Android 13が正式に公開されたのでインストールするついでに、今まで後回しにしていたPixel 6のブートローダーアンロックとMagiskの導入をしたので記事に残します。
やり方としてはROM焼きとかPixel 3をroot化したときと似たような具合ですが、メモ代わりのあれらより比較的、丁寧に書きました。
目次
まえがき
手持ちのメイン機として愛用している日本版(SIMフリー)のPixel 6に、Android 13とMagiskを導入していきます。
そのうちOTAでもAndroid 13へのアップデートが降ってくると思いますが、この記事を書いている時点ではまだ配信されていないので、OSのアップデートは強制的に行います。
【必要になるもの】
- ブートローダーアンロック済みのPixel 6(記事内でアンロックします)
- OEM ロック解除&USBデバックの許可
- adb/fastboot環境のPCとUSBケーブル
- Magiskアプリのapk or 導入済みのAndroidデバイス(root化時のみ)
ブートローダーアンロックなしの場合、adb sideload経由でも強制的にアップデートは可能ですが…個体によっては上手く更新できないらしいのと、Magiskの導入にはアンロックが必須なのでブートローダーアンロックをおすすめします。どうせリロック可能ですし。
また、どちらの場合でもadb/fastboot環境のPCは必須になります。
Pixel 6のブートローダーをアンロックする
※ブートローダーをアンロックするとデバイスは初期化されます。
事前にPixel 6の設定から開発者向けオプションを有効化し、オプション内の「OEM ロック解除」を有効化しておきます。また、USBデバックの許可をONにし、接続先のPCとのデバック接続を「常に許可」にしておきます。


デバイス(Pixel 6)とadb/fastboot環境のPCをUSBケーブルで、USBデバックモードにて接続します。
PC側でコマンドプロンプト(ターミナル)を起動し、以下のコマンドもしくは電源キーとボリュームキー下を同時に長押しでブートローダーを起動させます。
adb reboot bootloader


ブートローダーが起動したら以下のコマンドを入力して、アンロックします。
fastboot flashing unlock

コマンドを入力すると「Do not unlock the bootloader」が「Unlock the bootloader」に切り替えられるようになるので、音量キーで選択し電源キーで実行します。


ブートローダーがアンロックされているとDevice stateがunlocked表示になります。

システムへ再起動すれば、初期化された状態でPixel 6が起動します。

Android 13をWeb経由でフラッシュする
Pixel 6をブートローダー(Fastboot Mode)で起動しておきます。

Googleが公開しているFactory Imageのページを開き、”oriole” for Pixel 6の項目から13.0.0のFlashをクリックします。

Android Flashツールが起動するので「始めましょう」をクリック。

Android USBドライバーがあるかどうか聞かれますが、adb/fastboot環境が構築済みであれば大体のケースで不要なので「すでにインストールされてる」でスキップします。

adbのアクセス許可を求められるので許可。

Pixel 6と接続し、ツールに認識させてインストールするビルド内容を選択します。
初期化せずにデータを保持して更新する場合は「デバイスのワイプ」と「全てのパーティションを強制的にフラッシュ」にチェックを入れずに、ビルドのみインストールします。
私の場合はa/bフラッシュと初期化をしておきたかったのでチェックしています。(パーティションへの強制フラッシュは初期化必須)


「全てのパーティションを強制的にフラッシュ」は必須ではないですが、a/b両方にフラッシュせず、片側が12のまま間違いが起こった場合、文鎮化するらしいので両方にフラッシュさせときます。
少し調べただけだし、一般ユーザーには不要な気もしますが…念のため。
インストール開始前にライセンスの同意を求められるので承諾します。

あと、Pixel 6シリーズ全般はブートローダーに脆弱性があるらしく、Android 13更新後は12へ戻せないらしいです。(古いOSを防ぐアンチロールバックのアップデート)
これがFactoryROMのみなのか、カスタムROM系も12は駄目なのかは微妙な所。

インストールを開始すると、必要なファイルのダウンロードやフラッシュ、Pixelの操作は全てツール側で行われるので何もしないで待ちます。

5分くらいでインストールが完了し、ツール側から「プラグを抜いても安全」と表示されていればOKです。

Pixel 6を起動しビルドを確認したところ、しっかりAndroid 13になっていました。



Magiskを導入(root化)する
Magiskを導入するためにboot.imgが必要になるので、先程と同じGoogleが公開しているFactory Imageのページを開き、”oriole” for Pixel 6の項目から13.0.0のイメージを”今度はダウンロード”します。

ダウンロードしたzipファイルを解凍します。

解凍して出てきたファイルの中に「image~zip」というファイルがあるので、更にそのファイルを解凍します。

中にboot.imgがあるので、boot.imgだけ任意の場所にコピーしておきます。

Pixel 6に、GitHubからMagiskアプリのapkをダウンロードしインストールするか、既にMagisk導入済みのデバイスを使いboot.imgにパッチを当てます。
私は面倒くさかったので、Magisk導入済みのXiaomi Mi 9T Proを使いました。

先程、任意の場所にコピーしたboot.imgをMagiskアプリがインストールされたデバイスのストレージにコピーします。

Magiskを起動、インストールをタップし、パッチするファイルの選択から内部ストレージにコピーしたboot.imgを選択します。
boot.imgにパッチを適用し、Magiskアプリ側で「ALL done!」と表示されれば完了です。



パッチを適用したboot.imgは、デバイスのダウンロードフォルダ内に格納されるので、再度適用したboot.imgをPC側へ送り返します。

再びブートローダーアンロック済みのAndroid 13に更新したPixel 6を、Fastboot Modeで起動させます。

以下のコマンドを入力し、パッチを適用したboot.imgをPixel 6にフラッシュします。
fastboot flash boot 〈パッチを適用したboot.img〉

「Finished. Total time: ◯◯s」と表示されていれば、boot.imgをフラッシュできています。
そのままPixel 6をシステムへ再起動し、アプリ一覧からMagiskを探してフルバージョンに更新します。



あとはMagiskの指示に従ってセットアップを完了させれば、Magiskの導入(root化)は完了です。


モジュールを入れたり、スーパーユーザー権限(root)が必要なアプリでPixelを煮るなり焼くなり、お好きにどうぞです。
正式リリースされたAndroid 13を使ってみる
既に一度、Xiaomi Mi 11i(Redmi K40 Pro+)にAndroid 13(GSI)を導入して触っていたのと、殆どAndroid 12ベースで多少の機能追加だけなので、Android 13に目新しさは全く無いです。
逆に言えばAndroid 12からシームレスな移行が可能で、機能が変わりすぎて「Android 13!?はーつっかえ!どうしてくれんねん?」とはならないとも受け取れます。
Android 12の汚点であるWiFi&モバイルデータタイルはそのまんまなので不便。


個人的にはPixel 6を買った当初はそんなもんか程度でしたが、Android 12でもカスタムROM・GSIでは普通に分離されてるのが当たり前で、それに慣れちゃったので…後でAndroid 13に対応した「AOSPMods」か「Simple WiFi Widget」入れてどうにかします。
オフライン設定だと、おサイフケータイ関連のアプリが無くて少し焦りましたが、ネットワークに繋いだら「必須だから入れろ」ってGoogleに案内されて、普通に問題なく起動しました。
ちゃんとFeliCaクライアントも入ってますし、Pixel 6の場合は後入れ方式なのでアンインストールも任意です。



一応、しっかり動作してるか確認ついでにAnTuTu Benchmarkだけ計測しました。
Android 12で去年の11月(購入当初)に、AnTuTu Benchmark V9.2.1を計測したときはスコア698989と、約70万近いスコアが出ておりSnapdragon 870相当のパフォーマンスでしたが…。
Android 13更新直後&夏場ということもあってか、発熱が多いTensorには分が悪く、バッテリー温度35.1℃からスタートしてスコア636237と、Snapdragon 865と同等まで下がっちゃいました。
2回目の41℃スタートは酷いですね。スコア479992でSnapdragon 855以下で、Tensorは発熱によわよわです。



3C CPU Managerからクロックの動作変動を見てみたら、sched-pixelというTensor独自っぽい動きをしてます。
Performanceにすると、最大クロックの2.8GHz・2.25GHz・1.8GHzに張り付きました。


GPUはMali系のMali-G78 MP20なのが原因なのか、クロックを3C CPU Managerから変更したりできないみたいです。最大クロック化でもしてみようと思ったんですが…これじゃ面白くないですね。
あとがき


とりあえず、前々からMagiskを導入したいと思っていたメイン機のPixel 6に導入が済んだのと、次いでにAndroid 13の更新も完了したのでタイミング的にはベストで一石二鳥でした。
これでようやくカメラ音やスクショ音を無効化できる他、WiFi&モバイルデータタイルも分離化できますし、AOSPベース故に少しだけ不満のあったシステム部分をイジることができます。
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