 11T Pro向けのカスタムROMは思ったより少ないですよ。

  • 明るさ調整がバグってるのかもしれませんね。
    Phh Treble Settings内のMisc features機能からForce alternative backlight scaleとかを有効化してみてはどうでしょうか。
    関連するか怪しいですが、リフレッシュレートや解像度はForce FPSから変更できます。
    GSIは機種を選ばない汎用イメージなので、カスタムROMのように各端末に最適化されてないです。
    なので、Phh Treble Settingsから適切な設定を適用したり、モジュールを追加しないとOSの動作がおかしくなってる場合があります。

  • 教えて下さい
    Mi 11 lite 5G日本語版にGSIをインストールしてみたいのですが、

    PixelExperience_Plus_arm64-ab-12.1-20220825-UNOFFICIAL.img
    PixelExperience_Plus_arm64-ab-lite-12.1-20220825-UNOFFICIAL.img
    PixelExperience_Plus_arm64-ab-vndlite-12.1-20220825-UNOFFICIAL.img

    3つありますが、どれを使用すればいいのでしょうか?

    教えて下さい
    よろしくお願いします。

    • ab-vndkliteかノーマル(表記無し)どちらでも良いと思います。
      vndklite版は/system改変が可能なイメージらしいです。
      私が焼いたときはvndklite版を使いました。ただ、特にsystem改変とかはしなかったです。

      • hiroさん

        返信ありがとうございました。
        vndklite版は、/system改変が出来るんですね。
        まだまだ分からない僕だから、何かあれば、質問させて頂きます。

        特にVoLTEに関して、日本ではデータ通信の右上に4Gや4G+で表記されますが、今回の記事でLTE表記になってしまうのでしょうか?
        出来ればLTE表記ででなく、4Gや4G+表記の方がいいのですが、それは出来るのでしょうか?

        教えて下さい。
        よろしくお願いします。

        • AOSPはそもそも確かVoLTE表示じゃない仕様なので、Pixel ExperienceだとLTE+表記のままのはずです。
          ”crDroid”やPixel ExperienceベースのカスタムROM”Evolution X”などには、ステータスバーのアイコンを弄れる機能があるのでAOSPでも4G表記やVoLTEアイコンをカスタムできます。
          Pixel Experienceでも使えるか試してないので、はっきりとは言えないのですが”AOSPMods”のようなモジュールなどを用いることができれば、任意の表示にできるかもしれません。

          • hiroさん
            ありがとうございます。
            Pixel Experienceでは、LTE表記になってしまうのですね。
            参考になります。

            AOSPModsのようなモジュールを入れれば、もしかしたら変更出来る可能性があるのですね。
            参考になります。

            本当にいつもありがとうございます。
            とても参考になります。

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