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【レビュー】Snapdragon 8 Gen 1以上の失敗作、Tensor G3を採用しPixel 8 Proは消費者の財布を破壊する

Android

Tensor G3を搭載した「Pixel 8 Pro」を購入したのでレビューします。

既にネット上ではGoogleからプロモーションを受けた有名なメディア等の先行・ステマレビューで埋め尽くされ、カメラとAI機能にフォーカスした情報ばかりでお腹がいっぱいです。

私自身はそれらより”Tensor G3”そのものに興味があるため、この記事ではプロセッサー(SoC)やベンチマーク、ゲーム性能、電力効率といった部分にフォーカスして内容を残そうと思います。し、結構な内容になりました。

※この記事は”UD1A.230803.041”へ更新後、Magiskを導入したPixel 8 Proを用いて作成しています。

スペック・仕様

Google Pixel 8 Pro(husky)
OSAndroid 14
SoCGoogle Tensor G3(Samsung 4nm SF4※¹)
メモリ12GB(LPDDR5X)
ストレージ128/256/512GB(UFS 3.1)
ディスプレイ6.7インチ OLED
(1344×2992/1~120Hz:LTPO/Gorilla Glass Victus 2)
サイズ162.6×76.5×8.8mm
重さ213g
バッテリー5050mAh(USB PD 3.0 PPS 30W/23Wワイヤレス充電※²)
カメラ50MP(メイン)
48MP(超広角)
48MP(5倍望遠)
10.5MP(フロント)
インターフェースUSB Type-C(USB 3.2 Gen 2/10Gbps)
nanoSIM+eSIM
オーディオステレオスピーカー(アンプ:CS35L41)
接続規格Wi-Fi 7(802.11a/b/g/n/ac/ax/be:2.4/5/6GHz※³)
Bluetooth 5.3
NFC(FeliCa対応)
防水・防塵IP68
セキュリティ画面内指紋認証/顔認証
Titan M2
備考※¹旧名称”Samsung 4nm 4LPP”
※²Pixel Stand(2nd Gen)のみ23W、Qi規格の場合はたった12W
※³日本ではWi-F 6E(802.11ax)までに制限
(スペック参考元:store.google.com/gsmarena.com)

開封・内容物

10/5の正式発表後に、256GBのObsidian(約17万円)をGoogleオンラインストアで予約し、10/12発売当日に届きました。25周年記念で記念品やら色々付いてきましたが、他の媒体が触れているので割愛します。

内容物はいつも通り、どうでも良いUSB 2.0のType-Cケーブルや変換アダプターです。

25周年を記念してフラッグシップにはケースやフィルムを付ける…といったユーザーフレンドリーなことをGoogleはしないようです。くだらないプロモーションや記念品のおまけよりアクセサリーの方が有意義なのでは?

パッケージ内容
・Pixel 8 Pro
・USB Type-Aレセプタクル(メス) to Cプラグ(オス)変換アダプター
・USB Type-C to Cケーブル(USB 2.0)
・マニュアル類

外観

メイン機にする可能性があったことと、今回は白系が無かったのでObsidian(黒系)を選択しました。ボタン配置などは公式サイトで3Dモデルから確認可能かつ、散々擦られて見飽きたと思うので省きます。

Pixel 8 Proでは念願のフラットディスプレイと、指紋の目立ちにくい背面ガラスのマット加工が帰ってきました。ただし、サイドフレーム・カメラバーは下位のPixel 8と違って光沢仕上げなので指紋が付きやすく微妙です。

カメラバーにチープ感のあったPixel 6シリーズよりマシなデザインで、Pixel 7 Pro+Pixel 3の融合といった印象です。ざっくり”Pixelとしては洗練された良デザイン”で嫌いじゃないし好きでした。

Pixel 8 Proの重さは約212gでした。6.7インチ相応の重さです。

ソフト・ハードウェア

OS:Android 14

Pixel 8シリーズはPixel向けのカスタマイズがほんの少しだけ加えられた、ほぼAOSPなAndroid 14(Upside Down Cake)をプリインストールしています。頑張ってOSとセキュリティ更新を7年間対応するらしいです。

良くも悪くもAOSPで、使い勝手の悪すぎるPixel LauncherやインターネットとWi-Fiタイルの改善はされておらず、正直に言えばAndroid 12のマイナーチェンジ版である13を更にちょっと改良しただけです。

AIで壁紙を生成して利用する機能や今更なバッテリー診断機能を、多くのAndroidユーザーが求めていたとは思えません。Googleがやりたいだけで、他にクイックパネルを使いやすくするなど改善すべき部分があると思います。

ディスプレイ:フラッグシップ相応の品質

Pixel 8 ProはGoogleが”Super Actua ディスプレイ”と称した、6.7インチのフラットなOLEDディスプレイを採用しています。疑似顕微鏡で撮影できたサブピクセルはダイヤモンドピクセル配列です。

実際にかなり明るく色鮮やかで、見やすい”フラッグシップ相応”のとても良いディスプレイだと感じました。

(壁紙:https://www.pixiv.net/artworks/102964813)

1~120Hzの可変リフレッシュレート(LTPO)、アスペクト比は20:9、PPIは490でHDR10+などに対応しています。

解像度は1008×2244・1344×2992から選択可能で、カラー設定はナチュラルか自動調整しか選べません。

”Touch Sample Rate Tester”でのタッチサンプリングレート計測では、Input Event Invoke Rateで120Hz、Movement Rateで233Hz程度でした。

Pixel 8 ProのWidevine Security LevelはL1で、高画質な動画のストリーミング再生が可能です。一応…書いておくとブートローダーアンロック後もL1のままでした。

余談としてディスプレイは、港で”Samsung E7 AMOLED LTPO”だと言われています。型番っぽい”google-hk3.20800a”だと情報は出ませんでした。

Pixel 8 Proのレビューを漁る限りディスプレイの品質は概ね好評で、私自身もPixel 8 Proのハードウェアでは優れた部分だと感じているので、SamsungのE7が事実だったら嬉しいかな…と思います。

生体認証:ようやく他社”ミドルレンジ”並に

Pixel 8 Proは光学式の画面内指紋認証とインカメラを利用した顔認証に対応しています。

相変わらず光学式ですが…Pixel 6シリーズの頃から比べればかなりマシになっていて、反応と精度がストレス無く使える程度にはなりました。他メーカーの光学式を採用する”ミドルレンジ”と遜色ないです。

反面、期待していた顔認証は光量のある環境でしか使い物にならず、間接照明だけの室内では手持ちの他機種が解除できる場面でも、Pixel 8 Proは私の顔面を認識できない…といった場面が多々ありました。

充電:30WのUSB PD 3.0(PPS)対応

Pixel 8 ProはGoogle曰く、最大30WのUSB PD 3.0(PPS)とPixel Stand(2nd Gen)で23Wの充電に対応しているそうです。

3.3~21V3AのUSB PD(PPS)に対応する”UGREEN DigiNest Cube 65W”でPixel 8 Proを充電したところ、USB PD(PPS)のネゴシエーションがされて”急速充電中”が表示されました。

26V6Aまで計測可能な”YK003C(AVHzY C3)”とSHZUKU TOOLBOXを使って簡易計測したところ、Pixel 8 Proをバッテリー残量5%から95%までUSB PD 3.0(PPS)で充電した場合、約71分(1時間11分)掛かりました。

最大値はVBUS:10.3035V、IBUS:3.0803A、PBUS:29.0999Wで公称通り、USB PD 3.0(PPS)の30W対応です。

ただし、30Wになるのは瞬間的で0~50%までは27W前後、50~85%は15~20Wで調整され、90%付近だと10W前後の出力になります。一応30WのUSB PDに対応したことは評価できますが、充電速度自体は普通です。

30Wに近い27W前後で出力できるのは20分程度、40分以上も20W前後でのろのろ充電していたら、最近のトレンドである”神ジューデン”的な存在と比較して遅く感じても仕方ないです。

USB PDは規格上45~65Wは当たり前で頑張れば100Wの供給も可能、中華メーカーが自分達の都合の良いようにUSBを魔改造した独自規格でなくとも、50W前後のUSB PDに対応するスマホは存在しています。

GoogleはType-Cを推進している側なのだから、Pixel 8 Proを30W以上のUSB PDに対応させたとしても、誰も文句は言わなかったと思います。充電時間が短くて困る人なんていませんよね?

オーディオ

ハードウェア

Pixelシリーズは、DACを搭載しないアナログ式変換アダプターの使用ができません。Line-out出力をする場合はDAC内蔵のアダプターが必須です。

加えてスピーカーの出力は48000Hz(16bit)固定でハイレゾ出力はできません。PixelシリーズはAndroidの中でもかなりオーディオに明るくないスマホです。

スピーカーのアンプには、Cirrus Logic製のモバイル向けモノラル・クラスDアンプ”CS35L41”を採用しているようです。CS40L26は恐らく触覚フィードバック用だと思います。地味にハプティクスの感触が小気味良いです。

ステレオスピーカーの音質は最高峰とは言えませんが、値段なりの音ではあります(アダプティブサウンド&軽いエージング前提)。低域寄りの傾向でボーカル(中域)や高域は普通な気がします。

片側が通話兼用スピーカーを利用するタイプのステレオなので、クアッドかつ左右対称構成のスピーカーを採用するPOCO F4 GTと比べると音場が少し狭く感じます。

(試験的に、手持ちの中では音質の良いPOCO F4 GTとPixel 8 Proの簡単なサンプルを用意。)
音質端末・オーディオエフェクト
とても良いPOCO F4 GT(K50G)/Dolby Atmos
良いGoogle Pixel 8 Pro/non
Xiaomi Mi 11i(K40 Pro+)/Dolby Atmos
POCO F3(K40)/Dolby Atmos
Redmi K60 Pro/Dolby Atmos
realme x2 Pro/Dolby Atmos
普通Google Pixel 6/non
LG V60 ThinQ 5G/DTS:X&LG 3D Sound
Google Pixel 3/non
ZTE Axon 10 Pro 5G/DTS:X Ultra
悪いRedmi Note 12 Turbo(F5)/Dolby Atmos
(Android端末レビューリスト)

Bluetoothコーデック

”Bluetooth Codec Changer”で、Pixel 8 Pro側がサポートしているコーデックを確認すると、Opus/LDAC/apt X(HD)/AAC/SBCに対応していました。可もなく不可も無い対応具合だと思います。

Google Tensor G3について(スペック・仕様)

ベンチマークテストの前にPixel 8シリーズが採用した「Tensor G3」について、簡易表を用いて旧世代と見比べながら簡単に解説します。と言っても、現時点でTensor G3について分かっていることは限定的です。

尚、本来は初代Google Tensorに”G1”は付きませんが、”Tensor”を指すものが半導体には多く紛らわしいので、Snapdragon 8 Gen.1や8gen1のように正しい表記ではなく悪手ですが、”G1”表記にしています。

SoCTensor G3Tensor G2Tensor G1
プロセス
ノード
Samsung 4nm SF4Samsung 5nm SF5ESamsung 5nm SF5E
CPU9C9T8C8T8C8T
X3×1:2.91GHz
A715×4:2.37GHz
A510×4:1.7GHz
X1×2:2.85GHz
A78×2:2.35GHz
A55×4:1.8GHz
X1×2:2.8GHz
A76×2:2.25GHz
A55×4:1.8GHz
L3キャッシュ?4MB4MB
GPUMali-G715 MP7
(890MHz)
Mali-G710 MP7
(848MHz)
Mali-G78 MP20
(848MHz)
TPUedgeTPU
(Next Gen)
edgeTPU
(Janeiro)
edgeTPU
(Abrolhos)
RAMLPDDR5X
(4266.5MHz)
LPDDR5
(3200MHz)
LPDDR5
(3200MHz)
ストレージUFS 3.1UFS 3.1UFS 3.1
接続規格Wi-Fi 7(11be)
Bluetooth 5.3
Wi-Fi 6E(11ax)
Bluetooth 5.3
Wi-Fi 6E(11ax)
Bluetooth 5.2
内部コードGS301?GS201GS101
(参考元:ReaMEIZU=サン)

プロセスノードはSamsung 4nm SF4を使用し、技術検証試験のみで市場投入されなかったExynos 2300と共通のCPU構成・プロセスノードです。

Snapdragon 8 Gen 1の製造に利用されていた4nm(4LPX)は歩留まり35%前後とされ、色々と問題がありましたが、Tensor G3は歩留まり60%前後まで改善したとされる4nm(SF4)なので、どう転ぶのか気になります。

プライマリコアにArm v9のCortex-X3(2.91GHz)を1基、高性能コアにArm曰くX1相当のA715(2.37GHz)を4基、高効率コアにA510(1.7GHz)の設計を見直したリフレッシュ版を4基採用する異例の9コア構成です。

9コアはノナコアと呼ぶらしいです。間違ってもCore i9ではない。

GPUはXclipseを搭載するExynos 2300と違い、ArmのMali-G715 MP7(890MHz)を採用。リーク等ではXclipseやImmortalisだとか色々言われていましたが、結局Tensor G3のGPUはMali-G715です。

(それっぽくAviutlで作成した簡易的な構成図)

ImmortalisとMaliは色々と差異がありますが、一番はハードウェアベースのレイトレーシング対応の可否で、身近な例だとTensor G3(Mali-G715)はレイトレーシング性能をテストする3DMark”SOLAR BAY”を実行できません。

メモリはLPDDR5Xをサポートし、ストレージはUFS 3.1に対応。具体的な規模が分からないものの、ISPやTPUも強化されています。

それはともかく、カタログスペックだけで言えばTensor G3はDimensity 9200のそれに近く、迫れるとは思いませんがSnapdragon 870相当だったTensor G1、G1のCPUとGPUに小規模な改良を施し、Snapdragon 888相当だったTensor G2から性能の飛躍を期待できます。

ベンチマークテスト

Pixel 8 Pro(Tensor G3)の性能をベンチマークします。

比較対象には現行ハイエンドのSnapdragon 8 Gen 2(K60 Pro)、1世代前のSnapdragon 8 Gen 1(F4 GT)、2世代前でTensor G2に近いSnapdragon 888(Mi 11i)、Tensor(Pixel 6)を用いました。

テスト端末構成
端末Redmi K60 Pro
POCO F4 GT
Xiaomi Mi 11i
Pixel 8 Pro
Pixel 6
OSAndroid 13(Xiaomi.eu 14)
Android 13(Xiaomi.eu 14)
Android 13(crDroid v9.9)
Android 14
Android 13
SoCSnapdragon 8 Gen 2
Snapdragon 8 Gen 1
Snapdragon 888
Tensor G3
Tensor G1
RAM8GB(LPDDR5X)
8GB(LPDDR5)
8GB(LPDDR5)
12GB(LPDDR5X)
8GB(LPDDR5)
ストレージ256GB(UFS 4.0)
128GB(UFS 3.1)
128GB(UFS 3.1)
256GB(UFS 3.1)
128GB(UFS 3.1)
備考動作制御:SoC定格動作/パフォーマンスモード(Pixel以外)
その他:Wi-Fi環境下、画面輝度全端末50%固定/120(90)Hz駆動、室温20℃
全機ブートローダーアンロック済み

1点だけ補足というか誤解を生まないために書いておくと、Snapdragon 8 Gen 1なども室温20℃環境で再測定したので、比較的性能が発揮されやすいです。

Tensor G3以外の温度差による性能差異を確認したい場合は、比較的内容が新しいPOCO F3のレビュー記事を参照して下さい。

今回のテストではAndroid 14に計測ツールがまだ完全には対応しておらず、”TakoStats”ではfpsやCPUクロックを計測できるものの、バッテリーの電流・電圧から正しい消費電力を計測できず、”PerfDog”では消費電力を測定できる代わりにCPUクロックを見れません。

今まで培ったこの2つの計測ツールのハイブリッドによって、辛うじてTensor G3の大まかな性能や特性を見ることが可能でした。

余談ですが…Googleに何か都合が悪いのか知りませんが、Pixel 8シリーズにStore経由でベンチマーク系や内部情報を調べるアプリをインストールしようとしても意図的に防いできます。やってることが大企業とは思えません。

2023/10の中旬以降はこの制限は無くなったようです。あくまで先行レビューや早期購入者がベンチマークを行う(≒他社より性能が低いことが露呈する)ことへの対策だったみたいです。

Geekbench

まずはCPU性能を計測するGeekbench 6から始めます。通常版(6.2.0)でシングルスコア1765・マルチスコア4547、AndroPlus=サンがパッケージ名を変更したベンチマークブースト対策版(6.1.0)では1774・4497でした。

パッケージ名を変更してもスコアの大幅な低下はしていないので、インストールブロックは行っていたものの、ベンチマークブースト行為はしていないと思われます。

Cortex-X3の採用によりシングルコア性能は、X1のSnapdragon 888(2.84GHz)比で約15%、Tensor G1(2.8GHz)比で約23%近く向上。

ただし、X2のSnapdragon 8 Gen 1(3GHz)比では約3%しか差がなく、同じX3でもSnapdragon 8 Gen 2(3.19GHz)の約90%程度のシングルコア性能に留まります。

マルチコア性能では高性能コアが5基もある9コア構成なので、8コアのTensor G1から約30%、Snapdragon 8 Gen 1との場合でも約11%程度マルチ性能が上です。

それでもコア辺りの性能差が大きいためSnapdragon 8 Gen 2とは約20%近い差があります。

SoCの各性能をより円滑に理解するため、以前は「消費電力とワットパフォーマンス」として分けていたものを、それぞれに組み込みました。

さて、Tensor G3がSnapdragon 8 Gen 2と1の間…ざっくり言えばSnapdragon 8+ Gen 1に匹敵するCPU性能なのは分かりましたが、それはどのくらいの消費電力によって出力されるのかが問題です。

Geekbench 6実行中にPerfDogで計測できたTensor G3の最大消費電力は…14.9Wです。

…いいですか、落ち着いて聞いてください。スマートフォンのCPUが単体で約15Wの電力を消費します。これはとても馬鹿げた話であり、Tensor G1どころか最悪の1つSnapdragon 8 Gen 1の11.5Wを軽く越えます。

馬鹿げた消費電力の影響で、消費電力とスコアを割って得られるワットパフォーマンスは最悪です。

Snapdragon 8 Gen 2は遥か彼方、Snapdragon 8 Gen 1や888よりもピーク時の電力効率は悪く初代Tensorにすら劣り、ここ数年間でリリースされたスマートフォンのCPUでは”救いようのない電子廃棄物”だと言えます。

しかし、ピーク時のパフォーマンスと消費電力だけで判断することはできません。私達がスマートフォンを使っている間、常にCPUが100%で稼働することはなく、日常的な動作の多くの場合では低駆動の状態です。

今の私はその辺りに関心があり、私の記事に興味を持ってくれる方々も恐らく理解と興味があるかもしれません。

私が敬愛するレビュアーの1人※である”Geekerwan=サン”のように優れた電力効率曲線を作成することはまだできませんが、断片的ながらテストと結果を得られたので示します。(※厳密に言えばGeekerwanは複数人構成)

テスト方法は至ってシンプルです。各端末をroot化し、CPUクロックをユーザー側で調整できるようにします。

コア毎の周波数テーブルからベンチマークで示されるピーク時の”高クロック”、高クロックの半分になるべく近いクロックを採用した”中クロック”、最も電力を消費しない領域”低クロック”の大/中/小に区分けし、それぞれテスト端末ごとに適用して計測します。

(例:Tensor G3とSnapdragon 8 Gen 2の場合)

各SoCの区分けした動作クロックのスコアと消費電力は以下のグラフの通りです。

クロックごとのワットパフォーマンスを求めると、Tensor G3はピーク時に約15Wの馬鹿げた電力を消費する一方で、日常的な動作に近い”中クロック”や”低クロック”ではSnapdragon 888やTensor G1よりマシな電力効率であることが分かりました。

ピーク時以外の消費電力はTensor G1から明確に減少しているため、日常的な使い方ではバッテリーライフの改善や過度な発熱が無いことを期待できるかもしれません。

それでも毛が生えた程度の改善であり、Snapdragon 8 Gen 1にすら及ばない電力効率です。

歩留まり35%前後の4nm(4LPX)で製造された忌まわしきSnapdragon 8 Gen 1より、Cortex-X3の採用や歩留まり60%前後まで改善したとされる4nm(SF4)を使用して、むしろ電力効率は悪化しているというのは…。

ここまで素晴らしい電力効率の悪化具合だと、Exynos 2300の9コア構成をベースにしたのが悪く、従来の8コア構成ならマシだったのか疑問に思いました。そしてもちろん気になったので簡単ですが実験しました。

rootで遊べるのはCPUクロックの変更だけではなく、コアそのものを無効化することも容易です。フルスペックの9コア以外、仮想的な8コアを計3パターンで実行し、ピーク時だけですが電力効率も求めました。

手始めにプライマリコアのX3を無効化した場合、最重要コアの損失によりシングル・マルチ性能はSnapdragon 865相当にまで低下し、A715とA510の無効化では高性能コアを損失したA715の場合の低下幅がより大きいです。

P1+P4+E3のコア構成でスコア4320、これで9コアより消費電力が少なければ…。しかし、思っていたよりTensor G3は複雑でした。ごめんなさい、もうちょっとだけCPU部分を説明するのに付き合って下さい。

X3とA715は高性能コアが損失するので消費電力の低下も順当です。

一方で、A510を無効化したSnapdragon 8 Gen 2や8 Gen 1のような従来と同じ8コアのP1+P4(2+2)+E3構成では、9コアのフルスペックよりも消費電力が増加し、15.5Wまで達してしまいました…。

あくまで仮説ですが…A510×4の構成でバックグラウンド処理していたタスクなどが、A510×3構成では消費電力の多いA715やX3に割り振られ、A510×4構成から増加したのでは?…と邪推しています。

ピーク時の電力効率はX3を無効化した場合がワーストで、残念と言うべきか…9コアの合理性があったと言うべきかフルスペックのTensor G3が最も優れていました。それにしても全てのパターンで13Wを超えるとは…。

恐らく考え方はintelプロセッサーのEコアをかさ増しした分に比例して、マルチコアのワットパフォーマンスが良くなっていく方向に近い気がします。

色々書き連ねましたが…兎にも角にも9コア構成が諸悪の根源だったり、無駄というわけではないようです。

3DMark

やっとGPUに話を移せます。

3840×2160の解像度でVulkan APIを用いてGPU性能を計測するベンチマーク、3DMark(Wild Life Extreme)のベンチマークブースト対策版で、Pixel 8 Pro(Tensor G3)はスコア2419でした。

元々、Tensor G1(Mali-G78 MP20)の時点で20コアなりのGPU性能を持っていたので、Tensor G3との差は約13%程度です。

動作クロックを盛っただけのSnapdragon 888(Adreno 660)より約57%も性能が上で、Snapdragon 8 Gen 1(Adreno 730)と比較してもTensor G3がやや上回ります。それでもSnapdragon 8 Gen 2(Adreno 740)は遠いです。

消費電力は…8.3Wで思ったよりマトモでした。コア数が20→7基に減っていますが、GPUアーキテクチャ自体はMali-G78が第2世代Valhallベース、Mali-G715が第4世代Valhallベースなので結構な差があります。

Snapdragon 8 Gen 1(Adreno 730)もプロセスノードの被害者であまり評価されていませんが、GPUだけで言えばAdreno 600シリーズからアーキテクチャが更新されたことで、粗悪品ではありませんでした。Tensor G3も傾向は同じかもしれません。

GPUのワットパフォーマンスは依然としてSnapdragon 8 Gen 2が頭一つ抜けていますが、Tensor G3(Mali-G715 MP7)はSnapdragon 8 Gen 1相当、あるいはやや上手のようです。

スマートフォン向けGPUでは、性能と効率を両立した怪物であるSnapdragon 8 Gen 2(Adreno 740)に、Tensor G3(Mali-G715 MP7)が迫れるとは誰も期待していません。

Snapdragon 888の2倍、Tensor G1の約1.6倍でCPUとは対象的に、まだ妥当と言える改善が成されています。

PCMark for Android

Webブラウジングや写真・動画編集、データ操作といった一般的なタスクでの性能を計測する、PCMark for Android(work 3.0)のベンチマークブースト対策版で、Pixel 8 Pro(Tensor G3)はスコア11305でした。

PCMark for Android(work 3.0)では、パフォーマンスモードのSnapdragon 8 Gen 2が素で15000台を叩き出す以外はSoCによる性能差はほぼ横ばいです。ベンダーやOS諸々の調整次第でわりと変わりますが…。

ベンチマークブーストや温度制御の緩い端末によっては、例えば今回のSnapdragon 888のように14000を超えるスコアの場合もあり、PCMark自体がスコア差を競うための物ではないので高ければ何でも良い訳ではないです。

「普段使いだと性能差をあまり感じない」みたいなのも、概ねPCMarkの結果に則しているとも言え、スコア11305で普段使い向けの調整がされているPixel 8 Pro(Tensor G3)は問題ないです。

mozilla kraken 1.1

シングルスレッド性能の差が反映されやすく、ブラウザ上で動作するベンチマーク”mozilla kraken 1.1”でWebブラウザの処理速度をテストします。単位はミリ秒(ms)で1000msを下回っていれば実用的な結果です。

Pixel 8 Pro(Tensor G3)の合計処理時間は853.8msで、重たいWebページでも単純計算だと0.8秒で処理が可能。Tensor G1と比較して0.13秒速く、トップのSnapdragon 8 Gen 2より0.21秒遅いです。体感は不可能。

どのSoCも1000msを下回っているため、通常のwebブラウジングで実用上は無問題です。

CPDT Benchmark

クロスプラットフォーム対応のCPDT Benchmarkで、モバイル端末でも非常に重要なストレージ・メモリ速度を計測します。テストのファイルサイズは1GB、BufferingやCacheはOFFの標準設定です。

Pixel 8 Pro(LPDDR5X/UFS 3.1)は、シーケンシャルでライト約281MB/s・リード約828MB/s、ランダムでライト33.93MB/s・リード33.18MB/s、メモリコピーでは16.84GB/sでした。

Pixelシリーズはシーケンシャルライト(連続書き込み)が異様に遅い特性(調整?)を持っており、Pixel 8 Proも例に漏れず約281MB/sしか出ません。Pixel 6よりちょっとマシ、UFS 3.1としてあんまりな速度です。

これがどれくらい遅いかと言えばSerial ATA Revision 2.0の理…ゲフン、3.5インチHDDに毛が生えた程度です。

実用上でわりと問題が出る速度で、例えばPixelに10GB以上のゲームアプリをインストールしたことのある人は共感してくれるかもしれませんが、書き込み終わってプレイできるまで非常に時間が掛かります。

シーケンシャルリード(連続読み込み)はまぁまぁで、UFS 3.1の800MB/s台はミドルレンジと同じくらいです。

逆にランダム性能を重視しているのか、Pixel 6ではランダムライト(4KB前後の不規則な書き込み)が頭一つ抜けて速いみたいな特性でしたが、Pixel 8 Proは可もなく不可も無い平凡な読み書き性能です。

メモリコピー速度は曲がりなりにもLPDDR5Xのようで、15GB/sを越えて16.84GB/sを記録し5端末の中では2番手でした。

ちなみにPixel 8 Proはメモリ(RAM)にMicron製のLPDDR5X、ストレージ(Flash ROM)にはKioxia製のUFS 3.1を採用しています。キオクシアのUFS採用端末を現物で見るのはPixel 8 Proが初めてです。

最小構成でも15万円以上するスマートフォンとしては、メモリ・ストレージ速度が相応とは言えませんが…一般的な使い方で動作の足を引っ張ることはほぼ無いです。ただし、連続で書き込む用途には明確に弱いです。

MLPerf Mobile Inference benchmark

Pixel 8 Proに限らず、PixelのレビューではAI性能を非常に推している情報が多いです。

例えば「Tensorの優れたAI性能によって消しゴムマジックのような機能が使える」とか、Tensor G3の場合「よりAI性能が強化された」とか。

これらに質問があります。その性能を何故、具体的なデータで示さず公式サイトを読めば分かることを、延々と引き伸ばしてさも凄そうに語るのか?機能を読み上げるだけならロボットか何かで十分だと思います。

Googleの発表会で「Pixel 6シリーズが搭載した初代Tensorと比較して、Tensor G3は機械学習性能が2倍」としていますが、具体的にそれは何なのか?…少なくとも初代Tensorと比較して2倍とした理由が私は知りたいです。

なので、AIではお馴染みのNVIDIAやGoogle、QualcommにMediaTek等も参加する業界標準団体”MLCommons”が公開しているオープンソースベンチマーク、MLPerfのモバイル版”MLPerf Mobile Inference benchmark v3.0”をテストしました。

MLPerf Mobile v3.0では、画像分類・物体検出・画像セグメンテーション・言語理解・超解像・オフラインでの画像分類の6つを約30分間掛けて実行し、機械学習の性能をテストします。

1つ留意すべき点があり、Snapdragon 8 Gen 2/8 Gen 1/888とTensor G1は正式サポートされていますが、Tensor G3は計測可能なものの対応SoCには入っていません。あくまで私の好奇心を満たすための自己満足なテストです。

テスト項目と結果の桁が多いのでCPDTのようにグラフを分割します。

画像分類(Image Classification)と物体検出(Object Detection)における、Tensor G1とTensor G3の差はほぼありません。

被写体を認識してピクセル単位で領域を何のクラスか分類する(ざっくりこれです)、画像セグメンテーション V2.0(Image Segmentation)はTensor G1からTensor G3で約2.9倍に伸びています。

この段階で一応はGoogleのインフルエンサーを使った”マジック”ではなく、詳細不明ながら機械学習性能が2倍というのが現実的な話だと思えてきます。

言語理解(Languge Understanding)は約2倍、超解像(Super Resolution)は約3.7倍、オフラインでの画像分類(Image Classification offline)は約1.6倍の性能向上です。

全ての項目で性能向上があったわけではありませんが、画像セグメンテーションと超解像で公称値以上、言語理解で約2倍の結果を正式サポートしていないv3.0で発揮した時点で、AI性能の向上に疑念はありません。

他のSoCも一応載せてますが、MLCommonsのリザルトにGoogle Tensorが結果を残したことが一度も無く、実行アクセラレーションやライブラリが恐らく異なるので、MLPerf Mobileで単純比較して良いかは別の話です。

機械学習やAIを取り巻くベンチマークは混沌としていて、業界団体やベンチマークが存在していてもこの手の話にあまり触れたがる人がいないのも理解はできます。

だからと言ってGoogleの主張をそのまま、具体的な数値も無しに「とにかくAIが凄くなりました!」とだけレビューする人達が多いのはどうかと思います。

…それとMLPerfのガイドラインに従って、素晴らしい文言を記載しないといけないようで…。

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RealSR-NCNN-Android

機械学習性能を計るベンチマーク結果だけを見ても、差があるのは分かりますが…正直「?」状態です。もう少し簡単な方法として、機械学習(AI)を用いた画像のアップスケーリングをテストします。

Real-ESRGANをベースにしたシンプルなアプリ”RealSR-NCNN-Android-GUI”を使い、適当にStable Diffusionで生成した、画像1枚(1080×1920px)をモデル”real-esrganv3-anime”でGPUを使って処理させ、2・4倍へアップスケーリング後にResultで確認できる合計処理時間(秒)で比較します。

1080×1920(FHD)から2160×3840(4K)・4320×7680(8K)に、GPU処理で2・4倍へアップスケーリングした場合、Tensor G3はSnapdragon 8 Gen 1に勝るとも劣らない性能です。

Tensor G1やSnapdragon 888より高速化していますが…GPUの規模やポテンシャルを考慮すると、Snapdragon 8 Gen 1とどっこいなのはうーん…何とも微妙です。

CPU・GPUストレステスト

CPU Throttling Test

発揮可能な性能の100%を基準に、発熱による性能低下時のCPU性能や安定性を計測できるストレステスト、CPU Throttling Testを最大負荷の100スレッド、20分間実行してCPU性能の安定性を確認します。

Pixel 8 Pro(Tensor G3)の安定性は、私が今までレビューやテストした端末の中でもぶっちぎりで最悪の結果です。ピーク時のたった45%しかCPU性能を維持できません。こんな酷いグラフは初めて見ました。

5端末の中でワーストから2番手のPixel 6(Tensor G1)ですら、もう少し緩やかなCPU性能の低下で63%程度の安定性です。非常に嫌な予感がします。

5端末の安定性と20分後のバッテリー温度をグラフにすると、Pixel 8 Proは39℃であまり発熱していないです。

端的に言えば、CPU側でサーマルスロットリングの掛かる温度がバッテリー温度40℃前後時点で発動し、一気に性能が制限されている結果だと言えます。これが良いか悪いかで言えば”とても悪い”です。

CPUやGPUの内部温度的に90℃、バッテリー温度で45℃くらいで強めに掛けるとかPixel 6(Tensor G1)のように下げるけど緩やかで段階的なら仕方ないかもしれませんが、Pixel 8 Pro(Tensor G3)はやり過ぎです。

ソフトウェアやサーマルスロットリングによる発熱抑制は、熱くなりすぎないための保険であって、海外の分解動画から判明している通りPixel 8 ProはハードウェアにVC冷却を採用せず、熱拡散のグラファイトシートを無印比で厚めにしただけの手抜きな発熱対策です。

Snapdragon 888に苦しめられた経験から、スマホメーカーは10W前後を消費するSoCを採用することの多いメインブランドのフラッグシップや、サブブランドのフラッグシップでもVC冷却で発熱対策を強化しています。

…Tensor G3の消費電力はCPU単体で14.9W、酷い場合15Wを越えてもおかしくないSoCです。それをグラファイトシートを厚めにしただけ+サーマルスロットリングで強制的に押さえつけて、安定性を重視しないGoogleの熱対策意識の低さには残念としか言いようがありません。

3DMark Wild Life Extreme Stress Test

ベンチマークブースト対策版の3DMark(Wild Life Extreme Stress Test)で、GPU性能の安定性を確認します。

Pixel 8 Pro(Tensor G3)は最大スコア2431・最低スコア1820で安定性は74.9%でした。

最大スコア自体は2431でSnapdragon 8 Gen 1(Adreno 730)を越えますが、最低スコアは2000を下回り1820まで低下します。

気温が低くなると、Snapdragon 8 Gen 1は元気になるのであんまり参考にならないのですが、夏場でも1850以上だったのでTensor G3のMali-G715 MP7は、夏場のAdreno 730とどっこいくらいです。

それでも一応はSnapdragon 888(Adreno 660)のピーク性能を超えており、Tensor G1(Mali-G78 MP20)よりも明らかに安定性が向上しています。上述の通りTensor G3は”GPUだけなら”マトモな進化をしてます。

20ループ後のバッテリー温度は、VC冷却が無いわりに比較的優秀で「Tensor G3とPixel 8 Proが」とも言えなく無いですが、本質的にはGPUに採用した「ArmのMali-G715が」優秀なだけかもしれません。

GPU性能を重視した3Dタイトルだと、Tensor G3は案外マトモな可能性が浮上してきました。

ゲーム性能

ベンチマークテストの結果は所詮、最大性能を測定するための存在・簡易指標でしかないです。

実ゲームにおける実行性能はしっかり各ゲームごとに計測して、そのデータからでしか読み解くことはできません。引き続き”TakoStats”で各種データ、”PerfDog”で消費電力などを計測します。

今回からレスレリこと”レスレリアーナのアトリエ”を追加し、メガニケ・原神・スターレイルを合わせた計4タイトルでTensor G3のゲームパフォーマンスを確認。

一口に3Dゲームと言っても、その動作に影響するものがGPUだけとは限りません。特定のタイトル1つだけを動作させて結果が悪い=ゲーム性能がダメだと判断するのも早計です。

目安のフレームレート、そして各ゲームがCPU・GPUどちらの性能に影響を受けるのか、推奨性能も簡易的ですが表に示しておきます。

テストタイトルと動作、性能の影響について
タイトル動作の目安CPU・GPU性能の影響
勝利の女神:NIKKE
(メガニケ)
平均:50fps以上必須
最低(1%):45fps以上
CPU性能寄り
推奨:Snapdragon 8 Gen 1
原神
(Genshin Impact)
平均:45fps以上
最低(1%):30fps以上
CPUボトルネック
推奨:Snapdragon 7+ Gen 2
崩壊:スターレイル
(Honkai:Star Rail)
平均:45fps以上
最低(1%):30fps以上
GPU性能依存
推奨:Snapdragon 8+ Gen 1
レスレリアーナのアトリエ
(レスレリ)
平均:30fps以上GPUボトルネック+最適化

勝利の女神:NIKKE

まずはフレームレートによってDPSに差が生じ、fpsの安定性が非常に重要となるガンガールRPG「勝利の女神:NIKKE(メガニケ)」でのパフォーマンスをテスト。4タイトルの中では中量級で性能要求値は低めです。

以前は射撃場での簡易テストに留まっていましたが、裏の方である程度進んだためテスト内容を迎撃戦に更新。

特殊個体5体のうち、コアさえ破壊すれば胴体を撃つだけで良く、最もランダム要素を排除して動作を揃えやすかったので特殊個体:モダニアを選択。

戦闘狂以外、クイック戦闘で消化すると思うので計測は1回です。逆に1回目の時点で平均50fpsを越えない場合、ストーリーの攻略や日課の消化にすら使い物にならないという目安にもなります。

迎撃戦(特殊個体:モダニア)でのフレームレートは、Pixel 8 Pro(Tensor G3)が平均43.7fps・最低(1%)29.8fpsでPixel 6(Tensor G1)に毛が生えた程度のフレームレートでした。格下のSnapdragon 888すら遠く、Pixel 8 Proは使い物になりません。

TakoStatsで記録したデータを出力してCPU使用率やクロックとフレームレートを見てみると、プライマリコアのCortex-X3や高性能コアのCortex-A715の動作クロックが全く上がっていません。

X3(#8)が平均878.8MHz、A715(#4)が平均1.08GHzでしか動いておらず、メガニケを60fps動作させるのに必要なCPU性能には程遠いです。

平均57.5fps、最低(1%)50.8fpsのSnapdragon 8 Gen 1のデータを持ってくると、X2(#7)が平均2.14GHz、A710(#4)が平均2.24GHzで動作しており、ちゃんと高性能なコアを使ってくれていたのでCPUが、GPUの足を引っ張らなかったようです。

単体DPSの比較ではモダニア(ラプチャー)に対して、モダニア(ニケ)が与えたダメージはブレ幅を考慮しても、フレームレートの低いPixel 8 Pro(Tensor G3)がワーストです。…基地防御の報酬獲得専用ですかね。

原神(Genshin Impact)

Snapdragon 855+RAM6GBクラスに推奨スペックが引き上げられた、AAA級タイトルの1つ「原神(Genshin Impact)」でのパフォーマンスをテスト。

テストに際して、Pixel 8 Proのレンダリング解像度が他の端末と大きく異なっていないか調べます。

864pや720pで原神を実行できるRedmi K60 Proを基準にして、Pixel 8 Proのレンダリング解像度を他記事の副産物CR²FS(Check the Rendering Resolution with Farzan Senpai)で確認すると、19段だったので恐らく720pです。

CR²FSと勝手に呼んでるやり方は他の端末の解像度が前提なので簡易的、中華圏の鋸歯ほどの精度は無いです(鋸歯も公式情報ではないし)。ちなみに864pだと22段です。鵜呑みにはせず”ふーん…”程度に留めて下さい。

原神の動作テストには、引き続きVer.4.0以降から導入した中華圏でも性能テストとして用いられている、スメールシティを夜蘭の元素スキルでランニングし続けるテストを採用。

戦闘によるエネミーの行動パターンやローテーションといったランダム性を排除した、純粋なマシンパワーの測定です。無駄に大量のNPCが配置され、地形も複雑なためCPUボトルネックの差も大きくなります。

【夜蘭C1で約4分のルート】

  1. チャトラカム洞窟側のワープポイントからスタートして、合成台、鍛冶屋を通過し冒険者協会へ
  2. そのままヤザダハ池、また冒険者協会へ戻って、グランドバザールへ直行、ズバイルシアターの階段で反転して来た道に戻り
  3. レグザー庁の左側にある階段から教令院、内部右側の出入り口からラザンガーデンを通ってスラサタンナ聖処まで昇り
  4. スラサタンナ聖処から来た道を戻り、教令院、螺旋階段を通過して道なりに進み、チャトラカム洞窟側のワープポイントへ戻る

ドライバーのオーバーヘッドによって、GPUよりもCPU性能がフレームレートに影響するタイトルである原神の中でも、CPUボトルネックの影響が色濃く現れるスメールシティだと、Pixel 8 Pro(Tensor G3)は平均でたった24.4fpsしか出せず、最低フレームレート(1%)は11.9で全く安定性がありません。

ベンチマークでは概ねTensor G3が優勢でしたが、平均50fps前後で格下のSnapdragon 888の半分以下、40fps前後のTensor G1にすら原神では大敗しています。

CPU Throttling Testで安定性の酷さは分かっていたので驚きもありませんが、Tensor G3は全てのCPUがSnapdragon 8 Gen 2世代と同じコアにアップグレードされたモデルで、規模やポテンシャルを考慮するとこれは奇妙です。

CPU使用率やクロックとフレームレートを見てみると、A510(#0)は平均789MHzでしか動作していないのに対し、A715(#4)は平均1.93GHz、X3(#8)は平均2.49GHzで動作していました。

CPU使用率は平均58%で高性能コアも適切に稼働していながら、何故こんな結果になるのか理解できません。

引っかかるのは高効率コアのクロックが異様に低いことと、あの安定性で高性能コア5基が2GHz以上で稼働している点でしょうか。サーマルスロットリングで性能が制限されているようには見えません。

比較用にまたSnapdragon 8 Gen 1のデータを持ってくると、高性能コアのクロックは大きく変動し、バッテリー温度が上がる後半ではサーマルスロットリングで適切にクロックが下がっているのが分かります。

コアクロック自体は高いものの、消費電力自体は何故か4~5W前後でフレームレートも全く出ないため、バッテリー温度は36.7℃までしか上がりませんでした。平均24fpsしか出せないのに35℃を超えるのか…とも思います。

1フレーム辺りの消費電力は168mWでワーストです。動作も電力効率もTensor G1以下になるとは思ってもみませんでした。

平均24fpsじゃデイリー消化すらままならない動作で、相変わらず原神とTensorの相性は悪いです。

崩壊:スターレイル(Honkai:Star Rail)

Snapdragon 855・Dimensity 1000+RAM6GBクラスが推奨スペックな、崩壊シリーズ最新作のAAA級タイトル「崩壊:スターレイル(Honkai:Star Rail)」でのパフォーマンスをテスト。

本来であれば、mihoyoがリリースした崩壊3rd・原神・スターレイルなどは、デバイスごとにレンダリング解像度を変える法則性があるため、原神同様にレンダリング解像度が異なるかどうか確認が必要です。

ただ…原神ほど中華圏の情報を追えていないため、スターレイルが一部のデバイスで1679×755(Xiaomi 13 Pro)、1620×748(iPhone 14 Pro Max)のレンダリング解像度で実行されている程度しか、皆さんに共有できません。

一先ずレンダリング解像度は保留として、いつも通り非常にGPU負荷の重い、仙舟「羅浮」の星槎海中枢をグラフィック(最高)かつ60fps設定で一定のルートを時計回りに15分間歩き回り、フレームレートを測定します。

GPU性能が大きく動作に影響するスターレイルだと、Pixel 8 Pro(Tensor G3)は平均36.6fps・最低(1%)23.8fpsで、CPU性能が影響する原神などと違い、GPUをぶん回して爆熱化するSnapdragon 8 Gen 1や888より、最低フレームレートだけはマシな結果になりました。ただしGPUのポテンシャルを考えると微妙です。

スターレイルを最高画質かつ60fpsの仙舟「羅浮」で安定してフレームレートを出せるのは、冷却のしっかりしたSnapdragon 8+ Gen 1相当からになるので、テスト端末の中だとSnapdragon 8 Gen 2以外はどれも大差無いです。

1フレーム辺りの消費電力は167mWで、電力効率はスターレイルだとTensor G3が2番手です。バッテリー温度が40.3℃なのを見るに、GPU側の制御はCPU側より適切だと思います。

レスレリアーナのアトリエ ~忘れられた錬金術と極夜の解放者~

最後はSnapdragon 835+RAM4GBが推奨とされている、レスレリこと「レスレリアーナのアトリエ ~忘れられた錬金術と極夜の解放者~」をテスト。

リリースから日が浅く、グラフィッククオリティ相応にとても負荷が重いことと負荷による発熱が凄いという情報くらいしか見つからないため、先に私の知見などを共有しておきたいと思います。

裏で色々とテストした限り、このゲームの要求値を現行世代のスマートフォンでは多分、満たせません。

手っ取り早く伝わると思うので文字に書くと、レスレリのベスト設定+60fpsは”サーマルスロットリングを無効化して、680MHzに固定したSnapdragon 8 Gen 2(Adreno 740)”でGPU使用率が99%に張り付き、それでも40~50fps出すのが手一杯という感じでした。…この場合、Apple M1以上が適任者になるかもしれません。

ただしCPU使用率は3~40%程度のため、程々にCPUも影響する崩壊:スターレイル以上に純粋なGPU性能のみが影響する、極端なGPUボトルネックタイトルのようです。

他のゲームタイトル同様にランダム性をなるべく排除し、全てのデバイスで同じ動作をさせるために、方法やゲームそのものが煮詰まっていないのでストーリー回想を仮テストとして今回は採用しました。

本来はゲーム序盤をテストに組み込むのは、原神をモンドでテストするのと同じで間違った方法ですが、現段階ではこれがテストとして成立してしまうくらいに、レスレリのベスト設定での性能要求値は厳しいです。

Pixel 8 Pro(Tensor G3)は平均12.8fps・最低(1%)11.4fpsで、Pixel 6(Tensor G1)から3.2fpsだけ伸びました。

GPU性能が同等のSnapdragon 8 Gen 1どころか、格下のSnapdragon 888の半分以下です。

ArmのGPUにどの程度レスレリ側が最適化できているか不明なので、DimensityがSnapdragonクラスの動作をするのであれば、単純にTensor G3(Mali-G715 MP7)の性能や最適化不足。

DimensityもTensorのように、Snapdragon(Adreno)ほどに動作しないのであればArmGPUの最適化を疑うんですが…。1つ確かなのは、Tensor G3でレスレリのベスト設定は無理です。

GPUボトルネックなのでCPU側がネックになっている原神やメガニケと違い、画質を落とせば動作改善可能なのは不幸中の幸いですが…。

1フレーム辺りの消費電力は415.2mWで、フレームレートが全く出ないので電力効率は非常に悪いです。

バッテリー温度は40.3℃でスターレイル同様にGPU側をあまりぶん回さないようです。動作はTensorより圧倒的に良いものの、Snapdragon 8 Gen 1や888は原神やスターレイルより爆熱と化してしまいます。

カメラ

ハードウェア

Pixel 8 Proのカメラハードウェア(搭載センサー)は、Tensor G3同様に分かっていない部分が多いです。

元々ISOCELL GN2だと噂されていたメインカメラですら、結局1/1.31インチから変わっておらずそれがGN1なのか、vivoの独占期限が終わったGNVがPixelに解禁されたのかすら推測の域を出ていません。

更にPixel 8シリーズの発表後に、SamsungがGN1の後継とされる新しいセンサーのGNKを公開したため、GNKの可能性まで浮上してきました。なので「?」が付きます。真相はGoogleかSamsungしか知りません。

カメラセンサー
メイン 50MPSamsung ISOCELL GNV/GNK(1/1.31インチ)?
超広角 48MPSony IMX586(1/2インチ)?
5倍望遠 48MPSamsung ISOCELL GM5(1/2.52インチ)?
フロント 10.5MP不明

どうでもいいことですが、真ん中のデカい奴がメインだと思ってましたが…左からメイン/超広角/望遠みたいです。

ソフトウェア

カメラアプリが調整され、レンズを手動で切り替えたり明るさやら色温度を変えたり、ざっくり他社で言うプロモードが実装されたという認識です。

カメラのシャッター音は相変わらず、デフォルトだと消せません。加えて音がかなり大きいです。

簡単な作例と雑感

カメラに関しては私が苦手としている分野でそんなに詳しくなく、より詳しく触れた情報がいくつも存在しているので、簡単な数枚のサンプルとその雑感です。

比較に今までメインのカメラに使っていたPixel 6のサンプルを左に置いておきます。Pixel 8 Proは目で見た色合いに近く、暖色寄りだったPixel 6比で主張が大人しい感じです。

細かい部分をPCのモニターで拡大すると、解像感の向上やノイズが抑えれているのが分かりますが、どっちがどっちなのか分からないような写りのときもあります。

低照度下や夜間撮影では明らかに解像感が良くなり、写真のノイズも軽減されました。まぁ…暗所撮影の向上を謳い文句にしていたので順当な気がします。

食べ物を美味しく撮れるかは対象や場面、撮影者次第でしょうが、暖色寄りの方が美味しそうに見える場面だと、Pixel 8 Proは撮って出しには少し不向きかもしれません。

物撮りだと逆にPixel 6が変に暖色寄りで、Pixel 8 Proは見たままに近く2倍以降のズームにも強いので優秀です。

ただまぁ…Pixel 6から圧倒的に金額分、カメラが良くなったかと言われたら大半が調整でどうにかなる部分で、超広角が良くなってマクロフォーカスに対応、暗所性能の向上とペリスコープが付いただけみたいな存在です。

3年前に投げ売りだったとはいえ、奮発してP30 liteからP30 Proに乗り換えたときの感動をもう一度…って、Pixel 8 ProをPixel 6の後継として選定したつもりですが、なんか無理してPixel 8 Proじゃなくても良い気がしてます。

あとは大半の人が「何故、温度計?」と感じるPixel 8 Proの温度測定機能は、身内との一発芸か何かには使えると思いますが…これよりPixel 8+FLIRの外付けサーモグラフィーの方が安いし、実用的だと思います。

まとめ:高価で9コアだけど、大半の場面でSnapdragon 8 Gen 1以下

良い悪い
・Pixelにしては洗練された良デザイン
・マット加工で指紋の目立ちにくい背面ガラス
・明るく色鮮やかでフラットな”Super Actua ディスプレイ”
・1~120Hz(LTPO)対応
・USB 2.0よりマシなUSB 3.2 Gen 2
・確かに向上したAI性能、GPUも比較的マトモな改善
・カメラ性能”は”やっぱり良い…(ハズ)
・ブートローダーアンロック対応で、FeliCaを搭載
・Snapdragon 8 Gen 1以下のCPU電力効率
・ピーク時の消費電力がCPUだけで約15W
・爆熱にならないように無理矢理、性能を抑制するため安定性が非常に悪い
・グラファイトシートのみで、VC冷却無しの手抜き
・15万円以上もするのにUFS 3.1、シーケンシャルライトがとても遅い
・格下はおろかTensor G1と同等かそれ以下のゲーム性能
・15万円以上のわりに普通なステレオスピーカー
・無いよりはマシだが顔認証が微妙
・他社より遅いUSB PD30W(一瞬だけ)
・DP Alt Mに対応していながらソフトウェアで無効化
・スクショ&カメラのシャッター音が消せない

カメラについては上述の通りなのと、ご存知の通りGoogleが後出しで機能追加すると言っているので、現時点で結論は出せないですし、他のカメラに詳しい人がやってくれるのでそっちを見て下さい。

個人的に新しいメイン機にするつもりだったPixel 8 Pro(Tensor G3)への期待がデカすぎたので、色々と試して性能が分かってくるにつれて、苦笑いするしかない状況になっていきました。明らかに15万円以上の金額とハードウェアが釣り合っていません。

ゲーム性能に関しては色々と最適化や9コアCPUを適切に使えていない節があり、最悪Pixelにゲーム性能を求めていない&AAA級タイトルをプレイするなら、XiaomiやOPPO(OnePlus/realme)、ROG Phoneなどを選んだ方が良いので、そこじゃないです。

CPU単体でピーク時約15Wを消費し、9コアでありながらSnapdragon 8 Gen 1以下の電力効率、ピーク時に限定した場合はTensor G1以下です。せっかくGPUは順当に改善しているのにCPUのせいで台無しです。

おまけに約15W近い消費電力のSoCをハードウェアで適切に冷却せず、サーマルスロットリングを強めただけの手抜きで全く性能の安定性がありません。相変わらずPixel(Google)のハードウェア軽視には残念…としか。

ベンチマークを重視しないPixelが、ベンチマークでしか結果を残せないのは何とも皮肉な話です。とはいえベンチ番長でも普段使いで困ることはありませんが…。

ハードウェアや実性能があんまりな場合、Pixel 8 Proに残るのはカメラとAIと綺麗なディスプレイだけですが、AIに関してはほぼカメラ関連の一部で、何かPixel 8 ProのAIだけでもの凄いことをやってのける訳じゃないです。

レコーダーの文字起こしとかPixelの便利機能が欲しいならPixel 7aとかで使えますし、カメラ性能もPixel 7 Pro辺りで十分かもしれません。Pixel 8 ProとTensor G3にしかできない、唯一無二の機能がほぼ無いです。

為替や円安の影響があり仕方ない部分もあるとは言え、15万円以上出して無理にPixel 8 Proを買うのはやめた方が良いです。Storeクレジット等を考慮しても、もしお買い物検定というものがあるなら失格です。

以上「Snapdragon 8 Gen 1以上の失敗作、Tensor G3を採用しPixel 8 Proは消費者の財布を破壊する」と題して、Pixel 6から期待して待って、買ったら財布を破壊された私がレビューしました。

アップデートで多少の動作改善やGemini Nano(AI)などが追加されたようですが、Pixel 8 ProにPixel 6ユーザーだった私が求めていたものは無く、既にお別れしており、発熱や電力効率の悪さの根源であるSamsung製のTensor G3そのものが良くなることは無いので、例え今後安くなっても再度手に取ることは無いと思います。

コメント

  1. Ry より:

    Pixel 8 Pro本当に酷いですよね…。
    Googleストアは「製品が気に入らない」「デバイスが熱くなる」という理由で無料返品できるので、返品した方が不満をGoogleにぶつける意味でも役立つかも知れません。

    • hiro より:

      Pixel 7シリーズのバーゲンセールとはいかないまでも、価格がもう少し見合っていたらまた印象は違ったんですけど…。厄介なのは憎むほど悪くも無いという中途半端さですね。
      アクセサリー類のお金は勉強代として諦めて、確かに返品も視野に入れた方が良い気がしてきました。

  2. konbu より:

    いろんなゲームの動作検証、たいへんお疲れ様でした。グラフでわかりやすく諸情報とても参考になりました。
    大抵の記事はただただ原神ガーウゴカナイーというだけのものばかりで、原神プレイヤーじゃない私は正直胃もたれしており
    原神以外は動かせる(だろう)し、ソフトウェアアップデートで本体のカドが取れればもっと変わると淡い期待を抱いていました…が…

    • hiro より:

      ゲーム性能の改善が、ソフトウェアアップデートで無理…とも言えないんですよね。
      普通に考えれば大半のゲームをある程度は快適に動かせるポテンシャルを持ってます。
      私の邪推としては
      ・Googleによって意図的にゲーム性能を抑制されている(爆熱にならないように)
      ・Tensor G3が各ゲームタイトルに最適化されておらず、正しい性能を発揮できない
      ・2つの複合もしくは他にも要因がある(例えば異質な9コアCPU構成)
      何れにしてもゲーム側からすれば、Pixelしか採用しないTensorの最適化に力を入れるより、他メーカーのシェアが高いSoCに注力するはずですし、Google側が「ゲームやベンチは重視しない」としているので今後ゲーム性能が改善する望みは薄いですね。
      私は最悪Pixel 8 Proで快適にゲームが出来なくても困らないのですが…如何せん電力効率が酷すぎるのでメイン機採用は見送りました。15万払って8 Gen 1、初代Tensor以下とか要らない…。
      …あと原神ウゴカーナイは最近多すぎて、昔のAntutu信仰を思い出す勢いですよね。CPU側が要因なのも知らずに「最重量3Dタイトル!」とか。だから他タイトルもやってるんですケドね。

  3. あじ より:

    すごい力のこもったレビュー、大変参考になりました。
    たしかに、AIばかり推しているレビューが多く不自然に感じていました。
    これからもレビュー期待しています。

    • hiro より:

      他のレビューだとプロモーションを受け、当たり障りないレビューをGoogleにお願いされているからでしょうか。
      そうでなくとも、10月の先行レビュー組は基本的にGoogleに都合の悪くない人選がされているように見受けられるので…。
      レビューの期待…。はい…恐らくこれからも私なりに、スマートフォンを主にSoCと性能に焦点を当ててレビューするはずです。
      記事内に書いた通り国内外で深い情報を発信し、私が参考にしている真なるオタクの方々にはまだまだ遠く及ばないので、内容の向上も期待していて下さい。

  4. ヒマ人 より:

    8proの発売日に7proを落っことして背面パネルを割ってしまいほぼ強制的に8pro(白)に買い替えましたが裏面パネルの色が気に入ってます(死) 
    ちなみに7proの背面パネルはヒビが入っただけで全然使えるのですが7pro/8proの背面パネルはバッテリーや基盤と接着されていて背面パネル交換するとほぼ全交換に近く、液晶パネル交換よりも高く付くことが判明し、Google Store純正の買取サービスでも査定ゼロ円になりましたので窓から投げ捨てました。くれぐれも液晶パネルを割ってでも背面パネルは割らないようご注意くださいませ。
    なお繰り返しますが8pro(白)の背面パネルはとても(・∀・)イイ!!色をしており気に入ってます。

    • hiro より:

      中々ユニークな方ですね、液晶(LCD)ではなくOLEDというマジレスはやめておきます。
      Pixel 8 Pro(の背面)を気に入ったまま、安心して森へお帰り下さい。

  5. 名無し より:

    TensorG2から全コア刷新して製造プロセスも微細化して動作クロックも控えめに増加しただけ
    G3は電力効率結構良くなるのでは? と思ってましたがまさかの結果でした
    ふーむ、一体なぜ…

    素晴らしい調査内容で興味深く読ませていただきました

    • hiro より:

      レビューしてるときはあまり意識しなかったんですけど、仮でCPUの電力効率曲線を描いたらTensor G3は大体8 Gen 1を大幅に悪化させた位置なんですよね…(性能UP、その代わり消費電力も相応にUP)
      もしSnapdragon 8 Gen 2がSamsung 4nm製だったら、こうなっていたかもしれない…その具現化がTensor G3(Exynos 2300)かなー…なんて思ってみたり。
      Samsung 4nmは5nmと大きな差は無いとも言われてたりしていて、TSMC 4nmの7+ Gen 2や8 Gen 2、Samsungの888、8 Gen 1と触れてきて、やっぱり効率の悪さはファウンドリー由来だと感じてます。
      (仮)

  6. 匿名 より:

    非常に参考になりました。ありがとうございます。
    この記事を読んでGoogleストアクレジット沼から脱出したくなり、Pixel8proをキャンセルしました。

    ちょうどauでS23 ultraが値下げしたので買いましたが、やっぱりSnapdragonとTensorは雲泥の差ですね。
    今まではPixel7proを使ってましたが、普通に電車でネットサーフィンするだけでも違いを感じます。
    5G⇔4Gの切り替えやハンドオーバーに失敗して圏外になることが無くなっただけでも満足です。

    • hiro より:

      通信関係のモデムも全然違いますからね…Exynosモデムは脆弱性にバグとか電池食いな負のイメージが強い…。
      別にPixel下げしたいわけじゃないんですが、Pixel 8シリーズに10万円以上掛けるより他メーカーの機種にお金掛けた方が幸せですもんね…。
      私もそろそろメイン機のPixel 6を検証端末並の水準に更新したいです…。

  7. 匿名 より:

    正直いって開発機ですよね……
    ARMv9になったこと、MTEが使えること、BootloaderUnlockが普通にできること、OSのアップデートまわり
    もうnexusに名前戻して変に高値つけるのやめたほうがいいんじゃ……

    • hiro より:

      Nexus時代は私がクソガキだったので良く分からんですが…。
      個人的にはTensorから、またSnapdragonに戻ってくれても良いかなとは思います。
      Googleが当時言っていた、自分達が作りたいPixelの為に他社SoCの性能を待ってられないから自分達で作るというのも、SD888時代ならまぁ…分からんでもないです。
      ただ、TensorG3だと8Gen2やD9200から1〜2世代遅れてるうえに、AI時代を見据えて各社性能強化、MediaTekなんかは〇〇UltraみたいなカスタムSoCも出してるので…。

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